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ヒロインのいない夏

この作品に描かれている内容は、

如何なる実在する人物、組織への誹謗中傷を意図したものではなく。

現実世界のいかなる団体、個人を指し示すものではなく、

全て物語でありフィクションであり、実在の人物・団体、実際の事件とは一切

関係ありません。

この作品いかなる犯罪行為を肯定するものでありません。


セカイカノジョこのゲームがサービス終了してもうどれぐらい経つだろうか。かれこれ5年程度だろうか。

当時は、オタクの中で非常に話題にあった。メディアにもちょこちょこ取り上げられ。

多くのオタクが熱狂した恋愛シュミレーションゲームだった。今でも時々、プレイしていた時を

思い出す。何気なく、セカイカノジョの公式ページにアクセスする。特にこれと言って目的はない。

「懐かしいな……」もちろんページの更新は、停止している。いわばゲームの墓地のような場所だった。

「ん?」公式ページのTOP画面は、ヒロイン三名が集団登校しているシーンの止め絵だった。

「あれ?」しかし、何故そこでカーソルの矢印が反応した。

「あれ? クリックできる?」クリックできたのは、集団登校してるヒロインの三名の後ろに隠れている

無もなきモブキャラだった。なにもないところを眺めいていた。

目の前が真っ暗になった。目を開くとそこは外だった。

「あれ? さっきまで部屋の中でPC画面を見ていたはずだったんが……」しかし、どう見ても外にいた。

桜並木を気づけば歩いていた。季節は初夏、そのため桜は青々としていた。

「嘘だろ……」前を三名のヒロインが歩いていたのだ。人気恋愛シュミレーションゲーム「セカイカノジョ」

のヒロイン三名だった。

「り!」思わず声がだそうとするが声が何故か出ない。なぜだ。目と鼻の先にいるのになぜか近づくことが

できない。

「せっかく、ゲームのセカイに入ることができたのに……!」しかし、ここで諦めるわけにはいかない

夢にまで見たゲームのセカイに来たのだ。なんとか爪痕を残したい。

「そうだ……そういえば」ここに転生するまでのことを思い出す。あのキャラクターをクリックしようとして

無もなきモブキャラの方に足を向けてみる。すると自由に足が動いた。

「行ける!」なにもない宙を見る無もなきキャラクターに声をかける。

「あの……おはよう」

「おはよう」無機質な声が帰って来る。

「何見てるのかな?」

「知りたい?」

「うん」

「じゃあ放課後、図書室で」

「あ、ああ」


授業中や、休憩時間も隙を見てヒロインの三名、ミナ、リン、アサミに近づこうとしたがどうしても近づくことが

できなった。

「どうなってるんだ……まあいいか……」放課後、図書室へ向かうどうやら図書室へは向かえるらしい。

「どうも……」図書室で待っていた寧音に話しかける。

「ゆうと君、来てくれたんだ」

「気になったから」というか他に移動できなかったし。

「じゃあ、ゆうと君になに私が朝何を見ていたか教えてあげるね」

「ああ」

「召喚獣」

「は?」

「召喚獣」

「は?」

「やっぱり、見えなかったんだ……」

「ああ全く」そんな物騒なゲームだったけ……。このゲームは王道中、王道の恋愛シミュレーションゲーム

だったはずで、バトルの要素は一切なかったはずだけど……。

「私はね三人を守ってるの」

「君が?」どうやら、彼女の話が本当ならこのゲームをメンテナンスから守っているのは、彼女のよう

だった。彼女は、召喚獣からヒロインたちを守りそしてヒロインたちが恋愛をできるように影から応援してる

ようだった。

「今日の放課後、下校でイベントが発生するけど一緒に参加する?」

「え? ああ」なんのイベントだろう、期待半分、不安半分。ヒロインとのイベントでもあるんだろうか。

大好きなリンに会えるかも知れない。


「う、嘘だろ……」放課後下校する。リンの横には、謎の男性。

「今日の私たちの仕事は、あの二人の下校デートを成功させること……」

「トホホ……」薄々感じていたが、案の定俺とリンのイベントではなく。他のプレイヤーとリンのイベント

だった。

「あ、可愛い」リンが猫を追いかけて裏路地に入り込む。

「あれ? リン!」リンと一緒に下校していた男子生徒がリンを探す。しかし、ほんの数秒前までいた

リンは、こつ然と姿を消していた。


「え? 一体?」その様子を上空から見ていた。寧音と俺は、呆気に取られる。しかし、寧音の方が

何かに気づいているようで、すぐに動きだす。

「行くよ!」

「あ?」あたり一体が黒い結界で覆われる。

「何だ?」わけも分からないまま、地上に降り立つ。


地上は、結界に覆われていたせいか全てが停止し静寂に覆われている。しかし、その中ゆうゆと歩いてくる

女が一人。

「あら、いらっしゃい私の巣に」そこには、巨大な蜘蛛の巣に囚われ気を失っているリンの姿があった。

「リン!」

「あら? 彼氏さん?」クモの巣でリンを捉えた露出度の高い服を来たお姉さんが近づいてくる。

「行くよ!」

「えええ??」辺り一体にクモの巣が張り巡らされる。寧音は、指先からレーザーを出し蜘蛛の女いとね

に攻撃を仕掛ける。寧音といとねの壮絶な戦いが始まる。

「う、嘘だろ……」あの日常系恋愛シュミレーションゲームの裏側でこんな戦いがあっただなんて。

呆然と立ち尽くす。ゲームのTOP画面のボーっと宙を眺めるモブの少女の裏の姿……。

この夏、ゲームからヒロインを守るための戦いが静かに幕を開けた。

ゲームないからヒロインが消えないために戦う事になったのだ。


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