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神器物語  作者: 米丸
第1章 蟲狩り
10/23

Ⅸ 師からの言葉

総合ユニーク数が1,500という切りの良い数に達しました!


本作品をお気に入りに登録していただいている方、読んでくださっている方に感謝です!


これからも部活との両立になり、亀更新になりますが。頑張っていきますので、今後も「神器物語」を宜しくお願い致します!

近衛師団と宮廷術士団の登場により波動士と波動騎士団はひとまず防壁へ戻る。


「お疲れのところ申し訳ありませんが。現在、都市内にも蟲が侵入しています。これからその蟲達の殲滅に向かっていただきたいのですが・・・」


警備兵団の団長が申し訳なさそうに言う。


「俺パスするわ。民家とかも一緒にぶっ壊しちまいそうだから」


いやだな、それ・・・


「ですが、このままでは都市そのものが壊されます」


正論だな、どっちも正論だ。

仕方ないな・・・


俺は静かに立ち上がり都市の方へと向かう。


「ジーク、どこに行く?」


師匠に声をかけられた。


王都内なかへ行って蟲達の殲滅をやろうかと」


「そうか」


そんだけ?なにかあるのかと思ったけどな・・・


ただ聞いただけのようだ。

俺はそのまま王都内へと向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「くそ!結構な数入ってんな」


「仕方ないさ、さっき見てきたけど見るからに壁って感じだったぞ?」


「いついったんだよ!ずっと一緒だったじゃねぇか!」


「いやほら、さっきとてつもない爆発音があっただろ?そのときに様子を見てくるって言ったじゃないか・・・てなんで!?ずっと一緒ではなかったよね?」


「あ、そうか」


「お前な・・・・」


ボゴォオ!!


「うえ!?」


「っつ!」


二人の剣士ととれる人物二人がなんとも言えない表情で俺の方を見てる。


蟲を殴り飛ばした程度のことしかしてないけど、何かいけないことしたかな?


「あんた、なにモンだ?」


そんなドスの効いた目つきで言われると怖いんですけれども・・・


なんて思いつつ答える


「俺ですか?俺はジーク、ジーク・アラウドです」


「聞かない名前だな。俺はシュバルツ・ブリューガと言います。以後お見知りおきを」


ご丁寧にどうも。


「俺はジャック・エスルってんだ」


切り裂きジャックジャック・ザ・リッパーことジャック・エスルと、剣の王子 シュバルツ・ブリューガの二人だった。


ジャックが今手に持っているのは右手に長刀、左手に短刀を逆手持ちにしている。ジャックは大中小、様々な大きさ、長さの剣やナイフなど刃物と呼べるものなら何でも使いこなして敵を倒す剣士。どこから取り出しているのかというと、特殊な波動具によって作り出された別空間からとのこと。

シュバルツの武器は「鋼鉄殻竜」という別称の、とある大型飛竜種モンスターの鱗を加工して造られた片手剣。剣身は細く、素材となる鱗の性質を利用し、しなる様にできている。これによって切れ味も格段に跳ね上がる。実際にその切れ味を見たことはないからどのくらい凄まじいのかは分からない。


切り裂きジャックジャック・ザ・リッパーに剣の王子ですか。すごい組み合わせですね」


「ほう、俺らのこと知ってんのか」


「二つ名もちなら多少有名になっていてもおかしくはないだろう?」


「それもそうか」


二人はたんたんと会話を続けていく、が、その間も蟲達は襲ってきて、ジャックは迅速に、シュバルツは華麗に返り討ちにしていく。


さすがSS(ツーエス)ランクだな・・・


正直、感心してしまう。


「お前・・・もしかして無双の炎使いか?」


「ふえ?」


唐突に突然言われたことで呆然と間の抜けた答え方をしてしまった。


何が「ふえ?」だよ!恥ずかしいなもう!


穴があったら何とやらだが堪えて答える。


「はい、無双の炎使いです」


「すげ!まさかとは思ったが、こんなに若いとわな」


「まったくだ。って今はそんなんいいだろ!?」


一応言っておこう。こんなやり取りをしているけど、その間も蟲達は襲い掛かって来てる。二人はそれを平然と避けたり斬ったりしながら会話している。ただそれだけで、別に蟲達はいない訳ではないし襲い掛かって来てない訳でもない。


「取り敢えず、ここは俺らだけで事足りるはずだ。君は向こうの蟲を殲滅してくれないか?苦戦してるみたいだからさ」


「分かりました。では、ここはお願いします」


頭を下げて、炎を推進力に加速してシュバルツさんに指された方へと向かう。


所々に蟲の死骸と騎士の死体。


後の処理とか大変そうだなこりゃ・・・。なんか向うの方では剣とかが弾かれてるような音してるし、確かこの先は広場だったよな?


気合を入れる為なのであろう雄叫びが聞こえる方に向かって更に加速する。広場にでて見ると、やはり蟲が数匹波動騎士の方4名と戦っていた。蟲はいずれも小型。


取り敢えず騎士が剣を向けてる蟲を蹴飛ばす。


「え?」


うん、やっぱりこういう反応するよね。


「俺は蟲狩りに参加してる波動士です。外は近衛師団と宮廷術士団の方々が引き継いでくれたので都市内なかに救援に来ました」


これで理解できるだろう程度に簡潔に説明する。


「そうですか。助かります」


「状況としてはどんな感じですか?」


「現在確認できる限りでは、侵入した蟲の数は約50から70。家屋にも被害が出ています」


「じゃぁ、ここにいる蟲は、この・・・えぇ・・・8、9・・・・14匹だけで他の場所にもいるってことですか」


意外と多かった。


「現在は、ですが」


「てことは、まだ増える可能性もありか・・・よし!ちゃっちゃと片付けて、他にもまわります」


火球を連射する。ドゴゴゴゴゴゴォッ! と連続的爆発音が鳴り響く。


仕留めたのは6匹か・・・


更に聖剣を召喚し、2匹を切り伏せ、炎を剣に灯して振り抜くことで炎の斬撃を飛ばし、その斬撃が蟲を両断すると同時に、高く跳躍して小さいながらも鋭利で貫通力のある、火球を応用した術「炎針えんしん」を多数作り出し、残りの蟲の上から放つ。雨の如く降り注ぐ炎針、これによって蟲は殲滅。


