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神器物語  作者: 米丸
第1章 蟲狩り
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Ⅱ 王都へ

俺の名はジーク・アラウド


神器「炎の聖剣」を武器に戦う波動士。


獣人族で俺と一緒に暮らしているエリーと共にリーガル密林へ足を運んでいた。暇つぶしと遊びがてらエリーにちょいちょい戦い方を教えようと思ってだ。そこにジーコンガが襲ってきた。すでに怪我を負っていた、おかしいとは思いつつも討伐する。


今は、そのジーコンガの屍を見て推理中。


「ん~、これは弾痕だ・・・波動士がやったか、もしくは密猟者だな。少なくともジーコンガ同士の争いで負った傷ではない」


その時、俺とジーコンガの間を何かが一直線に飛んできた。それは、一瞬でバスッ!と音を立てて地面で弾けた、しかも俺の足元。波動銃による狙撃だ。周りに注意を払う、次に撃って来ればその狙撃点をすぐに見つけれるように。再び波動弾が飛んでくる、今度は3連射。すぐにそこから離れ被弾を避ける。これはどうやら威嚇射撃だ。


ちっくしょう!やはり密猟者か!?


狙撃点を推測から導き出し、その付近に火球を思いっきりお見舞いしてやった。爆発の中で何かが飛んだように見えた、気のせいでないとすぐに気づきそれを見る。やはり手には銃があった。着地と同時に撃ってきた。容赦ねぇ!!俺も黙って撃たれ続けるわけにはいかない、火球で応戦する。

炎を推進力に使い急接近、炎のおかげもあり通常とは段違いのスピードで肉薄する。すぐに銃を蹴り弾く、ハンドガンだったため簡単にできた。


って、もっとしっかり持ってろよ・・・


背後の木に向かって押さえつける形で相手を拘束した、それと同時と言っていいタイミングでさっき蹴った銃がゴッ!と音を立てて落ちた。剣を首の近くに刺し脅しをかけようとしたがある事実に気付いた。

それは、





相手は女。





しかも、







知り合いだった。



この紫色の髪に紫の瞳、間違いない。



「ちょっ!?お前、レイラか!?」


相手は、は?といった様子


「俺だ、ジークだ」


「あぁぁぁ!!!!」


耳に響いた。


「ジークじゃない!!なにしてんの?」


「それはこっちの台詞だ!いきなり撃ってきやがって!」


「ごめんごめん、てっきり密猟者か何かと勘違いしちゃって」


怖ぇよコイツ・・・


「で?お前の方こそ何してんの?」


撃たれたことに関してのことはスルーして質問、別に当たったわけではないのでね。


「え?あぁ、村長にジーコンガの討伐を頼まれて来てたの。村の近くで暴れてるからもしかしたらってことでね。でも、一度逃げられてね、追ってきたら爆発音がしてそこに人が立っていたから、密漁か何かだと思って威嚇したってわけ」


なるほど、そういや村長言ってたな、依頼はあったがレイラに頼んだって。それに状況を考えれば密漁と思われてもおかしくはないな。

とりあえず納得してみた。が、しかし、撃つ前にもうちょっと確認して欲しかったな。ヘタしたら大ケガだぞ。


「ジークはなにしてたの?」


「俺は、エリーにモンスターとの戦い方とか教えるためにきてたんだ」


「へ~、え?」


理解した素振りを見せてからの「え?」はやめて欲しいところだ。詳しく説明ししないといけないのか?。


「エリーちゃんに?もうそんな時期なんだ」


理解してたんかい!紛らわしいわ!

といった怒りの突っ込みは思考の中だけにとどめておき話を続ける。


「まぁ、蟲狩りが今年あるみたいだからそれまでに教えれることは教えとこうと思ってな」


「蟲狩り!?あんの!?」


「あぁ、今朝王都から召集条が俺宛にきたみたい」


「いいなぁ、じゃぁ、エリーちゃんもでるの?」


「いや」


俺はキッパリと言った。


「エリーは出ない、てかまだ出させないし出るには早すぎる」


「ん~そっか。てか、ほんっと強いね」


いきなり話題を変えられた。強い?どうゆうことですかな?


