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クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱の商人に偽装中です。  作者: かわち乃梵天丸
第一部 クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱ランクの商人に偽装しました。
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禁忌3 *

「運命線収束? 一体それはなんだんだ? それで石川を助けられるのか!?」


「我が君は以前、食堂で田中様と吉田様から生き返りの話を聞いた事が有ると思います」


「確か罠に引っ掛かって死んだハズなのに死んでなかったという話だよな?」


「そうです。わたくしはあの話を聞いてからずっと心の奥底で生き返りの事が引っ掛かっていました。出来る訳の無い生き返りと、確かに有ったとする生き返りの体験談。双方とも間違いで無く正しいとするならば、その場で何者かによって運命線収束の禁忌が行われたのだと思い至ったのです」


 それを聞いたエリザベスが動揺する。


「その運命線収束とはまさか!」


「はい。過去の運命線の強制選択により収束させ、現在の状況の強制書き換えです」


「それは、世の(ことわり)に反する外法では無いか! お前はそんな事をすると言うのか?」


「現在の状況を打開するにはそれしかありません」


 なんだよ。


 運命線とか強制選択とか何言ってるのか解んねーんだけど。


 俺だけ話に置いてきぼり感が半端ない。


 俺がミドリアに質問しようとしたところミドリアは決意を決めた目で俺を見据え話し始めた。


「わたくしたちの今いるこの現在の時は、数多くの選択肢の中から選ばれた世界です。例えば我が君とわたくしが出会った世界も有れば、出会わなかったという選択肢を選んだ世界も有りますし、中には我が君と死闘を繰り広げて戦っていた世界も有るかもしれません。運命の分岐路を選択する前ならばどちらも現在へと繋がっていた可能性のある世界です。その過去の分岐点の前に戻り、自分の望む世界だけを残し他の世界を消し去る事で強制的に未来、いや現在を書き換えるのが運命線収束と呼ばれる禁忌なのです」


 うん。


 説明してくれて有り難いんだが、なにを言ってるのかさっぱり解らん。


 この場の雰囲気的に聞き返す訳にも行かないので、ここは解ったふりをしておこう。


 エリザベスはミドリアの話を聞くと、顔を真っ赤にして声を荒げた。


 なにやら気に障ったと言うか引っ掛かったとこが有るらしい。


「そ、そんな事をしたら、世界が滅茶苦茶になってしまうだろ!? お前が言ってるのはわらわとタカヤマが出会わなかった世界へと強制的に書き換える事も出来る。そう言ってるんだぞ!」


「その通りです。だから、禁忌であり外法で有るのです。わたくしに出来るのはせいぜい十五分前までに戻って選択肢を書き換える事。もう、残された時間は少ないのです。決断するなら今すぐに!」


 真顔で俺の目を見つめるミドリア。


 何をしようとしているのか理解は出来なかったが、石川を助けられる唯一の手段なら俺には迷う理由は無かった。


「やる!」


 俺の言葉を聞いたエリザベスが再び声を荒げる。


「本当にやるのかよ! 運命線収束は運命の強制書き換えだろ? しかも収束させてしまったら二度と元に戻せないから、出来るのは一回限りなんだぞ? 失敗しても二度とやり直せないんだぞ! それに運命線収束で出来るのはここにいたリリィ、石川、香川、長野の思考に干渉する事だけだぞ。ここに来るために空を飛んでいたわらわ達が現れて敵を倒して解決と言う訳にもいかないんだぞ!」


「それはそうですが」


「第一、ここで何が起こったのかよく解らないんだぞ! どの時点に戻ればいいのか解らないんだ! 戻る地点を間違えば全くの無駄骨に終わるんだぞ! それなのにお前は(にえ)を差し出すと言うのか!?」


 エリザベスが言いたい事をすべていい放って息を切らせていると、ミドリアは落ち着いた声を出す。


「それならば、生存者の長野さんに聞いてみればいいのではないでしょうか?」


 自分の名前がいきなり上がったことでビクンと体を震わせるビクつく長野さん。


 目撃者が彼女しかいない以上、聞かない訳にはいかない。


 俺は優しい声で語りかけた。


「長野さん、ここで何が有ったのか知っている事を全て俺に教えて欲しい」


「わたしが覚えているのは、この洞窟の遥か上にダンジョンが有ってそこに魔晶石が設置されていたんですが、魔族が来て何かの術を使うと床が抜けてこの部屋まで長い落とし穴を落下。わたし、落ちた時にビックリして気絶しちゃって、気が付いたらリリィさんに壁の割れ目に逃げろと言われて、逃げ込んだだけでそれ以外の事は……。敵の姿も見ていません」


「それだけかよ? もう少し詳しい状況は解らないのか?」


「ごめんなさい。怖くて、逃げるのが精いっぱいだったので、なにも見れなかったんです」


 それを聞いたエリザベスがあきれ顔をする。


「これしか解ってないのにミドリアは高い代償を払って外法を使おうとするのか? 本当にそれでいいのか?」


「わたくしは我が君の為ならどんな事だってします!」


「お前って奴は……わらわはお前のタカヤマを思う心に負けたよ。せめてもう少し状況が解ればいいんだが……覚悟はいいんだな?」


「覚悟はとっくにしていますわ」


 するとそれを聞いていたシステムちゃんが遠慮がちな声をあげた。


『状況なら解りますよ』


『なんだと!』


『私が仕込んでいた分霊魂で当時の状況を記録した映像が有ります。長野さん、香川ちゃん、石川さんの記憶が回収出来ています』


『マジか! システムちゃんグッジョブ過ぎる!』


『てへへへ。いま勇者様の記憶領域に送りますね』


 俺の頭の中に三人の記憶映像が一気に流れ込んで来た。これさえ有ればいける! 俺は禁忌を成せる事を確信した。

解りにくい話でごめんなさい。

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