9.ゲームでおなじみの①
「あ、そうだ。武器はどうするの? 僕の肩たたきつき孫の手持ってく?」
「いや、それはスーさんが持ってなよ。いくらセーフティーエリアとはいえ、完全に安全だって確証はない訳だし」
さっきの話だと、誰かの武器か宝箱からゲットした武器しか使えないはずだ。
宝箱からゲットした武器を使っている人を見かけたと、池袋ダンジョンが発生した日に柏木君が言っていたが、そんな簡単に手に入るようなものでもないだろう。
「じゃああずさちゃんのはどうするの?」
どうするつもりかと首を捻れば、柏木君はわざとらしくふっふっふと笑う。そしてニヤニヤとした笑みを保って、荷物が溜まっている場所を漁る。
「えーっと確かこの辺に……あ、あったあった」
しばらく漁ると何かを取り出して「じゃじゃーん」と効果音を口にした。
神田君が掲げたのは、麺棒に麻ひもをくくりつけたような見た目をしたものだ。
「それは!」
「ファンタジーでお馴染み『ただのぼう』です!」
誰しも一度は画面越しに見たことがあるだろう、初期装備アイテム『ただのぼう』である。
ゲームによって木の素材は異なるが、この場合はなにを使っているのだろうか。
そんなことを気になってしまうのは、ゲーム好きなら仕方のないことだろう。
「本物!? それどうしたの?」
だがそれよりも気になるのは入手方法だ。
うちのクラスの子の中に『ただのぼう』を作る子がいるとは思えな……いや、いるか。
むしろモンスターの初めの討伐はただのぼうで! なんてこだわりを持ってそうな子が何人か頭に浮かぶ。
作ったんだとしたら再現度はなかなかの物だ。
見た感じは結構スベスベとしていて、ささくれの心配はなさそうだ。
100円ショップの麺棒をベースにしたのかな?
それにしても持ち手のところが窪んでいたりと加工はしてあるようだ。
凝ってるな~と角度を変えて見ていると「本物だよ。宝箱から出てきたの」と教えてくれた。
「え? 宝箱見つけたの?」
「うん。魔石狩りに行った連中がさっき道ばたで見つけたんだって。スーさん達が到着する少し前に持って帰ってきた」
まさか宝箱を見つけているとは……。
それも道ばたで。
モンスターがいるだけではなく宝箱まであるとすると、エリア化はダンジョン化の広範囲バージョンと捕らえた方がいいのだろう。
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