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クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱の商人に偽装中です。  作者: かわち乃梵天丸
第一部 クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱ランクの商人に偽装しました。
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三つの願い3 *

 結局神官長は何一つ召喚の目的を語らずにこの世を去った。


 死しても言えなかった目的。


 俺達が日本に帰還するには、その目的を探る必要が有った。


 だが神官長が死した今、それを探る手掛かりは何も残っていない。


 しかも召喚主が死んだ今、召喚の目的をする事が出来なくなった俺達が帰還する道は閉ざされてしまった。

 

 召喚された勇者である俺達はその日から勇者としての訓練をする事は無くなった。


 一言でいえば勇者廃業である。


 国からの処遇が決定するまで自室での待機となった。


 俺達、勇者の任を解かれたDランクグループも勇者の解放が保留となり大聖堂の自室待機になる。


 セーレとクララをキャンプの連絡窓口役に帰す。


 ミドリアとエリザベスもキャンプに戻って待っていてくれと言ったが、「我が君と離れる訳にはいきません」だの「わらわはタカヤマと一緒に居た方が面白いから帰らないぞ」といって大神殿に残った。


 自室待機で暇を持て余す事になるのかと思いきや、凄まじく忙しい事になっていた。

 

「『夏服セット女子』Mを三つとSを一つください!」


「はい! 夏服セットね!」


 石川が夏服セットを棚から取り出し女子生徒に渡す。


 俺達は店を始めていた。


 ちなみに夏服セットとはノースリーブにホットパンツ、下着、靴下がセットになった物で、石川達が着ている服と色違いの物だ。


 最初はバラで売っていたが、お客となる生徒の注文が細かすぎてとてもじゃないが対処出来ないのでセット売りにしたのだ。


 なんで店を始めたかと言うと、田中君と吉田さんに頼まれたからだ。


 以前にも石川達が着ている服を売ってくれと頼まれていたので、それも有って店を始めた。


 自室待機で暇を持て余している生徒達の気を紛らわせるのと、ダンジョン踏破コンテストで俺達が無茶ぶりをしたのでクラスメイト達への関係改善という目的も有るらしい。


 比較的安価で販売してるので好感度は上々だ。


 店は俺達の部屋の三分の一を店としてカウンターを置いて仕切り、その奥が倉庫兼作業場だ。


 一応、三十品目程を取り扱っている。


 対面販売で石川と香川ちゃんと長野さんが客の対応、俺とミドリアとエリザベスが仕込みだ。

 

 売れ筋は食品が殆どだ。


「ポテチ2バケツくれー! あとコーラも!」


「はいよー!」


 コーラと言っても例のゲップを入れたアワアワドリンク。


 クーラーボックスの中でキンキンに冷やしているのですこぶる好評だ。

 

「マグロ寿司上の特盛り!」


「まいどー!」

 

 食品関係は部屋で仕込むと衛生的に問題が有るので、シェリーさんに仕込んで貰って転移魔法陣で店まで取りに行っている。


 自室待機のはずだけど勝手に街へ出入りしてるのは内緒だ。


 大抵のクラスメイトは食品を買っていくが、中にはペンとノートを買っていくものも居た。


 勇者ごっこが終わった事で急に素に戻り勉強をし始めるクラスメイトだ。


 聞くと佐川先生が英語を教えているらしいとの事。


 勉強か。


 なんか嫌な事を思い出しちまったよ。


 勉強したくねーな。


 でも少しはやっとかないとマズイかな?


 石川に参加しないかと聞いたら気持ちいいぐらいキッパリとした答えが返ってきた。

 

「私は勉強しないわよ!」


「いいのかよ?」


「英語得意だし、もう日本に帰るつもりないもん」


「帰らないのか?」


「だって、高山はもう帰る気無いでしょ?」


「確かにあんまり帰りたい気はしないが、でもいずれは召喚の願いを叶えて帰るだろうな」


「でもあんたが帰ったら、ミドリアとエリザベスはどうするのよ?」


「それなんだよなー。でもさ、クラスメイト達をずっとこっちの世界に置いておくわけにはいかないし。そうなると召喚の願いを叶えていずれは帰らないとマズいだろ?」


 それを聞いたミドリアが悲しそうな顔をする。


「我が君は元の世界に帰られるのですか?」


「いずれはな」


「わたくしをこの世界に置いてですか?」


「いやな、それで悩んでるんだよ。ミドリアをこっちに置いて俺だけ帰る訳にはいかないし、かと言ってクラスメイトをこの世界にこのままって訳にもいかないだろ?」


「我が君はわたくしと別れたいのですか?」


「いや、そんな事はないぞ。お前とはずっと一緒に居たい」


「よかった。その言葉を聞けて安心しました」


「わらわもタカヤマとは別れないぞ!」


「おう、エリザベスもずっと一緒だ」


「わ、私も別れないからっ!」


「もちろん石川もな」


 そんな話をしていると、行列にに並ばないで順番無視でズカズカと入って来る者が居た。


 列を乱された事に石川が激おこだ。

 

「ちょっと! ちゃんと並びなさいよ! 並ばないとあんたには売ってあげないわよ!」


「我々は客ではない!」

 

 見ると割り込んで来たのは騎士団員だった。

 

「タカヤマアルト!、ミドリア!、エリザベス! 以上の三名は即刻査問委員会に出席せよ! 異を唱えるならば国家反逆罪でこの場で切り捨てる!」

 

 エリザベスが小声で嬉々としている。

 

「やるのか? やるのか? こいつら、やっていいのか?」


「やらない、やらない」

 

 俺達は査問委員会に出席し、尋問されることになった。

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