空を見上げたら
書いてみたかったので、言葉に起こしてみました。
猫のお話です。大変短いです。
空を見上げたら月が光っていた。
丸くて大きくてとても綺麗だ。人間の世界では満月の時に団子を食べたり、針に糸を通したりするらしい。
僕らの世界には存在しないものばかりだ。
旦那様の隣で丸くなっていると色んなことを教えてもらえる。そのうち僕は猫又にでもなってしまうんだろうか。
「ルナ、今日は月が綺麗だね。明日は、早く帰ってくるからね。」
…そんなこと言ったって明日も遅い癖に。
人間の世界は僕らが思っているより大きくて広い。そのせいか、感じる時間だって僕らより早いのだ。
明日は、何して待ってようかなぁ。
空を見上げたら星が瞬いていた。
人間たちはこれを流星群と呼ぶらしい。
「ルナ、あれは流れ星だよ。光っている間に願い事を3回唱えるんだ。」
不思議な伝統が世界には存在しているもんだ。
「この先も幸せでキラキラした生活を送れますように。」
まるで流星のような。
空を見上げたら大きな粒が降ってきた。
冷たくて丸くて良い音がした。
これを雨と呼ぶらしい。
僕は生まれてからずーっと、この日が苦手だった。
「ルナ、大丈夫だよ。僕がずーっとそばにいるからね。」
空を見上げたら誰かが僕を呼ぶ声がした。
なんだか暖かくて泣き出したくなるような気持ちになった。
知らない人の声なのに、どうして知っている声なんだろう。
空を見上げたら、虹がかかっていた。
「ルナ、綺麗な虹だね。」
大きくて渡りやすそうだった。
『ニャォン』
空から見下ろすと僕の周りにたくさんの花が咲いていた。
いつかこの花を旦那様と見れる日が来るのだろうか。
その日までゆっくり眠っていよう。




