プロローグ?
連載を開始しました。
しばらくは毎日投稿していく予定ですのでよろしくお願いします。
※とても短い話になっていますが、次話以降はもっと長く書きます。
「なんだよこれ………?」
多種多様な植物が生い茂る森の中。
まだ成人したてのように見える黒髪の少年は、目の前の光景に唖然として答えの出ない問いを自分自身に問いかける。
当然、少年の問いかけに答えてくれる者はこの場に存在しない。この場には少年以外には誰もいないのだから。
成人したてで、まだ顔に幼さが残る少年が森の中に1人。さらに言えば、少年は防具の類はもちろん剣の一本すら身につけてはいない。完全な丸腰状態だ。
いくら街からそう離れていないからといっても、この状況は異常と言っていいだろう。
成人仕立ての、まだろくに力を使いこなせていないであろう少年が森の中に1人。さらに自衛の手段を一切持っていない。自殺願望でもあるのだろうか。
そんな死と隣り合わせとも言える状況に面しているのに。当事者である少年に緊張した様子は一切見られない。それどころか、薬草の群生地をじっと見つめた後固まったかと思えば、そこに生えている毒草を手に何やら考え事を始める。そんなことをしている場合ではないとゆうのに。少年はよほど死にたいようだ。
他よりも、力が劣っているからといって絶対に勝てない道理はなく、それを補う何かがあれば勝てることもある。
それが己の知識であったり。仲間やら人脈であったり。はたまた運であったり。と、様々だ。この世界では自分の弱さを正しく理解して受け入れて対策をしていなければ、その者に待つのは死のみと言える。
その点を踏まえて、改めてこの少年見てみよう。街から近い場所とは言っても力を使いこなせていないどころか武器も防具も身につけていない少年が1人。さらには周りを警戒すらせず考え事をする始末。自分から、どうぞ何処からでも殺してくださいと言っているようなものである。馬鹿としか言いようがない。
ガサッ
「っ!?」
ほら来た。
突然。少年のすぐ近くの茂みが揺れ、飛び出してきた何かが頭めがけて武器を振り下ろしてきた。
少年は自らに迫る攻撃を紙一重のところでなんとか避け、すぐさま大きく飛び退く。一呼吸起き、注意深く茂みへと目を向ける。
ガサガサッガサガサガサッ
そんな音を立てて茂みから姿を現したのは、120センチ程の小柄な体格に緑色の肌。醜くい顔にムッと鼻につく悪臭を漂わせており、手にはそれぞれお粗末な武器を持っている。そう最弱の魔物と呼ばれるゴブリンである。この魔物を倒せなければ一人で街から出る=死とゆう方程式が成り立つ。
「………ゴ、ゴブリンか?これが?」
少年は茂みから出てきた5体のゴブリンを確認して疑問の声を上げるが、ゴブリンのあまりの臭さに顔を歪めて鼻を塞ぐとゆう致命的なミスを犯す。はい、バカ決定。
頭のいいゴブリン達がこの致命的な隙を見逃すはずがなく、見事な連携で攻撃を繰り出していく。少年はゴブリン達の大振りの攻撃をなんとか全て避け切ることに成功し、攻撃が止んだところでーーーーーー脇目も振らず一目散に街の方に向かって駆け出す。
最弱と名高いゴブリン相手に逃げ出すなどなんたるヘタレか!と思うのは仕方ないことかもしれない。が、この場においてこの選択は大正解と言える。
名実とも最弱の魔物のゴブリン。だがそれは単体での話であり、複数体の場合その限りではなくなる。外敵から身を守る手段が一切なければとっくの昔に絶滅しているだろう。単体では最弱のゴブリンは、高い繁殖能力と知能を生かし群れを作ることで敵に対抗しているのだ。群れたゴブリンを侮るなかれ。1体から2体になっただけで一気に厄介さが増すのだから。幸い身長が低く足が短いため走るのは遅く、逃げるだけなら簡単なのだ。
こうしてバカはーーーゲフン、ゲフン。
少年はゴブリン達を撒くことに成功し、なんとか街へと逃げ帰ることができたのだった。
導入部分のつもりで書いたのでとても短くなってしまいました。すみません。
次回投稿は遅くても明日中にします。引き続き読んでいただければ幸いです。
読んでくれてありがとう!( ^ω^ )