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俺の戦国繁盛記 打倒信長で天下を治める  作者: C-RAM
第3章:大名家 近畿統一編
15/20

第15話.南蛮航海への可能性は?

 1565年……ある意味、平穏無事な五年が過ぎた。


 俺にとっては、()()()()()()の大騒ぎだったのだが、ある意味平和と言えるだろう。


 四人の嫁のうち、伊都を除く三人を孕ませて、一男二女を無事に節句まで育てる事が出来たのだ。


 「ただの呪い」と馬鹿にした、身代わりの人形が効いたのかも知れない。


 ともあれ、ここ暫くはそう言う騒ぎも無く、のどかなものだ。


 絶えずくっついて来る、伊都の存在を除けば、な……。


 どうにも、二人目の子供を授かる事が出来なかったのが、辛いのか?


 いつも一緒に居ると、『おうおう、見せつけてくれますなぁ、殿』などと言われるのも、もう慣れてしまった。


 

 そう言う事情もあるが、俺と伊都があちこちの国を廻りながら、仕事の様子を伺う事になる。


 ……俺の部下達は、しっかりとした者で何も指示する事が無い。


 島と鹿之助は、互角の戦いをするようになった。


 経験不足の島を、常に困難な戦場を戦った鹿之助が鍛えまくったお陰だ。


 雄利は、弓隊を率いて今日も朝倉家との小競り合いに駆り出されている。


 朝倉家も、史実以上にしぶとい。


 ……主な原因は、浅井長政を筆頭に経験豊富な部下達が連携し、宗滴の薫陶を受けた兵士たちが支える。


 寄せ集めの本願寺では、いかんともしがたい差がある。


 ともあれ、実戦経験だけは何物(なにもの)にも代えがたいので、強行もせずに長引かせている。


 ……これもまた修行なのだ。


 五年の月日は、あっという間に過ぎて膠着状態となった各陣営がもがいている。


 武田家は、未だに上野(こうずけ)の長野家をどうする事も出来ないでいる。


 信玄の唯一の弱点でもある、城攻めだしなぁ。


 聞く所によると、猛威を振るっているのが『剣豪部隊』だと言う。


 そんな物、役に立つのかと思っていたが、とんでもなかった。


 遠巻きに弓で何とかしようとしても、一直線に駆け抜けて刀の一振りで草を刈る様に、兵士が倒れるのだそうだ。


 とんでもない長さの槍をぶん回して、一軍団を撤退させたとか……。


 ……お伽話の様な、そんな報告が甲賀衆からやって来る。


 それにしても、長尾家も武田家もあの城を巡って随分と被害を被っている。


 川中島の合戦が無いと思いきや、上野(こうずけ)での名将・軍師の死者はヤバい。


 死ぬほど欲しがった、勘助やら真田やらの良い武将達がどんどん死んでいく。


 うちにも一人分けてくれないかなぁ……などと言っている場合でもない。


 朝倉家のすぐ後ろは、越後の長尾家なのだ。


 弱体化すると、こっちに被害が及ぶ。


 どうにもできないまま、五年がたつ。


 斎藤家は、竹中半兵衛を仲介して西美濃三人衆を調略した。


 ……とは言っても、道三側を守らせているだけで金が貰えるとなれば、ウハウハだろう。


 そんな努力の甲斐もあって、未だに国境は小競り合い以上にはなっていない。


 伊勢と尾張も同様……今川家は必死で内政をしながら、兵士を増やしている。


 どうしてそうなったかと言えば……九鬼の担当が伊勢湾の商船だからだ。


 南蛮人も、津島の商人も海賊行為を徹底されてしまえば、干上がってしまう。


 そんな理由で大阪の街は繁栄し、尾張はただの農村と化してしまった。


 織田信長には悪いが、絶対に南蛮船をそっちにやる訳には行かない。


 硝石や鉄砲はこっちで独占しており、大金を積んでも他国に流れない様に関所を設けている……。


 いわゆる「入り鉄砲に、出商人」である。


 ……税金対策は、しっかりと!!


