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dive  作者: みつ
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4

僕のチームが勝った。僕は、全力を出しきり勝った。


K先生が僕に近づいて言う。


「今回は勝てたね。奥さんが待ってるよ。さぁ、帰ろう」


僕は、頷き祭り会場を後にした。


数日が経って僕と妻とK先生は飛行場にいた。


妻がK先生に言う。

「また、この国に来たいです!」


笑うK先生。妻は、ちょっとお土産を見てくる、と言い、僕とK先生の二人きりになった。


K先生が言う。


「私は、あなたの国に住んでいた時に

『ストロベリー オン ザ ショートケーキ』という例えを知ったの。


あなたは、イチゴを最初に食べる、最後に食べる?」


「……僕は、最後だけど」


「そう。じゃあ、まず、あなたに私が言いたいことは、あなたの奥さんは本当にステキなヒトだわ。


次に言いたいのは、あの祭りに出る男の人に、私は、魅力を感じない。特に既婚者でない人のチームにはね。更に言うと、私が子ども時は、だいたい毎年、既婚者でないチームが勝っていたわ」


K先生は、僕にそう言って、僕をハグした。


K先生は去っていき、お土産を抱えた妻が、やってきた。僕達は、時刻通り飛行機に乗り、帰国した。




帰国した、僕達は、自宅に戻る前に喫茶店に寄った。妻がショートケーキを頼む。僕も同じものを頼んだ。二人の前に、出てくる2つのショートケーキ。


僕は、イチゴから食べて、食べ終わると彼女を見た。彼女は、イチゴを皿の脇に寄せており、最後に今まさにイチゴを食べようとしていた。


彼女は、僕の視線に気づいて少し恥ずかしそうに言う。

「私、好きなものは最後に食べるの。あなたは、先に食べるのね」


僕は、笑って言った。


「僕は、イチゴより、生クリームとスポンジが好きなんだよ。先に一番食べたくないものから、食べるのさ。


僕みたいな奴、結構いると思うよ。

この国には、たくさんね♪」


(おわり)

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