何処の世界でもお金は大切
本日2話目の投稿です。
今日も自分を偽って。
何食わぬ顔で過ごしてゆく。
それは僕にとっての日常。
今日は何かが起きる気がする。
この退屈な世界から俺を連れ出してくれる気がする。
そんなことを毎日思い描いていたけど。
今日は本当に何か起きるーーーーー
そんな予感がする。
いつもと同じ道を通り。俺は学校へと、いつものように気だるく歩いていた。
それは俺にとって、高校を卒業するまで当分変化することのない退屈な日常の一部。
朝起きて、学校に行って家に帰って寝る。極端に言えば平日はいつもこんな毎日。休みの日はもっと酷くて、やる事もやりたい事もないから無意味に時間が過ぎて行くだけ。これだけ聞くとぼっちと思うかもしれないけど、友達がいないわけじゃない。浅く広くって感じだから外で遊んだりする仲の友達がいないだけ。それも俺が意図的にやってる事だから、交友関係に限って言えば俺に不満はない。
「はぁ………早く帰ってゲームしたい」
友達と遊びに行ったりしないのはゲームがしたいからってゆうのが本当の理由。まだ16年しか生きてないけど、この世界のが理不尽かつ退屈な世界っていうのは理解した。詰まる所、現実逃避です。はい。
いや〜自分でもわかってるんだけどね?やっぱりこんな世界より剣と魔法のファンタジー系の異世界の方が楽しそうに見えるってもんでしょう。
この世界は言うなれば、攻略方法が初めからわかっているゲームのようなものだ。単純に面白みがないのだよ。
現実逃避はしているが、現実が見えてないわけじゃないから異世界があるとか思っていない。それはしっかりと理解しているつもりだ。現実も見てるから自分で現実逃避って言ってるわけだし。それに異世界があったとしても俺の思い描いてるような世界って保証はないわけで、巨大芋虫パラダイスな世界かもしれないわけだぜ?
おう、想像しただけで鳥肌ものだ。
話が逸れてしまったわけだが、結局俺が何が言いたいのか簡潔に言うとだな。
俺にとって異世界ってゆうのはゲームの中だけの憧れの世界であって、実際に行きたいかと聞かれたら行きたくない世界ってこと。
だからさ。
確かに俺は退屈な日常から抜け出すための変化を求めていたけどさぁ………
「異世界に行きたいなんて言った覚えはないんですが!?」
その瞬間。先程から足元に出現していた魔法陣らしきものが眩い光を放ちはじめ、俺はとっさに目を瞑る。
嫌だな〜異世界召喚とか面倒ごとの予感しかしないわ〜
取り敢えず。人間がいて言葉さえ通じさえすればいいかな?できれば自分の身くらい守れればいいかなぁ。
え?なんでそんなに冷静なのかって?そんなの決まってるだろ?開き直ったんだよ!!!!!
