10.現実と非現実
「続報が入り次第、お伝えいたします」
その言葉を最後に『池袋駅ダンジョン騒動』のニュースは一度終わりを告げた。
けれど結局、その他のニュースを挟んでは同じ情報を繰り返すだけ。
おそらくダンジョンが発生した1都3県だけでなく、日本中の人々が今一番関心のある出来事がこれなのだ。
いや、海外でも放送されているかもしれない。
ダンジョンなんてファンタジーで、ファンタジーは非現実なものなのだ。
そうでなければ、いけないはずだったんだ。
非現実が現実に介入してきた以上、これから起こること、起きるかもしれないことは今までの常識と当てはめてはいけない。
けれど今までの常識を完全に捨ててはいけないのもまた事実。
「これは、明日は登校させるべきか否か悩みますね……」
その一つが学生達の登校問題である。
災害ならば休校にすべき。
この学校と池袋は同じ東京都内の、23区内ではあるけれど違う区に属している。
近いか遠いかで聞かれると微妙な距離。
柏木君もそうだが、登下校中に池袋駅を使用・通過する生徒も多く在籍している。
もちろん都外から登校している生徒もいるから、支障をきたすと考えられる駅は池袋だけではないかもしれない。
今回挙げられた4駅すべてがしばらく使用出来なくなるだろう。
その結果、登下校に不都合をきたす生徒も多いことは間違いない。
だがすぐに何かしらの対策が取られることだろう。
実際、すでにニュース挙げられた4駅の振替輸送情報がテロップに流れている。とはいえ、これも急場しのぎの案だ。
いくつもの電車が長期的に使用出来ないなんて事態になれば、電車通勤が主な都内では混乱が生じることだろう。
だが振替輸送でも何でも帰宅するための代替案を用意してくれたのは非常にありがたいことである。
生徒達もきっと、普段とは違うルートで帰ってくれることだろう。
だがそれを翌日も、下手をすればこれからしばらくの間それを求め続けるというのはどうなのだろうか。
「いくらまだ駅の中から出てきていないとはいえ、危険でしょう。それに明日になればマスコミも自衛隊、そして野次馬も増えてくるでしょうし……私は反対です」
せめてしばらくは休校にすべきではないだろうか。
警官や自衛隊はしばらく臨戦態勢を続けることだろう。
そしてマスコミや野次馬はそれに群がっている。
それに遭遇するリスクを犯してまで登校させる理由があるのだろうか。
そうでなくとも電車の乗車率は飛躍的にアップする。いくら男子生徒しかいないとはいえ、それはあまりに酷な話である。
「ですが休校にしたことで生徒達がそちらへ行ってしまったら……」
だが休校にしたところで生徒達の安全が保たれるかといえばそれはまた別問題である。
おそらく警察官達に拒まれているだろうが、うちのクラスの子達みたいに「学校休みならちょっと行ってみようかな!」なんて思われては困るのだ。
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