第1話
眠い目を擦りながら、窓を見る。大嫌いな雪が降っている。『寒い』などの愚痴をこぼしながら、布団に入る、いつもの日曜日の過ごし方だ。
だが、今日は違った。 窓を見ると、雪がやんでいて、携帯には誘いのメールが何通か。
「雪が降っていないだけでみんな元気だな〜」
なんて呟きながら返信する『今日は行けない』と。 別に用事がある訳ではないし、遊びたくない訳でもない。いつもと違う日々を過ごしたくないだけかもしれない。安全策のようなものだろう。怖いのだ、違うということが。 気付けば、なんでも周りの人に合わせている。趣味や流行、少しでも遅れていると不安になる、こんな自分が嫌いであった。でも、この状況が分かっているのに抜けだそうとしない自分はもっと嫌いであった。
そして、いつも通りの生活を始める。
顔を洗う
ご飯を食べる
テレビを見る
ここまでは、いつも通りだった。しかし、変えられてしまった。最悪の方向に・・・
父の勤めている会社の倒産のニュースが流れた。 絶句した。
これは、天罰だったのかもしれない。自分で自分を変えられない私への・・・
それから、全てが変わった。たった一つのニュースがこれほどまで人生を変えてしまうのかと嘆いた。
学校を辞め、アルバイト生活に
母も職を探し始め、父は再就職先を探す。
家で孤独の時間が増えた。友達からのメールが減り、そして、無くなった。
何回もメールを問い合わせしたこともあった。
私は、
「友達」という言葉を恨み、人を信用できなくなった。
訳も分からず悲しくなった。