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ソックモンキーのモンタロウ

モンタロウのお留守番

作者: 藤本夏実

 なつみちゃんが、小学生になり学校へいくようになりました。学校へはモンタロウを連れてはいけません。それで、モンタロウは家でお留守番をすることになりました。もちろん、なつみちゃんのお母さんはお仕事なので家には居ません。モンタロウは、本当にひとりぼっちでお留守番をしなければなりませんでした。

さて、なつみちゃんはどうでしょうか?人見知りは直ったのでしょうか?答えから云うと人見知りはすっかりなくなりました。それは、あのけんたくんのおかげでした。けんたくんは、あの後からずっとなつみちゃんを誘ってくれるようになりました。だから、保育園にいる間は、めったにモンタロウに会いには来なくなったのでした。けんたくんが小学生になり、なつみちゃんが年長組になるとなつみちゃんもすっかり、お姉ちゃんの気分になり、年中さんや、年少さんに笑われないようにと思うようになりました。だから、朝は自分から職員室に行き、モンタロウを棚の上に置くと丸一日、職員室に行かない日が多くなりました。

 そんな、なつみちゃんですから小学生になって一人で学校に行くようになっても、もう泣くことはありませんでした。モンタロウはつまらなくなりました。なつみちゃんにはもう僕は必要ないのかなと思うと悲しくもなりました。でも、元々モンタロウの使命はなつみちゃんの人見知りを治すことにあったのですから(とモンタロウは考えていましたから)愚痴をこぼすわけにもいきませんでした。又、なつみちゃんはけんたくんと同じ小学校にあがったため、なつみちゃんとけんたくんはいい友達になりました。

 そういうわけでモンタロウは散歩に出掛け、あの失敗にあったのです。〈モンタロウの失敗にかいてあります〉

でも、あのときなつみちゃんはどうして、可愛いソックモンキーを作ることができたのでしょうか?

 それは、なつみちゃんが四年生になり、手芸クラブに入ったからでした。最初、なつみちゃんはバレーボールクラブに入ろうと思っていましたがバレーボールは人気のクラブで希望者が多く、くじ引きになりました。くじ引きでハズレたなつみちゃんは、どこへ入ろうかと思っていましたが、まだ決まっていない手芸クラブを見るとさつきちゃんがいました。さつきちゃんがは、保育園で

いつも、誘ってくれていたけんたくんの年子の妹さんで、なつみちゃんとは同級生でした。なつみちゃんはさつきちゃんに言いました。

「手芸なんて難しくない?」

するとさつきちゃんが言いました。

「難しくなんてないわ。それより、手芸をちゃんと覚えれば、ソックモンキーが破れたりしたら自分で直せるし、新しいソックモンキーだって作れるわ。」

なつみちゃんには、とても魅力的に思えたので手芸クラブに入ることにしました。

 手芸クラブでは、最初にブランケットステッチを習いました。又、ブランケットステッチがマスター出来るようにウサギのマスコットを作りました。ブランケットステッチの次にまつり縫いを習いました。〈これはソックモンキーに使います〉だから、ソックモンキーを作るのに少しも困りませんでした。

 それから、少し名前の話をしましょうね。

モンタロウというのは、モンキーと太郎を合わせた名前というのは誰でも気がつきますね。実はその他にも、太郎というのは、なつみちゃんのお父さんの名前でもありました。なつみちゃんのお父さんはいないのでしょうか?いいえ、違います。なつみちゃんのお父さんは、航海士なので一年の半分を海の上で過ごします。だから、なつみちゃんは、お父さんになかなか会えないため、忘れないようにとそんな思いをソックモンキーの名前につけたお母さんの気持ちを知っていました。

 けんたくんはどうだったでしょう?

けんたくんはあのあと、おのくんと読んでいたソックモンキーにエプロンを用意してもらい、エミーとつけたらしいです。被災したけんたくんとさつきちゃんがのお母さんの名前がえみ子さんというそうです。けんたくんはなつみちゃんに言われてから、名前について悩んだそうです。でも、モンタロウがなつみちゃんのお父さんの名前、太郎さんからつけられたことを知ると自分のソックモンキーも、そんな名前をつけたいと思いエミーとつけたそうです。小野エミーというのがけんたくんのソックモンキーの名前になりました。

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