2.状況説明から
僕と彼らが持っている情報に差があれば、これから話したいことは十分に伝わらないかもしれない。だから状況説明から始める。
「見ての通り、セーフティーエリアは機能していない。おそらく校門とかから入ってきていると思うんだけど、そのスライムが今、校庭で合体している。窓から見えるから後で確認してほしいんだけど、そのスライムと同様のモンスターが下水から上がってきているんだ」
「は?」
「そこのシンクのパイプを伝ってやってきた」
「スーさん、大丈夫だったのか!?」
「熱湯で撃退したから大丈夫」
「熱湯……」
「そう、熱湯。意外と使えるんだよ、ってそれはひとまず置いておいて。今僕が伝えたいのは学校内にも結構な数のスライムがあふれている可能性が高いということ。そして体育館に置かれた魔石が破損・消費している、または昼と夜でルールが違う可能性があるということ」
そして可能性がある、確実ではない情報を伝える。
それにはあずさちゃんは首を捻って「よくわかんない」と頭にはてなマークを浮かべる。
けれど柏木君は顎に手を当てて、まるで何かを探すかのように視線を動かす。そしてまっすぐと僕の目を見据えて「ルールが違うってどういうこと?」と返した。
「あのモンスター、倒した時に『スライム』って呼ばれたんだ。昼のと同じ名前。なのに見た目はぜんぜん違う。あれが夜の時間帯の、そして昼間に遭遇したものが昼間の時間帯のスライムなのだとしたら……」
「昼には昼の、夜には夜の魔石を用意する必要がある……ってこと?」
「これは僕の予想だけどね! でも柏木君が帰ってきてからもスライムの侵入が続いているというのならその可能性は高い」
「なんで?」
「だって柏木君はいくつか強いモンスターの魔石持っているでしょう? 持っているだけで効果が発揮されるのは確認済みだよ」
「……なるほどな」
柏木君はため息と共に言葉を吐き出す。
この理論が正しいのならば、今から大物の魔石を取りに行かなければならないのだ。つまり大物を倒さなければいけないということ。
後は歯磨きして寝るだけだったのに、だ。
「あずさ、MP後いくつ残ってる?」
「15」
「見つけにくい分、結構使ったもんな。補助に回るにしてもきついか……。スーさんは?」
「ちょっと待ってて」
熱湯の消費MPは確認したものの、もぐら叩きの方は不明のままだ。
ここでもぐら叩きの消費も確認しておこう。
そんな意味も込めて、ステータス欄を開いた。
「え、嘘でしょ……」
けれど僕のMPは想像していたものとは違った。
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