6.あずさちゃんの武器
「え、えっとどういうこと? あれって大物だよね? 強いんだよね?」
「大きいスライムだから大物。そりゃあそこらへんにいた他のに比べれば強いけど。でもそんなでもないと思う。……イケるだろ。な、あずさ」
「お昼のと一緒?」
「だいたい一緒」
「なら大丈夫!」
「だって」
だって、ってそんな簡単に言えるものなの?
個体なら僕でも討伐可能だったからイケる……のか?
あれ、なんだろう。不思議と倒せそうな気がしてくる。
もちろん大きくなったことによって特性は変わっているかもしれないし、凶暴化するかもしれない。
だから気を抜いて挑むのは危険だと思う。
だけどあれを退治しなければ先に進まない。
そして何より睡眠という名の平穏さえも壊されることとなる。
「よし、ちゃっちゃと倒してさっさと寝よう!」
「おじさんに歯磨きさせなきゃ」
「そうそう。ちゃんと磨いているところ見とかないとだな」
「うん!」
頑張るぞ~! と拳を固めて気合いを入れ始める二人。
睡眠はともかく、なぜこんなに歯磨きに執着しているのかは分からないが、頼もしい限りだ。
「やる気があるのはいいけど、特性が違う場合や凶暴化するかもしれないってことも忘れないでね」
「わかってるって」
「はーい」
指をボキボキと鳴らしてハサミを担ぐ柏木君に、よろしくねとウサギのリュックサックを撫でるあずさちゃん。
「あ、そういえばあずさちゃんの武器って結局なんだったの?」
「ウサギ」
「へ?」
「違うって! カロリーナちゃんだよ!」
「そうそう。ウサギリュックサックのカロリーナ」
カロリーナ、と柏木君が指さしたのはあずさちゃんが撫でていたリュックサックだった。
これが武器?
ランダムで決定したのだろうが、このウサギさんでどう戦うのだろう?
魔法攻撃組なのは知っているけれど、どういう魔法を使うのか想像がつきにくい。
リュックサックだし重量アップとかかな?
じいっと見つめると、あずさちゃんがカロリーナの手を持ち上げて僕の方へと伸ばす。
「よろしくね、おじさん」
「こちらこそよろしくね、カロリーナ」
ずっとあずさちゃんが背負ったままで、ろくに顔を見ていなかったカロリーナは見た目以上にふわふわで、キラキラとした目がチャームポイントの可愛いウサギさんだった。
これが武器だなんて言われなければ気づかないだろう。
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