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11-4

「次は我が国バレイドの事を話そう。私がこの件を知ったのはオーランド殿下から手紙を貰ったのと、ある男爵家からの報告が重なったんだ」


 リード王太子殿下は私の隣に座るカインに目配せをした。カインは私の手を握り返すと話始めた。


「王太子殿下から話を聞いた時シア・・バート伯爵夫妻が突然亡くなり、その死因に納得がいかなかった事もあり協力する事にしました。それまでバート伯爵夫妻がどの様な職に就いていたのかも知らされておらず、そして何故命を狙われたのか・・そこを調査致しました。」


 カインは私を気遣うよう慎重に言葉を選びながら話始めた。

 正直私も両親がどのような仕事をしていたのか、何故命を狙われたのか知りたかった。

 私はカインの言葉を聞き逃さないよう耳を傾けた。


 カインの話はこうだ。

王都からかなり離れた男爵領で令嬢が行方不明となった。男爵夫人は商家の娘で実家は割と裕福だったそうで、男爵領で災害が起きれば実家が支援してくれていたと。


 男爵は夫人の実家の財を、夫人の実家は貴族との繋がりを、それぞれの思惑が絡んだ結婚だったが仲は良かったと。

 そんな夫婦の間には四人の娘がいた。

 長女は婿を取り、次女は男爵家へと嫁ぎ、四女も子爵家へと嫁いだ。

 残った三女は夫人の実家で事務員として働いていたが、そこで見初められ隣国の商家へと嫁ぐことになった。


 二人は相手の親へ挨拶へ行く、と言ったまま帰って来なかった。言われた住所へ手紙を出すも宛先不明で戻って来る。流石に半年も音沙汰が無ければ男爵夫妻も心配になり、夫人の実家へ連絡すると返ってきた言葉は


「商家の息子はまだこの国におり、祖国には奥様と子供が二人いる。三女と親しくしていた男は我が商会とは無関係の男で、どこへ行ったのかはわからない」


 だった。

 そして男爵は娘とはまた別の問題が起きていた事を知った。それは・・


「男爵家の令嬢とは別に、若い女性が十名以上行方が分からなくなっていたのです。事の重大さに気付いた男爵が王宮へ報告に来たのは、令嬢が姿を消してから一年後でした。そしてその男爵領の隣の領地でも、似たような事が起きていたのです。」


 隣の男爵令嬢がある国の男と親密になり、その男と結婚したいと言ってきた。が、その娘は跡取りだったので男爵はその男との結婚を許さなかった。

 そしてある日、令嬢は忽然と姿を消した。

 朝起きて来ない娘を心配した夫人が娘の部屋へ行くと、どこにも姿が見えなかった。

 

「そしてその令嬢と共に数人のメイドも姿を消していたのです。」

「「「 ・・・・・ 」」」


 カインの報告にザカリー様をはじめ、ブルガイド国の方たちも言葉を失った。

 カインのことばどおりだったとしたら、バレイド国だけでも十数名の若い女性が居なくなった事になる。しかもそれが王都から離れた人口の少ない領地。


 女性は男性以上に大切な民だ。

 女性が居なければ領地は栄えない。

 人口も増えない。その為バレイド国は女性の地位が男性程では無いにしても確立されている。

 母が父と共に働いていた事もそういう理由からだろう。

 男性だけではどうにもならない事もあるから・・


「そしてその闇の商人が、王都近くのある伯爵領へ潜伏しているとの情報をバート伯爵が掴んだのです」


読んで頂きありがとございます!


予定としましては後四、五話です!

最後までお付き合いして頂けたら幸いです!

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