リバイアサン討伐 *
「我が君、準備が出来ました。早速あのヘビをこの場に出してください」
「じゃ、行くからな。エリザベスも万一の事を考えて、待機しておいてくれ」
「わかったぞ」
エリザベスの返事は力強い物だった。
エリザベスは火竜の姿に変化する。
ミドリアはと言うとマッチョモードに変化しない美少女モードのままだった。
真の姿にならなくて勝てるんだろうかと疑問になる。
「ミドリアは変身しなくていいのか?」
「あの姿は封印しましたので二度と我が君の前でお見せすることは御座いません」
「勝てるならいいんだけど、本当に大丈夫なんだよな?」
「大丈夫です! お任せください!」
ミドリアの返事も力強い物だった。
俺は安心してアイテムボックスの中からリバイアサンを取り出す。
「どうううううりゃーーーーー!!!」
さすがにこれだけの大物となるとアイテムボックスの中から出すだけで大変だ。
重さは無いはずなのに、背骨や腕が折れそうになる位の重さが掛かる。
こめかみの血管も切れそうになる。
目の前に現れる巨体のリバイアサン。
目の前に突如山が現れたかのようだ。
リバイアサンはヘビ型の龍で、ラーメン皿の縁に書かれている緑の龍と似ている。
東洋風の緑の龍が水色になった感じの龍だ。
エリザベスの真の姿の西洋風な竜とは明らかに形が違う。
エリザベス達がベビと揶揄するのがなんとなくわかる形だ。
アイテムボックスから取り出したリバイアサンは状況が飲み込めないのか、巨体を震わせてオロオロとしている。
「こ、こは何処? ついさっきまで海にいた筈なんだけど?」
「ここは地獄ですわ。お前の墓場となる場所ですわ」
「な、なにを言い出す? 地獄な訳がない」
「水から打ち上げられたお前にとっては地獄と変わらない」
「どうやって私をここに?」
「そんな事、死にゆく者が聞いても仕方ないですわ」
リバイアサンは徐々に状況が飲み込めたのが余裕が出て来た。
どうやらここは何らかの方法によって、転移された陸上のどこかだと悟ったのだ。
状況を飲み込めたので態度に余裕が見え隠れする。
「ふっ! この私に向かってそのセリフ片腹、ぐごあああ!」
リバイアサンが語ってる最中にミドリアは魔力の込められた拳撃を放つ。
拳撃はリバイアサンの顔面を捉えた!
多数の魔法陣がリバイアサンの体を覆うように浮かび上がる。
魔法陣は激しく光を放つと爆発四散してリバイアサンの身体を何か所も削り取り肉片へを変えた。
「ぐごあああああ!」
リバイアサンは地上に叩きつけられのた打ち回り、絶叫が荒れ地を震わす!
「どうだ? 我が君の敵討ちだ! 痛かろう!」
ミドリアさん、しつこいようですが俺の身体をボロボロにしたのはあなたですよ。
いいかげん、認めて下さい。
塩をかけられたナメクジの様に地面をのた打ち回るリバイアサン。
肩を震わせながらミドリアへの怒りを放った。
「許せぬ! 話してる最中に攻撃とはお前には礼儀と言うものがないのか! 我がハイドロブレスにて、のあ~~~~!!!」
再びミドリアの攻撃!
今度は瘴気の塊による遠隔攻撃だ。
語っている最中のリバイアサンに命中!
リバイアサンは超重量級の瘴気の弾に押しつぶされ、全身を激しく地面に打ち付けた。
「な、なんでこんなに強い! 海ではお前は雑魚だったではないか!」
ミドリアは返事をせずに再び攻撃。
闇の霧がリバイアサンを覆うと中から絶叫が!