「さっき一戦交えたけど、あんな動き方するの初めて見た気がする」


「そうか?今度もう一回やり合ってみるか?」


「そん時はよろしく!」


やる気かよ・・・


いや俺から言ったことだからなにも言えないが、しかしレイラも中々良い狙撃の腕を持っている、威嚇射撃の時もかなりギリギリの弾道だったな、あれ。動き方間違えていたら被弾していた。相手の動きをよく見て予測してじゃないと無理だ。


とまぁ、こんなことを考えながらもエリーの存在を忘れてることに気付いた。

とりあえずエリーを呼んだ。


「きゃぁ!エリーちゃん!」


「いや・・・そんな反応取らずとも俺と違って村の居つきの波動士としてやってるんだから、ほぼ毎日会えるだろ?」


「だってかわいいんだもん!」


頬をプクっと膨らませてみせるレイラ、その様子に若干イラッとしながらも村に戻ることを提案した。





ーーーーーーーーーーーーーーーー





「さて、三カ月後までにエリーにある程度のことは教えておきたいんだが。どの程度までがいいかね?」


「いや、あたしに聞かれても・・・自分で考えなきゃ」


レイラに突っ込まれた、ちょっとショック。


「ん~、自分の波動の属性と武器の基本とかは教えておきたいところだが・・・」


「それでいいんじゃない?」


「そうだな、後は基礎体力もつけさせないとな」


「ある程度の体力ならついてると思うよ?あの子、村の手伝いとかよくしてるから」


「そうなの?」


初めて知った、まさかあいつが村の仕事の手伝いをねぇ、力仕事が必然的に多くなるから、修行の一環としてさせるつもりだったが、すでにしていたとは。


「よし、まずは波動からだな」


大まかな修行の進め方を決め明日からやることにした。

結局今日は、魚釣りをやって、ジーコンガをちょっとした模範としても兼ねて倒して、レイラに密猟者と間違えられて終わった。


・・・・なんか変な疲れ方をしたなぁ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


翌日





現在地は村の東にあるリーガルの森、密林は南の方にある。ついでに言うならば、村長からの頼まれごとは、この森の調査だった。最近村付近のモンスターがなにやらおかしいから何かあるかも知れないからとのことだった。結果、大型モンスター、ガルウルフが徘徊していた。ガルウルフは獣竜種モンスターに部類され、SSツーエスランク以上の実力がないと倒せないモンスターだ。別名「狼鬼」と言われている凶暴種の一頭でもある。実際なかなか手ごわい。見た目は狼に角が生えてかなりデカいといった感じで黒い毛皮に覆われている。目撃数もそんなに多くない、むしろこの森を徘徊していた方が珍しい。


そんな森になんの用かというと、エリーに波動の使い方を教えるために来た。


波動を発動する為のコツとか色々教えた後、実際にやらせた結果エリーの属性は氷だと分かった、ここまでで2~3週間。次は波動をモノにするための修行の仕方を教え手本として俺も一緒にやっていった。

ある程度波動が使えるようになったら今度は武器の基本を教えた。ここまでに二か月、しかしこれでもエリーは結構飲み込みが良い。

その後は、どの武器を使うかを考えた。エリーが選んだのは双剣だった、いや、半分は俺が決めたようなものか・・・


木刀を使ってチャンバラをしたときにエリーは二本使っていた、その動きがなかなかのものだった為そうさせた。



そんなこんなで3カ月がたった。



「エリー、今まで教えてきたことを忘れずにしっかり練習しろよ?」


「うん、大丈夫!」


元気よく答える。


「そうか、じゃぁ、お前に俺がいない間の課題を課そう。一つ目は、剣、格闘、術を使い分けれるようにすること。二つ目は、自分の戦闘スタイルを見つけること。三つ目は、村の手伝いもする。以上だ」


村の手伝いは、まぁ、心配ないか


「わかった、帰ってくるまでにもっと強くなってみせる!」


「ハハハ、楽しみだ。じゃぁ村長、行ってくるわ」


「うむ、気を付けるんじゃぞ」


「わかってるよ」


言葉を交わし村をでた。


目指すはナタール王国の王都。


自然との調和が保たれてる都市で、世界で1、2を争う王国。国王のとる政策が、国民の事を考えている、その為国民からの人気、支持、共にかなり高い。例えば今から行われる蟲狩りも、こういったモンスターの大量発生と王都への進攻によって起る王都内で暮らす国民の無駄な混乱と恐怖をイベント化することで緩和している。今となってはむしろ一種のお祭りになってしまっている。


俺も活動の拠点としてここに身を置いている。かなり居心地もいいし、人と人との交流も盛んで毎日活気に溢れている賑やかな都市。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



馬車に揺られて3日、ようやくナタール王国王都に到着。


城壁門の門番に召集条を見せ入国。大きく伸びをしてギルドに向かった。


ここからは、毎日、いつ蟲がやってくるか分からない所で過ごす。気疲れしそう・・・

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