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俺の戦国繁盛記 打倒信長で天下を治める  作者: C-RAM
第3章:大名家 近畿統一編
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第14話.茶会も終わって、将軍は落ち延びて

 さてと、そろそろ茶会も終わる事にしよう。


 名残惜しいが、また次の茶会を楽しみにしておく事にしよう。


 ……「銘馬蝗絆」は、ドサクサ紛れに茶室に置いておこう。


 返すのも面倒だし、適当に誤魔化しておくことにする。


 どうせ泥棒に追い銭なのだ……がめておく事にする。



「さて、皆の衆。そろそろ終わりにするぞ。また、次の茶会を楽しみにな!!」


 そう言って、この茶会は御開きにする。


 どうせ、この後はドタバタ騒ぎが始まるのだ。


 落ち着いたら、もう一度やればいい。


「松永殿、平蜘蛛は綺麗になりましたかな?」


「殿……お戯れを。さてさて、このままでお済みになると?」


 ……正直、将軍様はどうでも良い。


 蓄積された毒が、いまさら回復する事も無いのだろう、と思う。


 こういう時に名医がいれば、どうにかなるのだが……。


 無い物ねだりをしてもどうしようもない。


「……この後はどうするかのう?」


 暫くは、京の様子を見ながら軍勢を整えて、一気に近江を取りに行く。


 ……どの勢力も、今は動けまい。


 全力で富国強兵に努め、道路の整備と慰撫をするしかない。


 鉄砲の改良も進めているが、正直手に余る。


 どうやって運用するのが正解か、現代人の俺でさえ、いまいちわからない。


 並べて打てばいい、というものでも無いだろうし……。


 とにかく、雑賀衆にも意見を聞いて、戦争の準備をする他はない。


「ふむ……どこかに良い部将は、いないものかな?」


「やはり、大軍勢を揃えるのは難しいかと……」


 ないない尽くしの我が軍だが、訓練だけは怠っていない。


 とにかく走らせる。兵糧を背負って一日五里も走らせれば、どんな弱い軍隊でも何とかなるものだ。


 ……自分にも、目の前の老人にも軍事的才能が無いのが、悲しい事実。


 武田家にでも、良い部将の伝手でもあればいいのになぁ……。


 そうは言っても、仮想敵国。


 どうにもならない事には、仕方が無い。


「こちらも、戦争経験だけでも増やすために、四国に渡るか?」


「ふむ……そこまでせずとも四国勢は諦めるでしょうが……」


 九州の状況も気になるし、長曾我部家とのやり取りをしてみるのも悪くない。


 ……とにかく、隆景と軍務の相談から始めるか。


「地道に訓練するしかないのぅ……」


 まったく、心躍るような出来事というのは起きないものか?



 ……暫くして、本願寺から知らせがあった。


「お父上が亡くなったか……」突然の知らせだった。


 祝言を上げる前に、亡くなるとは……よっぽど嬉しかったらしい。


 こっちは、良い迷惑だ。


 嫁達との夜のプロレスは中断して、跡継ぎへの言伝をするしかない。


 ……とは言っても、あの『本願』は本願寺家の女性にのみ、伝えられるらしい。


 家督を譲って、しっかりと跡目を継がないと、僧正には伝えないとの事だ。


 こちらで『本願』を継いだのなら、跡目に渡す理由も無い。


 こちらが、墓の下まで持っていくとしよう。


 とりあえず、顕如には一目会っておく必要がある。


 京都の寺は、まだ出来るのは先だし、石山御坊は改修中である。


 港と門前町の工事中なので、道頓堀が出来るまであと数年掛かる。


 その頃には、北前船が一斉に大阪の街にやって来るので、京都までの道を整備しなければ……。


 じゃんじゃん銭が飛んでいくが、先行投資と思って使って行こう。


 石見の銀は、効率的な精錬が始まり、大量に銭が生まれる。


 店の蔵が、京都と堺に六つに増えた。


 ……その内、それも一杯になる。


 早めに、鉄砲の工房に投資したい。



「証如殿は、こちらかな? 一目会っておかねばなぁ……」


 浄土真宗のお経が響くお堂にて、法要が行われている。


 一通りの指示を出したと思ったら、突然倒れたとの事。


 ……顕如には、今後の本願寺の方針を話しておいた。


「そうですか……そんな大事な話、何でしなかったのか? 父上は、いつも悩んでおりました。ですが、今はもうスッキリとしたお顔で……」


 ああ、そりゃあ国の大事を語る相手も無く、先も見えないまま抱え込んでいたんだから、そりゃあそうなる。


 こっちには、良い迷惑だ。地獄に行ったら、ひとしきり文句を言わねばなるまい。


「……父は、やはり極楽浄土へは行けませんかね?」


「さあなぁ……顔には書いてありそうなものだが……」


 大往生の顔である。文句を言う先が無さそうなので、娘に言伝しておく事にしよう。それが何時なのかは知らん!


