双子のブラコン 姉side
私には双子の弟がいる。
何でも完璧にできて、クラスで人気者の弟。
小さい頃は「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」ってお姉ちゃんが大好きな可愛い弟だったのに、今では、
「早くして、何分待たせるの。」
なんて、玄関でイライラして待っている冷たい弟になってしまった。
でも、なんだかんだで準備が遅い私を待ってくれている優しい弟。
そんな弟に顔が綻びてしまう。
「なに、ニヤニヤしてるの。気持ち悪い。」
弟はそう言いながら更に顔を顰めた。
流石に待たせすぎたな。
「ごめん、今行くから!」
私は慌てて靴を履き弟の所に駆け寄る。
弟は溜息をつきながらその光景を見ていた。
私は弟と夕飯の材料を買いに近くのスーパーに出掛ける。
本当は1人で良いかもしれないが、2人で出掛けることが当たり前のようになっていた。
多分、私は弟に甘えすぎていると思う。いや、甘えすぎという言葉は優しすぎる。依存しているという言葉の方が正しいのかもしれない。
弟離れしないといけないとわかっているが、父母と離れ、2人暮らしをしている私にはまだ難しいかもしれない。
そんな事を考えながら私より背が高くなった弟を見上げていると、弟が居心地悪そうな顔をしていた。
「何さっきからジロジロ見てるの。」
弟が嫌そうな顔で言ってきた。
そんなに嫌そうな顔をされたらちょっとショックだ。
「今日も我が弟は素敵だなって思って!」
なんて言いニヤニヤしながら弟を見ると、
「気持ち悪っ。」
と顔を背けられた。多分照れてるな?
「うぅ〜、気持ち悪いなんて、我は悲しいでやんす〜。」
なんていつも通りふざけて、泣き真似をする。
「あー、はいはい。ごめんごめん。」
なんて面倒臭そうな返事が返ってくる。
私たちはいつもこんな感じで過ごしている。
弟と過ごす時間は気持ちが良いし幸せだ。
いつか弟と離れないといけないと考えるだけで死にそうだ。
そんな感じで、買い物を終え、私は料理をし、弟は洗濯物を畳み始める。
私たちは毎週、料理当番と洗濯当番を交互にやっているが、正直な所、弟の方が料理も上手いし、洗濯物を畳むのも上手い。
女なのに弟より上手くできない不器用な自分が少し惨めになる。
まぁ、そんな完璧な弟が私は好きなのだが。
一応それなりには私も料理はできるので、今日は弟が好きなオムライスを作った。
「ご飯できたよー。」
洗濯物を畳み終えて、テレビを見ていた弟に声をかける。
「ん。」
なんて言いながらテーブルに座る。
返事短!なんて思いながら、私は料理を運んだ。
「オムライスなんだ?」
弟は少し嬉しそうな顔をした。
「うん、好きでしょ?」
ニヤニヤしながら弟を見ると、
「別に...。」
と、顔を逸らされた。
ふふっ、今日も我が弟は可愛いな〜。
「何?」
こっちを睨みながら不機嫌そうに言ってきた。
「へ?どうしたの?」
急に何と言われて驚く。
「いや、ニヤニヤしながらこっちを見てるから...。」
そしてまた目を逸らされた。若干顔が赤い気がする。
もしや照れてるな?可愛い!
「いただきます。」
そんな弟に気づいてないふりをして私は食べ始めた。
夕飯を食べ終え、弟はお風呂へ、そして私は食器を洗う。
昔は「お姉ちゃんと一緒にお風呂入るー!」とか言って駄々こねてたのに。
「我が弟よ!一緒に風呂に入らないかい?」
なんて言ってみると、
「まじ無いわ〜。」
なんて軽く流されるのだ。
畜生!!私は本気なのに。
そんな事考えていると、いつの間にか食器洗いは終わってて、弟もお風呂から出ていた。
「姉ちゃん、風呂、終わった。」
弟は髪が濡れたまま怠そうに話しかけてきた。
「う、うん!」
そんな弟に少しドキッとしてしまった。
「?」
水も滴る良い弟!?超可愛い!
なんて思ってしまった。きっと私は重症なブラコンだ。
これから治していくことはできるのだろうか。
そして私はお風呂に入った。
大幅に修正しました。
二年も放置してしまいましたが、これから書いていこうと思います。
ただの自己満の小説ですが、読んで下さりありがとうございます。