14.大人しい?モンスター
なので植物の観点から見るのは早々に諦めることにする。
モンスターとして、スライムと同列に置いた時のこの物体の一番の特徴は大人しいことだろう。
スライムと違ってしっかりとその目で僕を捕らえるし、声も発する。
けれど土の中から這い出てくることはおろか、身動きする様子さえ見せないのだ。
試しに少し距離を詰めてみても、やはり鳴くだけ。
しっかりと根が張ってしまって動けないのかもしれない。
だとすれば、生徒達が気づかなかっただけでセーフティーエリア化するよりも前からいたのかもしれないな。
ならばどうやってこの場所に生えたのか、と疑問は残るが、そんなことを言い出したらそもそもモンスター自体がどこからわき出たのかという話になってしまう。
スライムなんて水道内にいるみたいだし、ゴブリンなんて駅にいきなり登場したのだ。学校内によくわからないモンスターが生えていても不思議ではない。
もしかしてこいつなら僕でも簡単に倒せるのでは?
そんな思いが頭によぎる。
けれど慢心は怪我の元。
「最悪死ぬ。僕は弱い」
だからそう唱えて、頭を落ち着かせる。
そしてそのモンスターの背後に回って、肩たたきつき孫の手を両手で振り下ろした。
叩きつけること約十分。
あくまで体感ではあるが、かなりの回数叩いているのは確かだ。
「ぎゅぁああ」
けれど名前の分からないこのモンスターはなかなか倒れてくれない。
叩く度に鳴くだけ。
ただそれだけなのだ。
攻撃が効いているのかすら不明だ。
こういう時に魔法、例えばファイヤーボールとかが使えれば簡単に倒せるのだろうか。
簡単でなくとも燃えろ~と言いながら遠くから眺めていることくらいは出来そうだ。
まぁそもそもスキルの使用方法すら分からないから、魔法系のスキルを取っていたところで意味なんてないのだが。
だがそんなないものをねだるよりも、このモンスターが今のところは無抵抗に殴られていてくれることに感謝すべきなのだろう。
今回はスライムの時と違って、タイムリミットのような物がある訳でもないから焦る必要もない。
頑張ってたたき続けますか。
そう決心して、少し強めに振り下ろす。
すると頭にすっかりおなじみとなったあの声が流れた。
『モンスターの『凶暴化』を検知しました』
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