6.学校に残ろう
「じゃあ俺帰るね。明日は……来れたら来るよ。スーさんは今晩ここで過ごすの?」
「うん。いつ避難者が来るか分からないし」
「そっか。圭吾は?」
「え?」
コクコクと頷いた神田君の視線の元にいたのは柏木君。
先ほど他の子達と共に職員室から出るところを見たのだが、どうやらまだ帰っていなかったらしい。
神田君を待っていたのかな?
そう思って彼の腕の中の物をよく見てみれば、学校説明会の際に使うプロジェクターがあった。
こんなの何に使うんだろう?
思わず首を傾げていると、柏木君はそれを空いている机の上に置いた。
「俺は残る。どうせうちに帰っても誰もいないし、スーさんとあずさだけじゃ心配だし」
「あれ、姉ちゃんいるって言ってなかった?」
「今、一人暮らし中」
「大丈夫なのか?」
「一応朝と昼とでメッセージ送って、既読はついてるから大丈夫じゃね? 心配だから明日の朝、電話してみるけど」
「そうか。圭吾がいるなら安心だな。スーさんとあずさちゃんのことは任せた!」
「ああ、任せておけ」
グッと親指を立てて通じ合う二人。
だが心配する対象にちゃっかりと僕も入れられていることに抗議の声は上げられない。
だってもう心配かけた後だし。
実際のところ、この申し出はありがたいものだった。
僕とあずさちゃんだけで一晩過ごすのは不安がなかったといえば嘘になる。
朝昼夜と時間の変化があるゲームでは、時間帯によって出現するモンスターが変わることはよくあるのだ。
それが今回のケースに当てはまれば、最悪の場合、セーフティーエリアなんて意味をなさない。
そうなった場合に僕で対処出来ればいいけれど、僕は最弱な訳で。
セーフティーエリアを通過するようなモンスターに挑んで勝てる可能性はとても低いだろう。
僕よりもレベルの高いあずさちゃんなら勝てる可能性は上がるかもしれないが、なるべく危険にはさらしたくない。
それにあずさちゃんはMP問題が存在する。
いくら強くとも、MPがなくなれば戦力がガタッと落ちるのは確実だろう。
残量を見誤って、強制スリープモードになれば僕が担いで逃げることしか出来ないのだ。
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