8. 鍵の閉め忘れは命取り②
ごめんと謝るべきだったか。
けれどそんなことを言ったらもっと呆れられちゃうだろうし……。
そんなことをグズグズと悩んでいると、色々と携えて帰ってきた柏木君は、その中の一つを床に広げた。
神田君の書いてくれた説明書きである。
それに神田君は赤いマーカーをキュッキュと鳴らしてとある一文を書き足した。
『モンスターの進入を少しでも防ぐため、開けたドアや鍵は必ず閉めること!』
そして新たな文が加わった紙を僕の前へと広げる。
「スーさん、見て。スーさんのミスのお陰で新たな注意喚起が出来た。これで少し危険が減るな」
「柏木君……」
「これで鍵問題は解決した! ってことで、パワーポイントってやつ? 作って。プロジェクターがある避難場所ならデータ一つ作ればいろんなところに配布出来るって小田が言ってた」
「人使い荒いなぁ~」
「だって俺、パソコン使えねえし! 他のやつらと分担して配達はするからさ」
「あずさも手伝う!」
「じゃあ明日一緒に行くか!」
「うん!」
本当にこの子達は……。
僕に落ち込む暇をなかなか与えてくれやしない。
作って、と頼みながら反省モードの僕をすくい上げるのだ。
「神田君がまとめてくれたものがあるし、それに素材を合わせる形で作っちゃうね」
「さすがスーさん!」
「あ、でも保存する物が一つしかないから、データ保存したものを運んでいく場合、そこの場所にあるパソコンにデータを移して回る形になるけど大丈夫? 本当はメールで送っちゃえるのが一番なんだけど……」
「つまり一カ所ずつ行かなきゃダメってこと?」
「うん。保存出来る媒体が他にもあるか、送受信可能なメールアドレスが解れば便利なんだけど……」
「ならそれぞれで避難場所に行って、メールアドレスを聞くなり保存媒体を預かってくればいいのか。明日来る奴らに途中で回収してきてもらえばいっか」
「そうだね。それが一番効率的かも」
「じゃあ連絡回しとくわ」
「お願い」
早速全体チャットに書き込んでくれる柏木君と、彼の隣でいい子に待っているあずさちゃんを残して職員室へと向かうのだった。
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