17.セーフティーエリア
これから段々とファンタジーと現実の境が曖昧になっていくのか……。
終わりはあるのだろうか――と考えているととあることに気づいた。
「あの、あずさちゃんのお母さんは今、大丈夫なんですか?」
こうも長々と電話してしまっているが、僕は一応スライムがいつ来てもいいようにと警戒している。
公園という場所は開けていて、スライムの進行速度が早くはない以上、見つけたらすぐに逃げられるようにしていれば逃げ切れるだろう。
だが駅構内のダンジョンはそうともいかないはずだ。
初めの4カ所のダンジョンにはスライムだけではなく、オークやゴブリンもいたと耳にした。5カ所目ということもあり、増えている可能性だってある。
後であずさちゃんに学校の電話番号や住所を送ってもらうことにして、さっさと電話を切り上げた方がいいのではないか。
配慮が足りなかった、と反省していると返ってきた言葉は予想外のものだった。
「はい、私の方は大丈夫です。
どういう原理かはわからないのですが、モンスターが入ってこられないセーフティーエリアという場所に誘導していただいて、今はそこで他の利用者さんと一緒に助けがくるのを待機している状態です。
そこであずさにはしばらく遅くなるということを伝えようと電話したのですが……まさか駅の外にもモンスターがあふれているとは想像もしていませんでした」
セーフティーエリアというと、ゲームで主人公たちが野営していたりするところと同じ扱いなのだろうか。もしくはセーブ地点、転移箇所でも使われたりする場所。
ゲームをしていた時は不思議な仕組みとは思いつつも、ゲームの設定上ないと不便なのだろうと流していた。
だが現実にあるとこうも便利とは考えもしなかった。
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