 徹底的なこちらの防諜活動で、今尾張や三河で商売する奴などいない。


 結果として、こちらの商売圏に人が集まり、活気が出る。


 五年前には、絶対にひっくりかえせないと思った東の強国も、今では五分に戦える。


 ……あと五年もすれば、絶対に勝ちに持っていける。


 鉄砲の扱いにも、慣れてきたからな。


 雑賀の小僧(まごいち)がもたらした、鉄砲の運用は素晴らしいものがある。


 一度、小競り合いで大量の鉄砲を使ったが、兵士が吹き飛んだ。


 ……まあ、それに見合うだけの銭が飛んだので、それ以降はやっていない。


 現代だと『十字砲火』とでも言うのだろうか。


 左右両端から、一斉に射撃を繰り返すと、みるみる死人が出る。


 鉄砲自体は、それ程改良していない……それでもこの威力だ。


 うちの兵士の間では「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()」と厳命している。


 その距離でなら、竹筒の束を使っても貫通出来る。


 ……当然、鉄砲の弱点位は、織田の家臣連中も知っている。


 当たり前のように準備された、竹束への対策なのだ。


 一発撃つだけで、大金が飛ぶのはあっちも知っているから、お互い必死である。



 そう言う具合で、普通ににらみ合いが続き、どちらも調略に応じる事も無い。


 特に、今川家で奴隷のような扱いをされる尾張衆でさえ、こちらの内応に全く答えない。



「嫁さんを沢山囲って、腰を振っているだけの『なまくら侍』に、降ってたまるか!!」とは、信長の弁である。


 ……それは否定しない。


 俺自身、何のとりえもない当主だしなぁ……。


 ともあれ、平和な日々を送る事になろうとは……やる事が無いわけではないが、暇だ。


 ……そうそう、大内家は健在である。


 大友家とここが抜けると、九州がどえらい事になるのだが、未だに何も起きない。


 別に毛利家を止めている訳でも、積極的に外交している訳でもない。


 ただ、石見の銀と明の「明銭(みんせん)」を交換する貿易で儲かっているだけだ。


 大内家は、「勘合符(かんごうふ)」を持つ、唯一の大名家である。


 石見で採れる、大量の銀の行き先は、南蛮人か明にしかないのだ。


 国内での銀の大口需要は、ほぼ使い尽くした。


 一方、日常で使える「銭」の絶対量が足りない。


 今の『中国・四国・畿内』と言った大経済圏は、大変な「銭」不足なのだ。


 かつて俺が「明銭(みんせん)」しか受け取らずにいたのも、それが原因だった。


 ……「永楽通宝」の為だけに、日明貿易を続けているのだ。


 月に十万貫文もの「永楽通宝」を輸入し、何とか回している状態だ。


 積極的に「明銭(みんせん)」と「鐚銭(びたせん)」を取り分けて、わざわざ狭い交易船の中に「鐚銭(びたせん)」を積む。その為に役人を置き、市場から回収するのだ。


 ……そんな無駄な事をしないと、この経済圏を維持出来ない。



 そして、俺の担当は、もっぱら南蛮人となっている。


 キリシタン・宣教師と仏教各宗派との関係は、最悪である。


 俺が、キリスト教徒と一向宗ばかり贔屓(ひいき)していると、京での噂が絶えない。


 こっちが、入って来る宣教師や南蛮人をなだめすかして、日々苦労しているのがわからないらしい。


 やれ、土地を所有するな! 役職を貰うな! 物を貰う時は許可を取れ……と言ってお小言を教会に言う羽目になるのは、俺の仕事だ。


 京と大和での布教活動を、朝廷への許可を得るための決まり事として、きっちりとやった結果である。


 「ご丁寧様な事に」、本願寺のお堂とお向かいに作った教会には、あまり人が訪れる事は無い。


 ……肝心の修道士や宣教師がいないという理由もある。


 それは、俺の今の目標というのが「日葡辞典(にっぽじてん)」なのだから。


 その為に、三年もの間、通訳や宣教師を呼び寄せて、隆景と一緒に苦労している。


 ……今の所、「五千文字」のポルトガル語を書物に写した……大変だったんだからな!!


