表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/104

12.大根に似たモンスター

「ぎゅぁぁぁああ」

「え、嘘でしょ……」

 ここってセーフティーエリアなんじゃなかったっけ?

 正体不明のモンスターを目にした僕の頭に真っ先に浮かんだのはそのことだった。


 きっと心のどこかでこの場所は安全だと安心していたのだろう。

 絶対、なんてあり得ないのに。


 それでも神田君が持って行けと言ってくれたお陰で、僕の手には肩たたきつき孫の手が握られている。


「ぎゅぁぁぁああ」

 それでも、このよく分からないモンスターとどう戦えっていうんだよ!



 スライムと戦った経験はあるし、スキルもゲットしている。

 けれどスライムは無抵抗だったし、スキルは使い方が分からない。



 ほぼ初心者といっても過言ではないのだ。


 けれどそんなの相手のモンスターには関係のないことで、僕を完全にロックオンした『ソレ』はもう一度高らかに声を上げる。


 唯一救いがあるとすれば、そのモンスターの身体の半分は土に埋まっていることだろう。

 パッと見た感じの印象は、茶色っぽい大根。顔はあるし、なんか鳴いているけど。


 僕のゲーム知識の中で一番近いモンスターを上げるとすれば『マンドレイク』だろう。


 引っこ抜くときに声を聞いたら魂が抜かれることでお馴染みのそれに近い。

 だがおそらく別物だ。


 なにせ目の前のソレの声を聞いても、一向に僕の魂が吹っ飛ぶことはない。そもそも顔が出ている時点で違うのだろう。


 それでも僕の心臓は今、すさまじい早さで脈をうっている。


 マンドレイクだろうとなかろうと、目の前のそれは間違いなくモンスターなのだ。


 学校の中には僕一人。

 それはつまり初見のモンスターを相手に、スライムですら苦戦するレベルの僕一人で戦わなければいけないことを意味する。


 埋まっているなら、回れ右をして誰かが帰ってくるまで待てばいいのではないか。


 退治するなり、放置しておくなり、相談した方がいいのではないか。


 そんな考えが僕の頭をよぎる。



 けれどもしこれが自ら土から這い出てくることが出来るとしたら。


 出ている顔の部分は自らの力で土から出てきた部分だとしたら。


 放置しておく訳にはいかないのだ。

 子ども達に降りかかる危険は少ない方がいいに決まっている。



 留守を任された僕が。

 ソレを見つけた僕が。

 何より先生である僕が危険を残すなんてそんなことしていいわけがないのだ。


お読みいただきありがとうございます!


ほんの少しでも面白かった!続きが気になる!更新まってる!と思ったら是非ブックマークや評価(評価欄は最新話の下にあります)をお願いします。


作者のモチベーション向上に繋がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