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20.行き詰った時は

 下水内に滞在するスライムを倒すには『熱湯』が有用だとすると、やはり問題となるのはMPの残量と回復方法だ。


 とりあえず学校内の下水に滞在するそれらを退治する際、生徒達の中に水属性の魔法、それもなるべく威力が弱いものを持っている子がいた場合、手伝ってもらえると非常にありがたいのだが、そこのところはどうなのだろう。


 レベルアップをしてしまえば威力が高まるらしい。

 マンホールとかの排水溝を開けられれば威力が強くてもいいが、さすがにパイプには負担が大きすぎる。

 熱湯もパイプに負担がかかるとはいえ、一気にパンクする訳ではないから急場をしのぐためのあら治療にはなるだろう。


 だが1回使用するごとにMPを10消費するため、今の僕では6回しか使えない。

 レベルアップしてくれれば回復するらしいからポンポンと上がってくれればいいのだが、そう簡単にはいかないものだ。


 スライムを10体ほど倒したのに1コもレベルが上がらないのだから。

 今まで上がったのは低いレベルだったからなのだろう。


 昼と夜とではレベルアップのための経験値やレベルの差も違うかもしれないが、それにしても20近くまで上げたのってすごいことだ。


 僕が酷いというよりもあの子達の成長が凄まじかっただけでは? なんて思ってしまう。

 だからといって甘えているのもよくないけれど。



 だがそんな彼らも、特に魔法攻撃組はMP問題を解決してしまえばさらなる成長が望める。

 物理攻撃組だって僕の『ひっかき』や『もぐら叩き』みたいなスキルを持っている子にとっては回復手段があれば攻撃の幅も広がるだろうし……。


 やっぱりMPポーションとか必要なのかな?

 調合スキルを取っても材料やレベル、MPの問題が出てくるからしばらくの間は量産が難しいだろう。


 宝箱があるらしいからそこからいっぱい出てきたりしないかな。

 寝れば回復するかもしれないから、そこは睡眠前と後、時間をしっかりと付けておくことにして。


 一番いいのは身近な物で回復出来るのだよね。


「あー、わかんないや」

 けれどそんなもの、考えても分からない。

 髪をグチャグチャにしながら頭をかきむしる。

 そんなことをしても答えが出る訳ではないから、もどかしさは募るばかり。



「甘いものでも食べよ……」


 こんな時は糖分だ。

 糖分が足りなければ頭も働かない!

 頭が働かなければ出る案も出ない!


 そして何より僕の身体は甘味を欲していた。

 リュックサックを漁ってべっこう飴の入った容器を取り出す。中でも小さめの物を選んで、口に放り込んだ。


 材料はざらめだけとごくごくシンプルな駄菓子だが、口の中にストレートに甘さが伝わってくる感じがお気に入りなのだ。それに疲れているせいか、妙に身体の中に染み渡っていく。


 口の中でコロコロと転がすと、ゆっくりと舌の上で砂糖が溶けていく。

 一人で先に食べてしまったことに罪悪感を覚えつつ、帰ってきたら二人にもあげようと決心するのだった。


お読みいただきありがとうございます!


これにて4章『避難場所と集会場所』終了です。

次話より5章『昼と夜』に入ります。


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