第2話 試験
[シルヴィアが仲間になって、まず俺は冒険の申請に出た。仲間が2人以上でないと申請すら出せなかったんだ。]
「シルヴィア!冒険の申請をしてきたぞ!!3日後に実技試験があるんだってさ!それを合格できれば晴れて冒険に出られるぞ!」
「試験ですか…冒険にそんなものが必要なのですか…?」
「昔と違って魔物はやけに凶暴化してるらしい、うかつに冒険に出して死者を出したくないんだよ国も、国の許可無しに冒険に出ることもできるがその場合救助も呼べないし報酬も獲れない、はっきり言って得がないんだ」
「試験って難しいのでしょうかね?」
「その辺はあんまり知らないんだけどさ〜まあ最初の試験だし、そんなガチガチに難しくはないでしょ!特にお前なんか余裕だと思うぜ!」
-----------試験当日-------------
「ただ今より!!冒険の為の試験を始めます!!それぞれのジョブのブースに行って試験をおこなってください!!」
「なあシルヴィアお前聞いてなかったけど職業はなんなんだ?(おぞましいオーラに怯えて聞くの忘れてたわ…)」
「…ハテ…?なんなんでしょう…あまり気にしたことがないので…」
「気にしたことがない??お前どうやって戦ってたんだいつも?」
「この世界で戦ったことはありません」
「はあ??そんなバカな、ていうかこの世界で??じゃあお前はどうやって敵を攻撃するつもりなんだ?」
「うーむ…基本的には魔法でしょうかね…物理技もできないわけではないですが…」
「じゃあとりあえず魔法使いだ!魔法使いのブースに行ってこい!」
「承知しました!いって参ります!!」
(あいつ変わってるとは思ってたけどまさか自分の職業すらわかってないなんて…まああの異常なオーラで何もせず合格できそうなもんだが…)
「それでは戦士の試験を始めます、ここにクローンの敵を作り出したので、思うように戦ってください、武器はこちら側が用意したものを使ってもらいます。 それでは1番の方から」
(俺は46番か…)
「余裕余裕〜こんなヘボ俺の敵じゃないわ〜おりゃ!!!」ザシュッ!
豪快に切りつけた、クローンはスライムの様な形状をしている
プルルン…切れたと思った断面が繋がった
「なんだと!?今完全に斬っただろう!?クソ!」ザシュッザシュッ
何度斬ってもスライムのような敵は元に戻る
「ハアハア…馬鹿げてる…」
「そこまで!!1番の方、お疲れ様でした。それでは2番の方!!」
「うおおおおぉ!」ピッ プルルン
「だめだ切れねえ……」「3番の方!!」「うおおおおぉ!!」プルルン「4番の方!!」プルルン「…の方!」プルルンプルルンプルルン
「なんだこの試験地獄だな…誰も切れねえじゃねえか…」
「25番の方!!」
仮面をつけた髪の長い女性のような人が前に出る
「………」スーーーーッピッ!
「あのスライムが切れた!?元に戻らないぞ!?」
「あいつ何者だ!?」「すげーなあいつ」ザワザワザワザワ
(形状分離の魔術を斬った瞬間にぶちまけてるな…あの人、なかなか凄いな…)
「合格です!それでは25番の方はあちらに、次は26番の方!!」
(やはりさっきまでの奴らは全員不合格だったのか…以外と厳しいんだなこの試験…)
「それでは!46番の方!!」
(さあどうしよう、分離したら戻るスライム…普通に斬ってなんとかなるもんじゃないよな…イメージすんだ、どこかに弱点はある、さっきのやつみたいに分離の魔法を使えないやつ以外不合格なんてありえない、どこかにある、切れる部分が絶対にある……)
そう考えてるうちに身体は動いていた、まるで水を切るかの如くに動いた刃、スパンと切られたスライムのようなものは戻ろうともしなかった。
「あれ?切れてる??」
「うおおおおあいつも切りやがった!!」「見たかあの滑らかな動き!!」「あんなやつがいるならもう俺いいや…」「凄いね…」
(ほとんど無意識でしてたみたいなんだが…なんだったんだ、昔見たものを思い出したかのような………)
「合格です!!46番の方はあちらへ!それでは47番の方…」
(なんやかんや合格できてよかった、、シルヴィアはどうなってんだろうか)
「監督官!!大変です!!」
「なんだ騒がしい」
「あの、、ハアハア…魔法使いの試験場が、、、消えて……なくなり、、ましたハアハア……」
「何を馬鹿な事言って…!!??」
魔法使いの試験所だった森林の1部が完全に無くなってしまってる。試験監督と受験者達が何もない空間で腰を抜かしていているなか1人キョトンとした顔でいる青年が立っていた。