第三話 すれ違い
[遡ること魔法使いの試験開始時刻]
「これから魔法使いの試験を行います!皆様に来てもらったこの森には、数々の精霊が潜んでいますが、ここのフィールドには数々の死霊を封印しています。貴方達がやることは、死霊を成仏させることです。」
「死霊を成仏させる??死の魔術を使えってことか?」
「いや、死の魔術はあくまでも仮死状態に追い込むものだ、死霊に効くとも思えないし…成仏させる方法なんて聞いたことねえよ…」
「というか正式な試験の内容がこんなんでいいのか…成仏できないのにはそれなりの理由があるんじゃ…」
「ここのフィールドに住み着いているのはすべて最重要犯罪の犯人達です。あの10年前に起きた史上最悪の事件の犯人達です。彼らはそれなりの犯罪を犯せる程に強い念を持っていた、彼らには死刑という形で殺されたのが納得できてないんでしょうね。」
「10年前のって…シドイで起きたあの集団殺戮のことか…」
「あれは悲惨そのものだったな、俺はシドイから離れていたから水晶で見ただけだったが…」
「魔王軍の手下がやったという噂もあるよな、犯人は自ら永久牢獄に入ったんだよな、だからいまだに何者かはわかってないんだよな。」
「…………」
「ていうかそんな亡霊がいるって大丈夫かよ…」
「所詮亡霊さ、何もできまい」
「それでは試験を始めたいと思います!Мертвый,поднимись……強き力を持つものよ、己の念に込められた力、すべてをさらけ出せ!!!」
一瞬物凄い光がフィールド全体を包んだ、光が止まるとそこにはとんでもない光景が見える
「ちょ、、なんじゃこりゃああああああああぁぁぁ!!」
「うじゃうじゃなんてもんじゃない、この狭い空間に何人分の…1000、いや2000はいってるぞ、、」
「気持ち悪い…オーラがおぞましすぎる。。耐えきれない、、」
「それでは試験を始めたいと思います!一番の方!どうぞ!魔法なら何を使ってもらっても構いません!!」
一番の奴「最初の方ってのは不利なんだよな…というかこれをあいてにするのは……やばい、、死霊だろ…なんでこんなに怖いんだ…化け物か…強烈な念が重なりすぎてる…くっそ…それに何をすれば、、」
「そこまでです!お疲れ様でした。では次の方どうぞ」
「一番の奴は何もできなかったみたいだが、、俺も何かできそうにない…なんてオーラだ、ありえない自身の魔力が怖がってるのか発動すらできない…嘘だろ、、所詮試験だぞ……!」
「それまで!それでは次の方!!」
こうして何もできない受験者が続いた
「それでは次の方!」
「嘘ぉん、、こんな試験聞いてないんですけど、あの男から聞いた話では簡単ダヨ、魔法を使えば合格できるヨ、なんて言ってたけど、馬鹿じゃないのまず魔法が使えん奴らばっかじゃないの、そもそもこんな亡霊に何が効くってんのよ!」
「地獄の炎!!」
「ってもこんな魔法がこいつらにきくわけないんだけどね、、他になにかないか、、」
「合格です!!こちらにお進み下さい!!」
「へ?合格?今のでいいの!?わーいわぁーい!!」
「おいあの女合格しやがったぞ!!」
「魔法を使うだけで合格なのか!?それなら俺も!」
「いや、魔法を使えるか……あれの前で…」
(コロス、コロス全員コロスゼンブバラバラ、コロス)
「…………」
「それでは次の方どう、、ぞ!!(っ!?凄まじいなこいつは)」
「(お久しぶりです皆さん、きこえますか私がわかりますか?)」
(コロス、コロス、コロシテヤル、)
「(私は貴方達にあのような命令をした覚えはありません、いったい誰が貴方達に命令を下したんだ)」
(!!?マ、オウサマ、、??ナノカ、、ナゼココニ、、ワタシタチハアナタニメイレイサレタトキイタ。。ダカラシタガウシカナカッタ、ナゼアナタガココニ??フザケルナナニヲノウノウトイキテイルノダ)
「(私ではありません、信じてくれませんか)」
(フザケルナ!!!ミズカラ命をナゲステルヨウ命ジラレタトキ、ワレワレハドンナオモイダッタカ!!イマサラワタシハシテイナイダト!??シンジタクモナイ、ヤメテクダサイ、ヤメテクダサイ、イヤダ、ワタシタチハ貴方ノ令とキイテ、ソノタメナラバ命ヲモステル覚悟でした、モシ貴方ノ令デナイナラ私達は、私達は、私達は、なんのために、、生命を。。。。。。)
「(私の命令ではありません、私はそんなことがあった事すら今知りました、貴方達がいなくなったことを聞いた時、戦士に敗れたと聞きました、信じれなかった。やはり真実ではなかった。自分が情けない、貴方達を守れなかった自分が…)」
(魔王様、自身を責めるのはおやめ下さい、私達は魔王様の命令と聞いて驚きました、貴方のような方がこのような命令をするのかと、やはり違ったのですね、、安心しました。。ありがとうございます、、魔王様が、シルヴィア様が、大好きでした、、魔王様の命令で死ねなかったことを知って、、悔やんでるものもいますどうか、最期のご命令を…)
「(……ご苦労であった、貴方達は、最高の部下でした、愛していました。)」
(………シルヴィア様…っ………)
黒紫がかったオーラが消えていく、、、
「な!?オーラが消えた!!??そんな馬鹿な!?」
「おいあいつ何もんだ?オーラ消しやがったぞ?」
「すげえ…ってか、なんかしたのか?」
「オーラを見えなくしたんじゃねーの?まあそんなこと俺らにはできんが…」
「また怪物がでたよ…」
「誰なんだ、、」
「ん?なんか言ってるぜ?」
「彼等に命令した奴は誰だ、お前なのか、セルヴィア…」
シルヴィアから禍々しいオーラがでてくる、凄まじいオーラとともに一瞬のうちに森は虚無の空間へと変化した。
「我が思ってるより、アイツは……」