「・・・すごい」


「貴方はランクはどのくらいですか?」


恐る恐る聞いてくる騎士の一人。


GG(ダブルジー)ランクです」


「その若さでGG(ダブルジー)とは・・・将来はいったいどんな波動士になられるのやら・・・」


「ア、アハハハ・・・俺にもわかりません」


苦笑するしかない。


「では次行ってきますね」


「はい、助かりました」


再び炎で加速して別の地点に向かう。


さっきの話しだと、蟲は疎らなようだな。その分いる場所も点々としてしまっていて殲滅に時間がかかりそうだな。こんなクソ広い大都市で探しては殲滅、探しては殲滅・・・大変だ。


とりあえず再び発見。今度は30近くいるみたいだな、速攻!お馴染みの火球。


突然の奇襲を受けた蟲達は慌てた様子を見せ、辺りをキョロキョロと警戒しだす。どうやら気づかれていない。この数は面倒なので、術を展開させてもらう。

大きな炎を作り、それを回転させる。みるみるうちに炎は拡大し、炎の竜巻へと変化する。

それを蟲たちに向かって放つ。


炎の竜巻ファイヤー・トルネード


この術は俺が作ったものではなく、また別の炎属性の波動士が作り出した術。結構簡単にできて、威力もそれなりにある為、波動術の初級編といったところか。宮廷術師団に入団したばかりの新米はひたすらトルネード系の術や球系の術を基礎術としてやらせるらしい。


炎の竜巻ファイヤー・トルネードにより30匹の蟲は焼死。


マジで大変だ!


「あ!波動士殿!見つけました!」


一人の騎士が走ってきた。


「なんですか?」


「至急、防壁まで来るようにだそうです。これは、波動士全員に通達しています」


・・・てことはそろそろ、蟲狩りも終わりそうってことか。


「都市内の蟲の殲滅はいいんですか?」


「それは我々でなんとかします」


頼もしい答えだな。


「じゃぁ、お願いします」


俺は、言って再び防壁に向かって走り出した。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



防壁南門




「お待たせしました。では、これから、あなた方に再び集まって頂いた理由をお聞かせしましょう」


いい感じの身なりの人が言う。


「あなた達波動士の方々には明朝、森の奥へいって頂き、そこで蟲達の卵を駆除してきていただきたいのです」


卵の駆除ねぇ・・・これまた簡単に言ってくれる。


森の中に入るってことは、それだけ視界も狭まり、うごきも制限される。更に、卵を守る個体も存在するはず。もう一つ言うなら、蟲は現在どのくらい発生しており、どのくらいの数の蟲が森の中に潜んでいるのか分からない。つまり、それだけ危険だということである。


蟲狩り恒例とも言うべきものでもあるんだが・・・


ひとまずは仮設テントで睡眠をとれるとのことなので言葉に甘え、寝ることにした。


外では引っ切り無しに爆発音が続いている。恐らく明日で蟲狩りは終わるだろう。


今夜は最後の戦いの前夜というわけだ。


テントとは言っても屋根が付いている程度のものなので隣に寝てる人の顔なんてすぐに分かる。

隣には師匠が寝ている。


「・・・・ジーク」


突然声をかけられ、正直 ドキッとしてビクッたのは内緒。


「はい?」


「お前は本当に強くなったな」


いきなりなにを!?


「・・・そんなことないですよ」


「いや、お前は充分強くなっている。なんだ?それでもまだまだというのか?」


「はい、だって、まだ師匠を超えてませんから」


「・・・・・そうか。だが、俺もすぐに抜かれそうだ」


「え?そんなことないですよ」


「ハハハ。安心しろ、俺も簡単には抜かれる気はない」


逆に安心できんわ!


なんていうツッコミを心の中で抑える。


「もっと強くなりたいのであれば、己の中で限界を作らないことだな。俺からのアドバイスはただそれだけだ」


「・・・はぁ」


「フッ、この言葉の意味はよく理解できなかったか?」


「えぇ・・・と、つまり?」


「つまり、自分の中でここまでだと思ったら本当にそこまでしか行かなくなる。それが自分の中で限界を作っていることになる。だから常に上を求め、目指す。それが強くなる秘訣だ。お前は何があってそこまで強くなった?超えたい存在があり、越えられなくてもなんとかして越えようと頑張ってきたからではないのか?要はそういう事だ」


・・・なるほど。


「俺は、自分で自分の可能性を潰してしまっている・・・と?」


「そうだな。後お前は、可能性うんぬん以外に、諦めが入ってるな。だから越えられないし、進まない」


諦めか・・・


「俺がお前に師として久しぶりに教えることだ。よく覚えておけ」


「はい」


とはいっても色々と難しそうだ・・・


なんにせよ、明日で蟲狩りは終了となるだろう。

最後のラギの言葉

「自分の中で限界を作るな」

という言葉は去年、OBの先輩から頂いた言葉です。


全国大会に向けて

もう一度それを思い出して、見直すという意味と

それを本作品「神器物語」を読んでくださっている方にも伝えたい

という意味もかねてこの話の中にこの言葉を入れさせて頂きました。


何かの支えになればと思っています。


・・・・自己満足ですかね?^_^;

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