15. 魔法攻撃スキルの使い方
「魔法系のスキルは出したい場所をココと決めてから名前を唱えるんだ。場所が曖昧なままだと変なところにでちゃうからそこだけ気をつけて」
「うん」
保健室から校庭へと場所を移し、早速スキルの練習へと取りかかることにした。
「難しくないから少しやれば感覚つかめると思うよ」
「おじさん、頑張って!」
あずさちゃんと柏木君の声援を受け、今回の標的を見据える。
モンスターの代わりに的に使うのはカラーコーン。動かない上に大きいので練習にはぴったりだ。
ちょうど真ん中らへんに意識を集中させ、そこに水の球が当たることをイメージし、スキル名を唱える。
「熱湯!」
力みすぎて少し低くなった声と共に発せられたのはまさに熱湯。
僕の身体の少し前あたりから、見えないホースから放たれたような熱湯がカラーコーンめがけてまっすぐに飛んでいったのだ。
ウォーターボールの温かい版を想像していたため、少し驚いたが、めがけた場所にはしっかりと的中していた。
『ミッション:初めてのスキル(魔法攻撃)使用』をクリアしました』
「ウォーターショットの温かいバージョンか。これなら攻撃魔法として使えそう」
「本当に!?」
「まだレベル1だから威力も上がるだろうし」
「え、レベル?」
うんうんと満足気に頷く柏木君。
きっとそのウォーターショットと似たようなものだと判断を下したのだろう。
本当に温かくなっただけなら良かったのだが、スキル:熱湯にはレベルが存在しないのだ。
「えっとね、非常に言いにくいんだけど」
「どうかした?」
「レベル、ないんだ」
「は?」
「他のスキルみたいにLv.1って書かれていないから多分、レベルアップしないスキルだと思う」
その言葉に再び柏木君は頭を抱えることとなった。
けれど今回の復活は早い。
「でもまぁしばらくそれでしのげば新しいスキルも出てくるだろ!」
前向きな発言をしてくれた彼は「もしもモンスターがやってきたらそれをぶつければどうにか出来るから。出来なかったら俺たちが帰ってくるまで逃げ続けて」と残して、あずさちゃんと共に彼女の自宅へと向かうのだった。
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