18.魔法での戦闘
いくら相手が一体とはいえ、油断は出来ない。
だからそれの身体が完全に出てくる前に、ドアに挟まれている間にどうにかするのが一番!
セコイかもしれないが、これはスポーツでも何でもないのだ。
生き残るのが一番!
我が身と子ども達の命がかわいいんだ!
足下に立てかけたままの孫の手を手に取り、ドアから少し離れた位置でそれと対峙する。そして初めての魔法を試すことにした。
「熱湯!」
右手の中の孫の手を握りしめ、熱湯が的中しているそれから視線を外さない。
鉄製のドアからは湯気が上がる。だが肝心のスライムに効いているかは不明だ。ドアからでている部分が少なすぎて縮んでいるのかを確認出来ない。
熱湯の勢いが弱まり、完全に切れたのを確認してから再び観察する。するとスライムはプルプルと揺れながら未だに進行を続けていた。
ドアから出ている体積はみた感じだと少し減っているか? と言った感じで正確に断定出来ないほど。
もし熱湯がかかっている間にも進み続けていた場合、もう少し効いているのだろう。だが確認が出来ない。
ここはしばらく待機するのがいいだろう。
なら今のうちに消費MPでも調べておくか。
周りを、主に窓やドアなどの隙間がありそうな物を重点的に確認してからステータスを開く。
名前 鈴木 陽介
レベル 8
HP 114/114
MP 51/61
筋力 26
耐久 38
敏捷 34
器用 16
対魔力 22
保有ポイント 4
ジョブ 救出者
武器 肩たたきつき孫の手 Lv.1
スキル もぐら叩きLv.1
ひっかきLv.1
早足Lv.1
救済Lv.1
探知Lv.1
錬成Lv.1
熱湯
熱湯は一回の使用につきMPを10消費する……と。
合成スキル『回転打爪』を使っていた時は意識していなかったけれど、結構な回数を使用していたはずだ。それもレベルアップ前だから今よりも少しMPが低い時点で。
合成スキルでそうだとすれば『もぐら叩き』と『ひっかき』を単体で使えばもう少しMP消費を抑えることが出来るのではないだろうか。
目の前では未だにスライムが保健室への侵入を試みている。
いきなり動き出すことはない今、それを確認するにはうってつけなのではないか。
これから先、こんなチャンスないだろうし。
今のうち、だよね!
こわごわとドアに近寄り、孫の手がぎりぎり届く場所で足を止める。
「もぐら叩き」
そして肩たたき付き孫の手を振り下ろした。
すると昼間のとあまり感触変わらないそれは光になって溶けた。
遅れてコロンとドアの外から音が響く。
あまりに倒されてくれたことに少しだけ驚いてしまう。だって前の2体には結構苦戦してたし。
『『スライム』の討伐に成功しました』
『『ミッション:昼夜の戦闘』をクリアしました』
『『ミッション:初めての魔法攻撃』をクリアしました』
これが魔法の力なのだろうか?
それともレベルアップによるものか。
夜のスライムには物理攻撃が有効の可能性も捨てきれない。
分からないことだらけ。
だが一つだけ分かるのは、これなら生徒達がケガをすることはないだろうということ。
とりあえず今はそれだけ分かれば御の字である。
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