俺の嫁2
俺、石川に告白された上にキスまでされて何が何だかよく解らないんだけど?
石川は顔が綺麗で可愛いいし、体もいい。
こっちの世界に来て最初の頃は俺を目の敵にしてゴミの様に扱っていた石川だけど、徐々にキツイ性格も見せなくなってきた。
好かれてきたのはなんとなく解っていた。
でも、それが告白となると……俺が戸惑ってしまう。
女の子から告白されたなら、男として答える答えは「付き合おう」の一択しかない。
据え膳食わねば男の恥と言う言葉もあるぐらいだからな。
でも、ちょっと前まで俺の事をゴミの様に扱っていた石川だ。
あまりの心変わりに俺の心がついていけない。
どうすればいいんだろう?
『とりあえず話でもしてみたらどうですか? なんで好きになったかそれぐらいは聞いてみてから付き合うか付き合わないかの判断をしてみてもいいと思います』
『そうだな』
俺は石川の顔を見て話し掛ける。
石川はトロンとした目で俺を見つめる。
「なあ、石川。なんでお前は俺の事を好きになったんだ?」
「優しいからよ。私の事を大事に思ってくれるからよ」
『だそうです。俺、石川に優しい事なんてしてやった事有ったっけ?』
『うーん、何でしょうかね?』
『もう少し聞いてみないとダメだな』
再び俺は石川に聞く。
「具体的に教えてくれないかな? 俺がお前にしてやった優しい事って言うのを教えて欲しい」
そう返事をすると……石川が再びキスをして来た。
「むぐっ!」
口を塞がれて声が出せない。
再びの強引なキス。
しばらくするとキスを堪能したのか、キスをやめて大声を出し始めた。
「あんたの事が好きなのよ! 理由なんて要らないわよ! それでいいじゃない! ここまで女の子に言わせたんだから、素直に告白を受けなさいよ! 女の子に告白させておいて恥をかかせるつもり?」
キレッキレにキレる石川らしい石川。
俺は押し切られる形で「はい、お願いします」と答えてしまった。
すると石川は笑顔で「今日から私の彼氏だからねっ!」といって、納得したのか寝室へと戻って行ってくれた。
『ふー、疲れた』
『お疲れ様です』
『これでゆっくりと休める……えっ? 石川が戻って来たんだけど! なんか枕持って戻って来たんだけど!』
「こ、恋人なんだから、今日から一緒に寝るからねっ!」
「ちょっ! ちょっと待てよ! いきなりそういう関係なのかよ!」
「添い寝ぐらいいいでしょ?」
「いや、そういう関係になるのはデートとか重ねてからじゃないのか?」
「今の勇者としての訓練を受ける私達にデートなんて出来ると思う?」
「それはそうだけど」
「じゃあ、添い寝ぐらいいいじゃない」
石川は俺のベッドに横になった。
俺はベッドに座ったまま石川に聞く。
「お前、なんで俺の事が好きになったんだ?」
「こっちの世界に来てすぐの時に大切なお菓子くれたじゃない。あれで好きになった」
「そんな事で俺の事を好きになったのかよ?」
「それからも私の事を色々大事にしてくれたしね。殴られそうになった時に助けてくれた時も嬉しかったわ」
「そっか。そんな前からなのか」
「うん。これからも私を守ってくれる?」
「ああ、守ってやるさ」
石川は少し起き上がり、俺の肩に体重を掛けると俺をベッドに横たわらせる。
「あのね、高山にお願いがあるんだけど、聞いてくれるかな?」
「もしかして、彼氏と彼女がするあれか?」
「うん」
マジか!
あれか?
あれをするんだよな。
トロンとした目で横になった石川が俺を見つめてくる。
ついに、俺も童貞卒業か……。
それもこんなかわいい子と。
今までの俺からは信じられない程のモテモテっぷり。
ついに俺のモテ気がやって来た!
「おう」
「じゃあ、私が上になるから高山は仰向けになって」
「お前が下になるの? 普通、彼氏の方が上だろ?」
「なに言ってるのよ! 彼氏が下に決まってるじゃない!」
「そうなのか?」
「そうなの」
俺は横になると、石川は俺の腕を持ってそれを枕にして……腕枕じゃん!
でも石川は物凄く満足気な顔をしている。
「彼氏となる人と腕枕をしてみたかったんだ」
そういってにこりと笑う石川。
すいません。
俺の心が汚れまくってました。
石川は俺の思ってる以上に清純でした。
俺達がベッドで腕枕をして初々しい彼氏彼女をしていると誰かが訪れた。
訪問者だ。
「タカヤマ! 嫁になりに来たぞ!」
「まってください! エリザベスさん! お嫁さんになるのはこのわたくしですわ!」
そこには自称俺の嫁、人外組の魔王二人がヤツれた姿で立っていた。




