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17.校内点検

 各々武器を手に、僕の提案でまず先に職員室へと向かった。

 共用棚から学校内の地図を取り出す。

 それらを広げてA4サイズに印刷し、プラスチックスケッチ用ボードに閉じた。



 ペンは自分の机から。

 マルつけをする時に使っている赤ペンだ。


 そろそろインクを変えなきゃと思っていたが、手近にあったメモ帳に波線を書き込めばまだまだしっかりとインクが出ていた。なら今回の分くらいは問題ないだろう。


 途中でインク切れになったら困るからと、一応引き出しの中から青ペンも取り出しておく。


 後は食材確認の時に使うメモ用紙代わりのコピー用紙と付箋をいくつか。


 僕が机を漁っていると入り口付近で立っていた2人がトトトと走って来て、左右から頭をひょっこりと覗かせた。



「それどうするの?」

「見たところをチェックしていこうと思って」

「もう何年も通っている学校内なんだからそこまでしなくても大丈夫じゃね?」

「でも漏れがあって、そこがモンスターの巣窟になってたなんてことになったら……」



 確かにここまでする必要はないかもしれない。


 さすがに数年も通っていれば自分が使っていない教室の場所くらいは把握している。


 けれどその慢心によってミスがあったら。

 この手の小説では使っていない空き教室や廃部になった部活の部室がモンスターの巣窟になっており……なんてケースがある。


 この学校には空き部室や教室はないけれど、念を入れておくに越したことはない。


「それは、確かに……」

「だからちゃんと点検しなきゃ。今日から他の人達も来るかもしれないんだし、ね?」



 そう笑いかければ、柏木君はもちろんあずさちゃんもコクコクと頷いた。



 プラスチックスケッチ用ボードを手に、一階から順に部屋を点検していく。

 とりあえず水道は屋上のタンクが空になることも心配して、全てではなくランダムで蛇口をひねって水を流してみた。


「だいじょうぶだよ~」

「こっちも問題なし」

「4階水道も問題なし……っと」


 けれどスライムが流れて来るようなことはなかった。

 もちろんトイレの方も問題なし。

 ちゃんと機能しているようだった。


 とりあえず今日のところは、いや今日の昼間は安心して使用することが出来るだろう。


 水道面は問題なさそうだ、とほっと一息を吐いて引き続き学校内を点検する。


 けれどどこにも変わったところはなく、ベランダから掃除道具入れ、各部室のロッカーの中まで確認してみたがモンスターの侵入も確認できなかった。


「じゃあ今日の分の点検は終了かな」

 ペンのキャップを閉めた状態で地図の上をなぞっていく。


 けれどチェックを入れていない場所は見つからない。

 想像以上に時間はかかったものの、ミスがあるよりもずっといい。


 このまま怠らずに続けていれば何かあった時に早急に対処をすることが出来るだろう。


 それにしてもこの結果からすると、セーフティーエリアがしっかりと機能していると見ていいのだろう。


 もちろん学校周辺にモンスターがいるかの確認も必要ではある。


 昨日の時点で全てを殲滅した、なんてことはないだろう。


 けれどモンスターは無制限に湧いてくるものなのか、それとも有限なのか。

 はたまた発生源のようなものがあり、それがある限り発生してくるものなのか。


 まだまだ調べることは沢山ある。

 けれどひとまず現時点での学校の安全は保たれていると見てもいいだろう。


 昼と夜で状況が変わっているかもしれないから、夜は夜で付き合ってもらって点検した方がよさそうだ。



 ちょうど色ペンも二色あることだし、昼と夜で変えて書き込めばいいだろう。



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