友の物語に示すこと。
夜、9時頃。
その日は、彼女からの答えが来るのが目に見えていた彼。
にもかかわらず、彼はどうしたか。
そんな日に限って早寝をしました。
はい。前回の終わり方からシリアススタートを覚悟していた方。残念、ハズレです。
はてさて。
結果から言いますとね。その返事が来たのは12時前。更に、彼がそれを見たのはなんと夏休み前の終業式の日、朝6時37分頃だったそうな。
呆れた。
自分が彼女からの返事を待っていたときはやたらめったら慌てふためいていたくせに。
肝心の返事が来たときにはすっきり安眠。特別彼の眠りを邪魔するものはなかった。
そして、翌日の朝である。
彼は決して、泣きもしなかったし、変に歪むことなくその日の終業式に臨んだ。
ただ、登校後数時間は少し影のある面立ちをしていたかもしれない。
だって、わかっていたのだから。
返事はNOだ。
そのメールはこうだ。
『Dear.◯◯
1日、真面目に考えたことだから本気で聞いてほしい。
私は、世界で一番最悪な女です。男好きで、『モテる』ことを利用しました。
だけど、その中で1つだけ本気でほんとの自分なれたときがあった。
ほんとの恋をしたんだ。
でも、私は結果的にその人を裏切ってしまった。すごく後悔してる。
でね、昨日◯◯に告白されて気づいたんだ。まだそいつのことが好きなんだって…
すごく未練がましいんだけど、たぶん、そいつが好きなんだと思う。
だから、◯◯のこと、大好きですごく大切だけど、付き合えない。
でも、ごめんって言わないよ?
きっと◯◯ならこの気持ち、わかってくれると信じてるから。
きっと…いや、ぜっっっったい、◯◯はもっと優しい人と出会う瀨(だから、結婚式には呼んでね?)
◯◯、Thank you.
You are my best friend.
from.◯◯』
なんともはや。
わかっていた。
なのに、どこかで、ほんの少しばかり期待していたのかもしれない。
それでも、終業式後。
祭りに行った親友との帰り道。彼はいつも通りに笑い、笑わせ合いながら帰路につく。
結局はすぐに割り切れたのだ。
わかりきっていた。自分を振り向くような物好きはそうはいない。
彼は嫌われ者だった。自分ですら嫌いだった。快く思われる事は基本的になく、思われたいとも特別考えなかったのかもしれない。
ただ、自分と仲良くしてくれる友達がいれば、とりあえずはよかったのだろう。
彼は。
いや、この話を読む彼の友人は少ないだろうから記述する。
彼は実は周りにとても感謝している。普段の態度からはそうは見えないかもしれない。いや、見えないが。
決して心配して欲しいからだとか、彼が同情されたいなどと考えたからでなく、あくまで物語の演出として書く。
彼は、この日2012年6月現在、高校生である。
クラスでの生活は、決して安らかな物ではなく、今までで最も周りから嫌われている。
それでも、少人数だとしても確かにいる友人と日々を繰り返し生きている。
あくまで楽しく、だ。
こうして、彼は今も息をし、鼓動を打ち鳴らすことで生きている。今では友人とバンドを組み、たまにいつもの悪癖に身をさらわれる。それでも、彼は現在の生き方を気に入っているのだ。高校は辛く、正直言えば気の重い場だ。だが、先述の通り楽しくやっている。
そして、彼の物語を私が綴るのもここでとりあえずお終いだ。
彼の物語は大変愉快であるが、それは、時間があるときのお楽しみとしよう。
彼の物語は、今もなお続いて行く。
エピローグ&後書き
Epilogue
『気にしちゃないよ。
まあ、しばらくは諦めないかもだが(笑)』
『そんなに私のこと好きなの(汗)』
『もち』
…………。
後書き
ここまで、稚拙な文を最後まで読んでくださいまして、ありがとうございます。
簡単な後書きです。
いえ、ある意味物語の締めくくりだとも言えますか。
まず、随分前に記述した通り、この短編は『彼』と私や友人と話をして最初は冗談げに作ろうと考えた物です。
更にそれを、彼の意思で文にしました。格好をつけると、自分のしたことをどんな形であれ表し残したかったと。
ずっと書き続けた通りに、彼は妙な神経した奴なのだ。
はっきり言うと、私は、彼が嫌いだ。大嫌いだ。
彼は様々な人の相談を聞き、何人かの人の支え程度にはなっただろう。そうあって欲しいと彼は思ってるだろう。
でも、彼は何と言ってその人たちを励まし支えた?
単純。
その人が納得いくように諭したり、相槌をうち、励ましたのだろう。
それは良いことか?
否。
彼はね、相手によって様々な言い方をし相手と話したでしょう。悪く行ってしまえば、その場しのぎではないか。
人により言うことを変えて。
それは、もちろん他の人のためだったのだろう。
それでも。もし、そうだとしても私は、彼が嫌いだ。
気休めは言わないなどと言って。
一体どこまで気休めで真実はどれなんだ?
彼が一番知ってるじゃないか。それを知りながらも目にしまいとしている彼が大嫌いだ。