2.数日ぶりの生徒達
顔を上げると5人の生徒が僕たちを迎えてくれていた。
校門の時点で5人だ。
おそらくうちのクラスの子は半分はいるのだろう。
こんな時ですら自主登校してきている子達の中から数人が門の外へと出てくる。
「遅えよ、スーさん。剣道部の奴のところに剛力先生から連絡来てからもう一時間以上経ってんだぞ? なんかあったんじゃねえかって心配したんだから」
「ごめんね」
もしかして僕が学校に来ることを聞いて、わざわざやってきたということだろうか。
剛力先生、何を伝えてくれているんだ……。
こんな危険な時に変な情報を生徒に与えないでほしいんだけどなぁ。
まさかの裏切り? に呆れつつ、彼らが僕のことを心配でやってきただけとは思えなかった。
きっと何かしらの理由があるはずだ。
そうは思うのだが、酸欠気味の頭はなかなか働き出してくれない。
「まぁ、いろいろとあったっぽいしな。とりあえずそのリュック持つから貸して」
「ありがとう」
親切にも僕の背中からリュックサックを降ろしてくれる。その子に重たいそれを託して、門を通過する。
門の中にいた子が先頭に立ち、僕はただついていくだけだが、目指しているのはおそらく職員室だろう。
あそこならテレビもあるし、冷蔵庫だってある。
他の先生たちが家庭科室や部室に返していなければ、炊飯器やジャグも置かれたままだろう。少人数で避難するには適した場所である。
予想通りの場所にたどり着くと、待機していた生徒の一人がわざわざ入り口まで持ってきてくれた椅子に腰を降ろす。
隣にはあずさちゃん。
あずさちゃんの椅子は彼女が座る前に高さを一番低いところまで下げてはいたようだが、それでもまだ高いようだ。足をぶらぶらと揺らしている。
だがその顔は公園にいた時よりも和らいでいるように見える。
やはり屋根があるところだと少し安心出来るようだ。それに自分たち以外の人に会えたのも大きいのだろう。
僕はここに来ればきっと誰かしらがいるだろうと思っていた。
けれどあの閑静な場所で捕らえられていたあずさちゃんは、きっと怖かったのだろう。
いくら僕が手を繋いでいても、お母さんの声を聞いても、昨日までと違う部分が多すぎる。
普通でいられる方が不思議なのだ。
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