2.教師は教師でも①
「MPが切れると『魔力切れ』になって、強制的にスリープモードになるんだ。これを起こして僕はずっと寝こけていたんだけど……これを体験することによって『ミッション:初めての魔力切れ』を達成することが出来るよ」
『ミッション:初めての魔力切れ』の達成が一体どんな効果があるかは分からない。
そもそもミッション自体に何の意味があるかも不明のまま。
けれど役に立つ、立たないは別として、情報共有は大事だろう。
それに強制スリープ、これが結構厄介である。
なにせうつらうつらで我慢する、なんてことが不可能なのだ。
言葉通り『強制』で、抗う術などない……と思う。
「マジか! めっちゃ有力情報じゃん!」
「でも強制スリープってことはさ、戦闘中になったら一巻の終わりじゃん!」
「うん。僕みたいにならないように気をつけてね」
こんなの戦闘中になったらシャレにならない。
一人だったら確実にやられて、もう二度と目を覚ますことは出来ないだろう。
僕は本当にただ運が良かっただけだ。
集団で戦闘を行っていても、強制スリープになった子を庇いながらモンスターと戦い続けられるかは不明である。
本来なら教師として生徒に見本を見せないといけないのに、これじゃあ反面教師だ。そんな姿を見せてしまったことは恥ずかしいことではある。
けれどこんな僕の経験でも彼らが生き残るための踏み台になるのなら、完全に『悪いこと』とは言えないだろう。
これから先、何があるか分からない以上、気を付けておくに越したことはないのだから。
「……このミッションを達成しておくべきかどうか、悩むな」
「ミッション達成をしたことに得られるものが何か分からないけど、MP上限が増えるとかだったらやっておいた方がいいよな~」
「スーさん。そこんところどう?」
数値が何かしらの手掛かりになるかもしれない。
「ちょっと待ってね」
声をかけてから、アイコンをタッチしてステータス欄を表示する。
名前 鈴木 陽介
レベル 8
レベルは2上がったらしい。
結構上がったのかな?
苦労した分上がっているといいんだけど……と思いつつ、目線を下におろしていく。
HP 100 +14 →114
MP 52 +9 →61
筋力 21 +5 →26
耐久 31 +7 →38
敏捷 30 +4 →34
器用 16 +0 →16
対魔力 20 +2 →22
保有ポイント 6
ジョブ 救出者
武器 肩たたきつき孫の手 Lv.1
スキル もぐら叩きLv.1
ひっかきLv.1
早足
救済Lv.1
探知Lv.1
錬成Lv.1
回転打爪Lv.2
∇取得可能スキル一覧
HPとMPは増加率が少し上がっている?
でもその分『器用』の上昇はなくなっているし、一律という訳ではないのかもしれない。
どちらにせよこれがミッションによって得られた恩恵なのか、レベルアップのみのものなのか、断定するのは不可能だ。
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