  宣教師は漢字が読めないし、通訳は文字が書けない。


 あっちこっちで通訳をやり取りして、ようやく一文字の意味を理解する。


 ……誰もやりたがらない、この地味な仕事を文句も言わず頑張っているのは、意外にも隆景自身である。


 外交も調略も全くできない、この『閉そく状態』の中で、意外な才能を発揮したのだ。


 あいつの語学センスは、凄いものがある。


 もう、簡単な会話なら、通訳も必要ない。


 そりゃあ、毛利家の良くある戦国の『攻めた・殺した』の日々では、絶対に見いだせないわな……その才能。


 ともあれ、今日も今日とてロレンスという日本人通訳と、『ルイス・フロイス』という日本好きの宣教師に、カタカナを教える毎日である。


 漢字は無理でも、カタカナなら五〇文字だ!!


 必死に書き取りをする彼らは、本国に帰れば物凄いエリートである。


 欧州でも、トップクラスに頭の良い彼らへ日本語を教え、日本の事を教える毎日。


 ……船乗りや宮大工を集めて、どうにか『外洋航海』を夢見る日々でもある。


 それなりに楽しく、新たな発見もある。


 ……長い間、叶えたかった『南蛮への旅路』を何とかしようと、必死に行動しているのだ。


 俺は、決して腰を振るばかりではない!


 ……うん。信長君には、そう言っておこう。

ざっくりと更新するこのコーナー、三好長慶と松永久秀をただひたすらに格好良く!


そう言う感じは、出ているでしょうか。


二人とも、晩年のイメージが付き過ぎていますが、武将や大名ではなく、商人なら納得出来るのではないでしょうか。


役割的に、仲介を持ち込むための銭が必要なのです!!


自然とその役割は、武士が務めるのは難しく、商人が重要になります。


なので、私の創作ではありますが、二人ともそう言う気質を持っていた。


そう言う解釈で、投稿しております。


ご意見・ご感想などあれば、コメントをお願いします。


一週間待って下さい。皆さんが泣いて悲しむ「三好長慶」をお見せしますよ!!


こいは商売ぞ。寝首の掻き合いに道理などあらんど……使える手ぇば、何でん叩っ込まねば相手に申し訳なかど。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


読み物として面白く、本編が気に入らなくても後書きでも楽しめる。そう言う作品を目指したい。


例えばコミケ……久しぶりに行ったが、やはり楽しい。


アウラ様の薄い本を探したり、フリーレンのコスプレを見たり、バカゲーの様子を見たり……。


本を買うだけなら、Amazonでも秋葉原でも事足りる。コスプレや同人誌のイベントも多い。


それでもコミケでないと……という理由があるのだ、古いオタクにとっては。


特殊な価値観やオタク的思想、そう言ったコミュニケーションは、そうはいかない。


SCPのネタで『アイスバインちゃん』だの『あの作品はシュタゲだ!』とか、うどんの値段が戦争で上がったとか、高速道路の立体交差で盛り上がったりとか……信長がどんな作品でどう評価されているか、あらゆる文献を調べた人とか……。


スタッフの人が「こみっくパーティー」の南さんのコスプレをしていて、16bitセンセーションで盛り上がったのも楽しいなぁ。やはりあの作品を見てびっくりしたそうだ。


古いオタクのコミケは、午後からが本番……東4から捻り込んで東6まで男津波を避けて、評論を絨毯爆撃……東3でミリオタ・鉄っちゃんを探しながら、会話を楽しむ。


コスプレの東7は行きたかったが、どうせまとめサイトで色々ネットに写真が上がるので気にしない。


4時の終了まで、ぶらぶら時間を潰す。金が無くても楽しめる。


ミリ鉄の所に集まって、万歳三唱をする……この瞬間を味わう為だけにコミケに通っている。


凄い人数で一体感がある……年々増えてきたが、元々ミリ鉄のお遊びの一環だったのだ。


そのうち、そう言う儀式として定着してしまった。


こういうコミケの楽しみ方だってある。本よりも人との出会いが楽しいのだ!!

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