第0話 再来の日
実質的に初めての投稿となります。
ところで、毎日はどうでしょう。何かいいこと起こらないかなぁとか、彼女とかいたらなぁとか考えたりするんじゃないかと思います。
特殊な、誰も体験していないようなこと。それらは小説やマンガでも多く描かれています。
ですが、それが体験出来たなら、きっとそれ以上を求めることはなくなるでしょう。
自分が師が模範解答へとすり変わってしまうように。
私の師は私自身です。
私は模範解答には成りえません。だからこそ、持っもいいものを探そうとするのですから。
出来るだけ早く更新していきます。
趣味で書いているので、遅れちゃったらすいません!
佐々木宏。そこからもじって「ヒサロ」ーーそれが俺が高校で呼ばれ続けたあだ名である。まぁ、それまで呼ばれていた「千切れた笹」とかよりはマシだろうけど。
俺はその日、初めてメガネ越しに彼女を見たーー。
当たり前のことを言うようだけど、裸眼では当然何度も見てる。ただ、俺がこの日を迎えるまで、いくらかの経緯があったいうだけ。そうーー今日は、彼女を4年ぶりに見た日なのだ。
なぜ4年ぶりなのかーーもちろん、地元が違うとか、どちらかが転校してしまった。なんてことはない。
その「経緯」とやらを、これから事細かに話していこうと思う。
だが、それは少しあとでもいいか。彼女が俺に気づいたようだ。手を自身の顔の前で小さく振りながら、ゆったりとした足取りで、こちらへと近付いてきた。
「ストーカーは感心しないなぁ。久しぶりに見たからって興奮してるのか?」
感動の再会は存在していないようだった。代わりに堪能の再会と言ったところだろうか。
そもそも、俺がストーカーなのは前提のようだ。
「お前は相変わらずだな」
「お前はちょっとしたオシャレに目覚めたみたいだなぁ」
「オシャレじゃねぇよ!」
オサレだよ! いや、そんな風には思ってないよ?
俺が眼鏡をかけたらオシャレになるらしい。確かに、オシャレとかダジャレとか、そんなものに気を回したことはないが、あまりにも飛躍しすぎている気がする。
彼女には、証明が必要なようだ。
「目が悪くなったんだ。両目0.01以外なんだと」
「嘘つけ。私の記憶では、お前の視力は12.5だったぞ!」
「どこの部族だ!」
国際線どころか、国内線すら乗っていない俺である。4年前の修学旅行ですら、新幹線だったのを今でも覚えていて、なんとなくあの頃の自分にもうしわけなく思ってしまった。
ニートですいません。今年21なのに、大学辞めちゃってほんとーーみたいな感じである。
とはいえ、目の前の彼女も同い年なのだからーー俺とは違って大学生なのだろう。
自分でダメージを受けてるバカがいた。
だが確かに、高校以来会っていないということは、彼氏がいたっておかしくはない。
「なぁ、彼氏出来た?」
不器用な直球ストレート勝負。
「どうだと思う?」
「いたらそんな聞き方はしないだろお前」
「おー当たりだ凄い凄い」
なぜこんなことを聞いたのだろう。特に意味は無いと言えばそれで終わりだが、彼女には特別な思いがある。ただそれは恋ではない。
俺がいた「あの日」に、彼女もいた。俺が好きだったあの人と肩を並べていた。
4年経っても忘れられないのは当たり前なのかもしれない。
「宏。お前、大学辞めたんだってな。なぁ、私と会うのはいつぶりだ」
「4年ぶり」
「長いなーー4年は……」
慌ても、驚きもしなかった。聞かれるとは思っていたから。ただ、彼女自身も思うことがあるのだろう。
少し俯いて、少し悲しそうに笑った。
4年間というのは、感じ方次第で短くも長くも感じられる。人間が1日を必死で生きていればいるほど短く感じられるのかもしれない。
先の彼女の話をしておいた方がいいだろう。
俺の親友である彼女ーー三峰美羽の話を。