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神器物語  作者: 米丸
第2章 二人の過去
14/23

Ⅰ 修行再開

今回からエリーの修行が始まります。

っていうか再開?


これから先の話は

過去の話にも触れていくと思います。

蟲狩りが終わり、Sランクへとランクアップして「銀炎竜」の二つ名をもらった俺は。

馬車に揺られて3日、ようやくリーガル村へ到着した。


「ん?ジークだ!」

「なに?ほんとだ!!」


村の門をくぐると早速気付いた村人が声を上げる。

馬車を降りて一人一人に挨拶する。


「お帰り、蟲狩りはどうだったよ」

「いろんな強い人と会えて、色々と参考になった」

「へ~。よかったじゃねぇかい」

「新技もいくつか思いついたしな」

「どんなんだ?」

「教えるかよ」

「ケチ!」

「んな・・・」


こんなしょうもない会話をしているとタッタッタッタッタ!と足音が聞こえてきた。


この足音は。


「ジークゥゥ!!」


エリーだ。


エリーが俺めがけて飛び付いてきた。


「ぐふぅえ!!」


見事に腹に入った。

俺はそのまま倒れてしまい、周りからはドッと笑いが上がる。


てか、エリーは登場する度ごとに俺の腹に一発入れてる気がするんだが・・・


「お帰り!ジーク!」

「・・・・お、おう・・・た・・・ただい・・・ま」


痛みを堪えながらのため途切れ途切れな返事にしかならなかった。原因である当の本人は俺の上に乗ったまま、どうしたの?みたいな感じで首をかしげている。


なんかムカつく。


「これこれ、降りてやらんかエリーよ。ジークは疲れておるのじゃ」

「は~い」


優しい響きを持つ老人の声。この村の村長だ。


「村長、ただいま」

「ウム、お帰り。ラギには会えたかの?」

「うん、相変わらず凄まじい人だった」

「はっはっは!じゃろうな」


愉快愉快と言いながら笑う村長。


「そうじゃ、エリーを見てやってくれんかの?この一ヶ月半の間にエリーはそれなりに成長したぞい?」

「え、マジで?」


エリーをみるとかなりニコニコしている。

そういえばさっきの突撃もなかなか重かったな。力も付いてきたってことか?


「木刀もって来い。成果を見てやる」

「やった!」


走って木刀を取りに行くエリー。

うん、微笑ましい。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「やぁぁぁぁぁぁ!!」


気合の声と共に木刀が2本振り下ろされる。


ガカッ!


俺はそれを木刀1本でさばく。元から俺は剣は1本しか使っていないから、これくらいのことは容易い。


「太刀筋は前よりは良くなったな。だが、まだまだ無駄がありすぎる」


エリーからの木刀2本の連撃をさばきながら言う。


「よっと」


木刀は片刃タイプ、刃と、その反対側はみねむねとも言う)。俺はその峰を掴み、ちょっとしたテクニックを使い、木刀1本を奪う。


「とりあえず終了な」


エリーの首元に木刀を構え、そう宣言する。


「取るなんてズルイ!」

「そう怒んなって」

「む~・・・」


口を尖らせて眉を眉間に寄せている。


「ま、前よりは良くなっているな」

「ホント!?」

「あぁ、太刀の流れはいい感じだ。なにしたんだ?」

「えへへー、村長に教えてもらってた」


あ、あ~なるほど。村長も昔は波動士としてやってたんだっけ。


「どうじゃ?成長したろ?」

「村長、エリーの剣術指導ありがとうございました」

「いや、気にせんでええわい。わしも昔は双剣を使っていたからの」

「そうだったの?」

「なんじゃ、知らなかったのか?」

「知らんかった・・・じゃぁ、ランクは?」

「当時はGGGトリプルジーじゃった」


マジかよ!