「という訳でな、加賀に領地が出来たら、丸ごとそっちに引っ越しになる」


「……それは有り難いですが、良いのですか? そのような大きな領地を頂いても」


 そこは、本願寺の領土にするが、特に宗派の関係無しに暮らせる国を造る。


 キリスト教を追放する必要も無い。


 とりあえずの処置だが、無いよりましだ。ポルトガル人との宣教師はそっちに移って貰う事にする。


「良いお話ですね。神の御心のままに、過ごす事が出来るでしょう!」


 マリアにとっては、宗派の違いで苦しむ事の無い、良い話だったらしい。


 ともあれ、キリシタン大名も多いこの国で、差別なしに過ごせるのなら良い事だ。



 それで香典代わりにしておこう。丁度、三好家の供養もある。


 三条河原の首への餞別に、丁度良い。


 ……ともあれ、大和・伊勢侵攻と近江攻略の手筈を進めさせる。


 いい加減、ここらでキリを付けないと、六角家がうっとうしい。


 筒井家への攻撃も含め、こちらの準備を進めておこう。


 後ろからばっさりやられる事も無く、将軍家は、毛利家で預かりになった。


 幕府は無いが、朝廷管轄の元で京の都の治安を維持しなければ。


 近畿一円の騒ぎが収まり次第、東の切り取りを始めよう。


 ……在野の武将探しも、一応やっておこう。


 どんな奴がいるとも、限らない。


 俺は、とりあえずの目標に向けて、本願寺との折衝を繰り返して、戦の準備を始めるのだった。

うん、何気にえげつないね。主人公、そんな凄い茶器をがめるんじゃねえよ!!


……知らない振りしてんじゃねえよ。利休先生、こいつ、おまわりさん(京都所司代)ですwww


それはともかく、きっちりと役目を果たした証如。間違いなくマイナー武将である。


本願寺顕如は有名でも、その親の事まで知る奴はいないだろう。


そして、三好長慶にとって本願寺は父親の仇なのだ。


主人公、知らずにやっているが……当の大殿の心境や如何に?


まぁ、それを語るのは無粋であるし……当代の数寄者たる大殿の事だ。


きっと大喜びで、心の中で笑っているに違いない……。


――――――――――――――――――――――――――――


 いや別に大したことではないんですが、なろう系で良くある「チートスキル」ってどうにかならないでしょうかね?


 ジャンプ的物語:敵がインフレする→修行→倒す(以下ループ)


 なろう敵物語 :最強→敵がインフレする→倒す(以下ループ)


 物語として、これはあんまりじゃね? と思うのだ。


 さりとて、物語を盛り上げるのも大変だ。お手軽簡単インスタントなチートスキルが、タイパやコスパを重視するなろう系小説と噛み合ってしまっている。


 現状、これらの物語の対策が見つからない……とはいえ、こればっかりと言うのも残念だ。


 何か良い手はないものか? こういう時は現実世界の事情を見れば宜しい。


 政治・経済・軍事・文化……世の中には、浮き沈みというものが存在する。


 そう言うものが何か対策として行われていないか?



 そう言うエッセイを考えてみたい。


 現実世界で、チートスキルは無いが「ブルーオーシャン戦略」というものは存在する。


 競馬的に言って先行逃げ切り策だ。ともあれ、コストが掛かるのも事実。


 これまでのエッセイで「枯れた技術の水平思考」もしくは「ブリコラージュ的発想」というものを紹介した。


 これらは、そこら辺にありもので何かを組み合わせる。それが新しい発想になり、コスト削減やリスク分散になる、そう言う話だった。


 小説において、こういう考え方を有効活用できないものか。


 まあ、そもそも創作をするのに皆が流行を追いかけて絶対的優勢を保てるというのがおかしいのだ。


 誰も考えない、発想すらない所にこそ「ブルーオーシャン戦略」が成り立つというもの。


 つまり、本編における「経済に対する現代知識チート」である。


 資本主義の存在しない世界で資本主義による経済活動を行うというのは、「ブルーオーシャン」ではないか。


 それが受けるかどうかはともかくとして。作家としての個性足り得る。


 ……そして、この発想ならば後発が出ても構わない。もうやり尽くしたから。


 別に商売に固執したい訳でも無い。そう言う物語が無いから書いた……。


 作者は、本当に天邪鬼で逆張りが大好きなのだ。「誰も考えた事が無い」という誘い文句に弱い。


 エッセイもそうだ。「西洋哲学における構造主義」なんて、考えようとも思わない。


 だが、この方面は行けると感じたのも事実。結果として、本人含めて誰も想定しないような結論となった。



 創作活動と言うのは自由である。


 今の世の中で、情報統制などしようものなら中国のようになる。誰も幸せにならない。


 そして、専門家は他の分野に目が行かない。ゲーム理論と哲学を組み合わせようなどと思わない、という事だ。


 なるほど、これは良い。少なくともライバルがいない所で自説を晒すだけ。


 お手軽簡単な創作活動ではないだろうか? 


 ネット上にはあらゆる情報が流布している。その中で目立とうと思えば、既存の概念や慣習などすっ飛ばして独自の理論武装をすれば良い。


 そして、自分はそう言った「誰も考えない事」をするのが好きだ。


 ……うむ、完璧である。


 そして、この「情報社会」を利用するのが良い。例えば、ネット上にはあらゆるエッセイや評論、哲学に・物理学、様々な情報が溢れている。


 特にエッセイには、作者の人生観や価値観・思いのたけが詰まっている。


 自分一人の物語は、限られたものだ。何時かアイデアは尽きる事になる。


 そうならない様にするのが「枯れた技術の水平思考」という発想である。他人の情報を見る事が出来るのなら、その人が考えたロジックや重視するポイントも分かる。


 作者の気持ちを追体験すれば、その人の想いも取り入れる事が出来る。


 ……Web投稿サイトには、数えきれない程のエッセイという名の人生の物語があるのだ。


 か細く弱々しいその声を拾い上げ、その物語を聞き感動すれば、それは新たなアイデアとなる。


 ならば、そこにこそ活路を見出せるのではなかろうか。

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