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「魔王様」の定義  作者: 神無 乃愛
「魔王様」の定義 本編
29/91

意味が分かりません!


「ひぃぃぃぃ!! ……なななな何ですかぁぁぁぁ!!」

「ん? 言葉どおりだよ。俺が起きるなりエルフリーデさんから『お前は食人鬼か?』って聞かれたからね。いつ、どんなふうに、俺のことを話したの? 『魔王』なら言われ慣れてるけど、これはないかなぁ?」

 達樹がにっこり笑いながらエルフリーデ()に言う。あまりにもの変わりように、急いでついて来たつもりだったが、少し遅かったようだ。

「ねねねね姉さぁぁぁぁん! なななな何てことを達樹さんに言ってるんですかぁぁぁぁ!!」

――私はあなたに言われたとおり「達樹から私が食われそうだと、エルフリーデ()が心配していたが、お前は人肉を食すのか?」とたずねた――

「ねねねね姉さぁぁぁぁん! 『食べる』って言うのはですねぇぇぇぇ!!」

「ねぇ、二人とも? どんな(、、、)会話方法を取ってるのかな?」

 しまった。焦るあまり、エルフリーデ()も心話で話してしまったし、エルフリーデ()は声に出している。

「これ追求されたくなかったら、しっかり教えて欲しいかなぁ?」

 この怖さは、正直魔界の魔族に匹敵するかもしれない……少し現実から逃避したエルフリーデ()は思った。

『妹から“達樹が私を食べないか心配だ”と言われただけ』

 すらすらと書いた文章を、シスリードが声に出して読んでいた。

「……あぁ、そういうことか。で、エリさんとしては俺がエルフリーデさんを食べるのがご要望なのかな?」

 やはり食べるのか? 思わずエルフリーデ()は愕然とした。

「ちちちち違いますぅぅぅぅぅ!! わわわわ私は、ほほほほ本当にぃぃぃぃ!!」

「エリ、お前阿呆だろ? ってか、達樹の性格忘れてないか? そんな風に言ったら、実行するに決まってるじゃねぇか」

 そう面倒そうに言ったのは、哉斗だった。

「じゃあ、ご要望にお答えして、……でもいきなりは怖いだろうから『味見』だけさせてもらおうかな?」

「たたたた達樹さぁぁぁぁん! わわわわ私が悪かったですぅぅぅぅぅ!! ででででですから、あああああ姉だけはぁぁぁぁ!」

「無理。俺にも好みっていうのがあるし。エリさんとエルフリーデさんだったら、エルフリーデさんのほうがずっと好みだし」

「ままままままさか、ロリ……」

 エルフリーデ()が何を言おうとしたのかは分からないが、こちらに来た時以上の殺気をエルフリーデ()に向かって投げかけた。

「すすすすすみません―――――!! おおおおおお許しをぉぉぉぉ!!」

「ヤダ」

 にっこり笑って達樹が言い放ち、エルフリーデ()の傍まで来た。


 どこを食べる気だ!? とエルフリーデ()は思い、思わず逃げ腰になったが、あっさりと達樹に捕まった。神殿の人間たちは、達樹を止めようとしていたが、達樹の殺気があまりにもすさまじいため、動けずにいた。

「!!」

 エルフリーデ()の唇に達樹の唇が重なった。

「やっぱり、柔らかい。もう少ししたいところだけど、流石に神官さんたちの視線が怖いから止めておくよ」

 エルフリーデ(姉妹)たちは揃いも揃って、そういった経験はない。

 あまりにも自然な動きに、二人揃って真っ赤になっていた。

「とりあえず、何でこうなったかは俺に聞かないでね。多分実行しちゃうから。……一番はエリさんに聞くことなんだろうけどあれじゃ答えられないから、誰か聞けそうな人探して聞いてごらん?

 エルフリーデさんは悪くないけど、強いて言うなら無知すぎる。俗世と関わっていないから仕方ないかもしれないけど、あまりそういった言葉は口にしないほうがいい。

 千紘兄と哉斗兄でがっつりエリさんを〆といて。……俺多分手加減できそうにないから」

「……そのつもりだ。じゃあ、千夏を頼む」

 千紘があっさりと承諾した。

「……ウン。俺と翠兄で何とかするから」

 見ると、千夏の顔はにやけていた。


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