「若造にはまだまだ負けんぞい?」


この人確か130代だったよね?この前師匠のこと小僧って呼んでたし。


しかしまだまだ負けないってのは本当かもしれない。村長は一瞬だが、凄まじいまでの覇気を放った。


冷や汗掻いたわ。


「ジーク。早く行こ」

「お、おぉ。じゃ、村長。引き続きエリー鍛えてくるわ」

「うむ」


エリーに引っ張られ、森へと向かった。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





リーガルの森




「さて、剣術は見たが波動を見てなかったな。どうんな感じだ?」

「ん~とね。こんな感じ」


自信ありげに答えながら右手を前にかざし、氷の塊を作りそれを飛ばす。


「おぉ」


木に激突し、氷塊は砕け散った。


「前と変わってねぇじゃねぇか!」


スパァンとエリーの頭を軽くはたく。


「いったぁ!」

「あんなに自信満々でやっておいて、木に当たった瞬間に粉々は無いだろ。せめて傷くらいはつけろ!」


自信と結果のギャップが激しかったためにツッコミを入れてしまった。


「仕方ないじゃん、難しいんだから」


だったらあの自信はどこから来た自信だよ!


「前にも言ったが、波動ってのはデカけりゃいい、派手だったらいいってわけじゃないんだぞ。重要なのはその純度だ。分かるか?」


エリーは首をかしげる。


「やれやれ・・・」


まず、右手に大きな炎を灯す。本当に大きいだけの炎を。そしてそれを木に向けて放つ。炎は木に傷一つつけることなく、爆散した。


「今のがお前が放った氷と一緒のやつな。そしてこっちが・・・」


さっきと同じように炎を灯し放つ。今度は木を爆砕した。


「これが純度によって変わる波動の硬度だ。純度を高めればその分、硬度、威力が増すんだ」

「そのじゅんどってどうすれば上げれるの?」

「波動ってのは人の体内を流れるエネルギーだ。これは、発動する者の意志の強さや感情の強さに比例する。慣れないうちはひたすらやり込んで感覚を掴んでいくしかない」

「む~、本当に難しいな・・・」

「な~に、慣れれば呼吸をするように簡単になる」


呼吸をするように簡単に、これは大袈裟なんかじゃない。呼吸をするように、無意識でできるようになる。エリーにはひとまずここまで来てもらう。それが第一段階だ。


「てい!」


バギャァ!


ウソォ!いきなり木をぶち割りやがった。


「出来るんなら初めっからやれ!」

「そう簡単にできないよ」


「慣れろ」


「は~い」


氷塊を作っては飛ばし、また作っては飛ばし、波動の感覚を掴ませるための修行を続けた。


「まだまだ弱いって」

「てい!」

「声だけじゃねぇか!」

「アチョー!」

「なにそれ!?」


突っ込まざるを得ないほどにエリーの発言がおかしい。


「ハァッカンバ・・・」

「いい加減にしろ!」


エリーの言葉を遮るように頭をはたく。


てかハァッカンバってなんだよ!


「いったぁ!」

「お前はいったい何がしたいんだ」

「気合いを・・・」

「声しか出てなかったぞ?しかも最後のはいったい何なんだ!?」

「力が入らなくなってきたから」

「まて、力が入らなくなったとかそんな問題じゃねぇだろ。」


なんか息も切らしてるし。


「ム~、ホッ!!」


再び波動を発動し放った。


ガゴォ!!


氷塊は先端が鋭利な形となって木を貫いが、氷塊はすぐに形状崩壊し砕け散った。


これ以上はもう無理そうか。


「よし、今日はもう終わりだ。帰ろうか。よく頑張ったな」

「久しぶりだもん」

「明日はもっと厳しく行くから覚悟しておけよ?」

「・・・・・・」


なんで反応ないの?


と思いきや、いきなりガクンと膝をついた。


「ちょい?」

「あ、あれ?おかしいな。立てない」

「はぁ、仕方ないな」


俺はエリーをおんぶする。


今のエリーの状態は波動の修行を始めたばかりの頃の俺もよくなっていた。その度に師匠におんぶしてもらっていた。


「・・・・スゥー」


ん?


「スゥー スピー スピー・・・」


寝やがった!


まぁ、仕方ないか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



エリーが寝ているためあまり激しく動けない、起こしてしまいそうだから。


てなわけでのんびりと森の中を歩いている。


「のんびりし過ぎたか?」


日が傾きかけてる。


「ん・・・ん~」


あ、起きた。


「おはよう、ジーク」


何がおはようだこのヤロー。


「・・・・・」

「どうした?なんかモンスターの気配でもするのか?」

「ううん、ジークにこうやっておんぶしてもらうのは二回目だな~って」

「お前、思い出して大丈夫なのか?」

「たまに夢に出るし、慣れた」


つよいな・・・


そういえばあの日もおんぶした時もエリー寝てたよな。


あの日、それは俺とエリーが出会った日だ。

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