7.鬼退治≒スライム退治?
魔石の効果なのか、校門付近にモンスターの姿はなかった。
しばらくは安全かな。
そんなことを考えて、職員室へと帰ってくるとなにやら物騒な会話が聞こえてきた。
「あずさもなにか手伝う」
「お、偉いな。じゃあお兄ちゃんがこれ書き終わったら、一緒にスライム退治に行こうか」
「うん!」
「何を『アイス一緒に買いに行こう』みたいな感じでスライム退治に行こうとしてるの! ダメに決まってるでしょ!」
「スーさん、桃太郎の自主性を見習おうぜ」
「童話の主人公と一緒にしないの!」
親指たてて良いこと言ったぜ!みたいな決め顔しているけど、全く良いこと言ってないからね!
そもそも鬼退治だって、そんな気軽に行くものじゃないと思うんだけど……。
神田君は一体彼はどのバージョンの桃太郎を読んだのだろう。
一慨に『童話 桃太郎』といっても様々なバージョンが存在する。
あまり危険を侵していない桃太郎ならいいのだが、僕だって全ての桃太郎を読破している訳ではない。どれかと言われたところでそれがどんな話か判断する術はない。
とりあえず子ども達に読み聞かせられている、割とスタンダードなものだといいなと願うばかりだ。
……って大事なのはそこじゃない。
すっかり桃太郎に思考が持って行かれたが、大事なのは神田君が軽い気持ちでスライムに戦いを挑もうとしているところだ。
「それにさすがにあずさちゃんには危険すぎる」
「俺もついてるからスライムくらい大丈夫だよ」
「スライムくらいって、そんな簡単なものじゃないでしょ」
彼らにとっては雑魚キャラなのかもしれないが、僕にとってはなかなかの強敵だった。
つまりその人のステータスや武器によって感じ方が様々なのだ。
そんな物にあずさちゃんを巻き込む訳にはいかない。
彼女を守るように抱きしめると、神田君はポリポリと頬を掻いた。
お読みいただきありがとうございます!
ほんの少しでも面白かった!続きが気になる!更新まってる!と思ったら是非ブックマークや評価(評価欄は最新話の下にあります)をお願いします。
作者のモチベーション向上に繋がります。




