冬はアツアツ、『モウフクルミネコ』の紹介
「最近は寒いですね」
「そんなときに欲しい『モウフクルミネコ』の紹介をしましょう」
「それはなんですか?」
「ヌックヌクでホッカホカなんですよー」
「でもお高いんでしょう?」
「それが今なら、って商品を売りつける商売じゃありませんよ」
「ではなんなんでしょう?」
「作りますッ!」
「料理番組みたいなものでしょうか?」
「そうですね」
「では準備を始めましょう」
「用意する物は、床とかだと冷たいでしょうからクッション、それから毛布、そして猫ですね」
「えっと、そのまんまですか……」
「クッションの上に毛布を敷き、そこへ猫を呼びます」
「無視ですか。まあいいですけど……」
「猫を寝かしつけて、毛布を被せます。時間は猫の体勢が崩れて、毛布から手足が伸びてくるようなときまでですね」
「時間かかりそうですね」
「こんなこともあろうかと、事前に準備してありました。そちらをご覧ください」
「ここは時短のため、巻きで行くのですね」
「こちらは後でスタッフがおいしく堪能いたします」
「そうですか」
「これが複数飼いのいいところですね」
「そ、そうですね」
「出ているあんよをもふもふしたり、肉球をポチッとな、したり、ね」
「いやいや。ね、と言われても」
「毛布を捲り、お腹に顔を埋めたり、手を身体の下に入れたり、アツアツになっているから冷ましてあげるのです。慈善活動なのですよ」
「あなたがしたいだけですよね?」
「そんなこと……」
「先ほど堪能するって言ってましたし」
「ネコを愛でてなにが悪いッ!!」
「開き直りましたね」
「この時期、布団の横に用意していつも可愛がっているんですよッ!!」
「いや、別に個人で可愛がる分には何も言いませんよ」
「個人でなんてもったいないでしょう。この幸せを皆で分かち合いたいんですよー!」
「一人でやってなさいよ」
「じゃあ、先ほどの準備した分も私が堪能致しますッ! 君にはあげません」
「えっ、スタッフって僕でしょう!? 酷く何ですか。横暴です。訴えますよ」
「このもふもふでぬくぬく。冷えた手を温めるには素晴らしいものですよ。君はお湯にでも入れてなさい。この猫たちは私のですからね」
「ずるいなぁ。でもこの猫たち大人しいですね」
「そりゃ、外見れば分かるよ」
「あ、雪」
「暖房点けずにいると寒いですからね。毛布でぬくぬくしたいのは人だけじゃありません」
「やたらと寒いと思ったらヒーターも点けてないし、ワザとだったのか」
「節約です。猫のためにッ!」
「じゃあヒーター点ければいいのに」
「それじゃあ猫たちが来ないでしょ」
「やっぱり自分のためじゃん」