こんな状況開き直りでもしないとやってられるか!て感じだよ。ああ〜もう最悪だ〜
俺が開き直ってる間に光が弱まってきた。俺は光が収まっていくのを感じてゆっくりと目を開けるとそこは、先ほどまでいた通学路とは全く違う薄暗く何もない部屋で、唯一俺の足元には何で書いたのかわからない魔法陣が描かれていた。部屋には俺を取り囲むように騎士風の鎧とロングソードと呼ばれる形の剣を装備した男達が5人。
どうやら本当に異世界に転移してきたらしい。いや?この場合は召喚と言った方がいいのだろうか?どうでもいいか。
まあ、この人達を見る限りは存在しているようなので一先ず安心した。巨大芋虫パラダイスな世界じゃなくてほんと良かった。
さて。俺はこれからどうすればいいのだろうか?勇者として魔王を討伐してくださいとかは勘弁だなぁ。俺には絶対無理だと思う。
そんな事を考えていると目の前の大きめの扉が開き、そこから豪華な装飾品をふんだんに身につけた豚と見間違うほどに肥え太った男が騎士2人を連れてやってきた。一つ一つの装飾品は美しく品があるのだが、同時につける事で品がなくなって見えてしまう。つけてる奴が下品なせいかもしれないが………
「騎士団長。こいつが召喚した異世界人なのか?」
「はっ!こいつが召喚した異世界人です。国王様」
この野郎。そっちから召喚しておいてこいつ呼ばわりかよ。しかもこの豚が国王かよ。この国終わってんじゃないの?よくこんな奴が国王なんてやれてるな。俺だったら絶対違う国に住むね。あっ!言葉はわかるようで良かった。
それにしても。流石にこの扱いは酷いんじゃないの?なんの理由で召喚したのかは知らないが、何かしら理由があるはずだ。こいつらは、こいつ呼ばわりするような奴に協力してくれるとでも思っているのだろうか?そんなこともわからない馬鹿なのだろうかこいつらは?あっ!俺もこいつ呼ばわりしてるわ。心の中でだけだが。
「ふむ。おい、そこの異世界人」
「………何でしょうか」
豚が話しかけてきやがった。偉そうな態度しやがって。この短時間でここまで人をイラつかせられるのはもはや才能と言ってもいいね。え?俺の沸点が低いだけ?なに馬鹿ことを言ってるんだ?ソンナバカナ。
それはいいとして、こんな騎士に囲まれた状態でこいつの機嫌を損ねると危険なのでここは下手に出ておく。
「お前にはもう用はない。城から出て好きなようにするといい」
「…………………は?………え?いや、は?」
え?こいつ何言ってるの?意味もなく召喚とかしやがったのかこの豚!?本物の馬鹿かよ………
勇者として召喚されて、義務とか責任を背負わされるよりマシだけど………幾ら何でも無意味に召喚するとか意味わからんでしょ。
「あ、あの。自分はなぜ召喚されたのでしょう?」
「ん?………まあ、それくらいは教えてやってもいいか。大規模召喚をするための実験だな」
は?こいつまじで言ってやがるのかよ。実験でマジで召喚するとか馬鹿じゃないの?それも実験で召喚された本人に言うとか、知能低すぎるだろ。あ、馬鹿なんだったな。
はぁぁ………最悪だ。本当ならここでこの豚の顔をぶん殴ってやるところだが、殴る前に騎士に殺されるな。確実に。となればこいつと交渉して金の一つでももらうかねぇ。おだてればなんとかなるだろう。馬鹿だからな。
「あの〜」
「なんだ?まだ何かあるのか?」
「いえ。寛大な国王様は、召喚した異世界人を一文無しで放り出すような真似はしないですよね?」
「う、うむ。か、寛大な我がそんなことするはずがなかろう………ほら、手を出せ。金貨10枚、これで働かなかなくとも半年は暮らせる」
「国王様の寛大な措置に感謝いたします」
懐からジャラジャラと袋を出すと、その中から500円玉サイズの金のコインを10枚。出した俺の手に乗せる。この豚チョロい。
俺はもらった金貨を落とさないようにしっかりと握りしめて、豚にお礼を言う。本当はお礼に拳でもプレゼントしてやりたいところだがな。
金ももらったことだしさっさとここからおさらばするとしよう………あれ?ここって城なんじゃなかったか?この扉から出たら外なのだろうか?そう思って扉を開けると、階段だった。
外な訳ないですよね。どうやら地下室だったみたい。俺、城の出口知らないんだけど?
うーん。ここは騎士に聞いた方がいいかな?一応国王らしいし、これ以上質問するのはまずいかもしれないから。うん。そうしよう。
「すいません。出口ってどこですか?」
「それなら私が案内しましょう。団長よろしいでしょうか?」
「ん?ああ。頼んだ」
騎士に連れられて城から出ることに成功した。俺を門の外まで案内した騎士はさっさと戻っていった。
これで晴れて自由の身になれたわけだが、これからどうするか………あっ!金貨しまっとこ。
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