魔界に来ました!
本日第一回目です
魔界。
その名の通り、魔族の住む世界である。
魔王領は結局のところ、魔界に人間を進ませないためにあると言っても過言ではない。
「エルフリーデが戻って来ただと?」
この魔界を統べる王、魔王が配下に向かって呟いた。
「そのようでございます。ルシファー様」
ルシファーと呼ばれた男こそ、エルフリーデたちの父親であり、長い黒髪と紫の瞳を持つ残忍な王だった。
「人間どもと共に来たようにございます」
「リュグナンではないな」
「はい。あれは幽閉された模様。やはり人間は使えませぬな」
「銀のエルフリーデは殺せ。そして黒のエルフリーデに絶望を」
「御意に」
恭しく男が頭を下げ、部屋を出た。
「我が娘、エルフリーデよ……天界への復讐の為に役に立ってもらうぞ」
それはまるで呪詛のように、部屋に響いた。
「ままままま魔王にあうんですかぁぁぁぁ!?」
「嫌なの?」
「多分、父です」
エリの答えに全員が絶句する中、ただ一人達樹だけが気にせずにいた。
「驚かないのか?」
「驚きようがないよ。エリさんが最初に言ってたじゃないか」
「まだ王太子だと思ってたんだがな」
「んなわけないじゃん。かなり野心家だと思ってるし」
流石に魔界の地図はない。手探りでいくしかないのだ。
「エルフリーデ様、お迎えにあがりました」
唐突に現れた男に、全員が戦闘態勢を整えた。