「ぎえええええぇぇ!!!」
闇の霧が晴れるとリバイアサンは身体の多くの部分が侵食され焼けただれていた。
リバイアサンの反撃の隙が一切ない、ミドリアの一方的な攻撃だった。
勝てぬ相手だと悟ったリバイアサンは必死で命乞いを始める。
「お願いです! 助けてください! 私、海に居ただけで何にも悪い事をしてないじゃないですか! お願いです! 許してください!」
ミドリアは有無を言わさず再び攻撃。
リバイアサンが再び地に叩きつけられた。
ミドリアには何を言っても聞き入れられないと悟ったリバイアサンは、女人化して俺に助けを乞う。
その姿は俺好みをまるで見てきた様な、少し幼げな妹タイプの美少女。
お胸の突起と股間をホタテ貝で隠す貝殻水着を着たマーメーイドだった。
ちなみに足はお魚さん仕様でない二本足仕様なので増々俺好み。
その美少女が俺の腕にすがる様に抱きついてきた。
「助けてください! 私、何にもしてないのに何で殺されなくちゃいけないんですか? 海で泳いで居ただけなのに、なんで殺されなくちゃいけないんですか? わたしはこの女が殴りかかって来たのを反撃しただけなのです」
美少女は目に涙を溜めて恐怖に顔を引きつらせていた。
そんな美少女にトドメを刺そうとミドリアがやって来た。
「我が君そこをどいてください。ヘビを始末します」
美少女はこの世の終わりの様な顔をして俺の背に縋り付く。
「助けてください! お願いです! 何でもいう事を聞きます!」
俺の背にぴったりとくっ付きミドリアから姿を隠す美少女。
プリンプリンのおっぱいが俺の背中にピットりとくっ付いて気持ちいい。
これは助けるべきおっぱいだ!
これは許さざるを得ないおっぱいだ!
そしてご奉仕してもらうしかない!
俺はミドリアに言い放つ!
「ミドリア、やめてやれ! そこまでやれば十分だろ!?」
「でも我が君」
「俺のいう事が聞けないのか?」
「し、失礼いたしました。我が君!」
「助けてくれるのですか? ご主人様!」
ご主人様だって!
ご主人様!
いい響きだな。
人外とはいえ、こんな美少女に言われたらたまんないわ。
絶対にメイドにして可愛がってやる。
「今からお前は俺の下僕だ。二度と人間に危害を加えないと約束してくれるなら許してやる」
「はい、もちろんです。二度といたしません。はい!」
美少女はクビがもげるんじゃないかと言うほど頷きまくった。
「もう悪い事はいたしません! ご主人様になんでも致します! 夜のご奉仕も致しますし、食事も作ります! 食材が無いのならば海からクジラでも何でも取ってきます! だからお願いです。殺さないでください!」
少女を見てると、すごく必至でかわいそうになる位だった。
それを見ていたエリザベスが声を掛ける
「クジラ捕まえるって、お前は魚を捕まえられるのか?」
「得意中の得意です」
「じゃあ、黒鮫は捕まえられるか?」
「余裕です」
「タカヤマ! 聞いたか? 黒鮫捕まえられるらしいぞ!」
「それはよかったな。じゃあ早速捕まえて来てくれ」
ミドリアの転移魔法陣で再び訪れた港町ポーティア。
行きかう男達がやたら露出度の高い美少女の貝殻水着を見て驚きのあまりと口をあんぐり開けていた。
港の防波堤から海に飛び込む美少女。
すると美少女は勝ち誇る様に言った。
「わはははは! バカな人間め! 私のこれでもかとのお淑やかな演技に騙されおって! これだからサルは知能が足らん! ぶわははは!」
リバイアサンは大笑いしながら呆然とする俺達を防波堤に置いて、沖へと消えていった。
「あらま……」
「逃げちゃったな」
呆然とする俺とエリザベス。
でもミドリアは落ち着き払っていた。
「もうすぐ戻ってくると思いますよ」
その言葉通り、一〇分後には必死な形相をして戻って来た。
「おい! そこのお前! 私の身体に何をした!」
ミドリアは澄ました顔をして返事をする。
「何かございましたか?」
「泳げなくなったんだけど! 泳ごうとすると沈んじゃうんだけど!」
「あなたの身体の浮力を百分の一にする呪いを掛けましたので、もう二度と泳ぐことは出来ないはずです」
「なんだと! そんな呪いを掛けられたらすぐ溺れて死んじゃうじゃないか! 今すぐ呪いを解け!」
「お断りいたします。ちなみに、その呪いはわたくしにしか解けません。それでは溺れるまで泳ぎを堪能してきなさい」
「うううう……解いてよー」
「裏切ったんだから仕方ないですわね」
「うううう……ごめんなさい。もう二度と裏切りませんから!」
「我が君に忠誠を誓いますか? もう二度と裏切りませんか?」
「うん、じゃない。はい、誓います」
「はい、その忠誠の言葉を頂きましたわ。裏切ったら死ぬ呪いが掛かりましたから二度と裏切らないでくださいね」
「えっ!?」
人魚の少女セーレが仲間になった。




