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8.有効な攻撃手段

「スーさんが心配する気持ちも分かるけどさ、あずさちゃんのステータスと武器はランダムで確定されてるっぽいんだよ。でもそのステータスも武器もステータス欄が閲覧出来ないんじゃ確認することも出来ない。それがこの状況でどんなに危険なことか、分かるよね」


 その肝心のステータス欄を閲覧出来るようになるのはモンスター討伐後のことだ。

 つまりあずさちゃんがモンスターとの戦闘を体験しなければ謎のまま。


 いつまで続くのか、そして国がどんな対策をするのかも分からないこの状況で、HPが視認出来るのと出来ないのとでは精神面への負担がまるで違うことだろう。


 だがそれを得るためにあずさちゃんが危険を冒すことに賛同できるかと聞かれればNOだ。



「でも僕が守れば!」

「ステータスが分かるのと分からないとじゃ全然違うよ。それにいざと言う時に攻撃出来る手段がないと困るのはあずさちゃんだ」

「それは……」

「それにモンスターへの攻撃は『武器登録された物』『宝箱から出てきた武器』『スキルを使用した魔法』の3つしか効かないんだ」

「え?」

「『武器登録された物』っていうのは自分の物じゃなくてもいいみたいだけど、でもパニック状態で人に武器なんて貸さないでしょ」


 それは初耳だ。

 スキルはレベルアップした後しか取れない。

 つまり初めの戦闘は『武器登録された物』か『宝箱から出てきた武器』で行わなければならないことになる。


 あずさちゃんの場合、初期登録は全てランダムで行われており『武器登録された物』が分からないらしい。つまり他人の武器か宝箱から出てきた武器でしかモンスターに通用しないということになる。


「これからどうにかなるか分からないだからさ、今みたいにまだ弱いモンスターしかいない時に知っておかないと。それにレベルアップすればスキルもとれる。それだけでグッと生存率は上がると思うよ」


 その言葉にぐうの根も出なかった。


「おじさん。あずさ、頑張るから」


 席をはずしたほんの数分の間に交わされた二人の会話を、僕は想像することしか出来ない。


 けれどスライムに襲われたあずさちゃんが、誰かと一緒にとはいえモンスターに立ち向かおうとするのはきっと大きな決心だと思うのだ。


 小さな両手を固めて頑張るなんて言われたら、見送るしかないじゃないか。


「神田君。任せてもいい?」

「もちろん。スーさんがおにぎりを大量生産している間に、あずさちゃんを立派なスライムバスターへと成長させてみせるから!」

「目指せスライムバスター!」

「なにその称号? というか、あずさちゃんも何でそんなに乗り気なの!?」


 おー、と拳を天井に突き上げる二人はどうやらすっかり意気投合しているようだった。


 安心していいのやら、心配した方がいいのやら……。


お読みいただきありがとうございます!


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