1/5
第1S片 神様と藁
だめな神様いますよね。
※noteにも転載しております。
昔、神様が地上に降りてきた日のこと。
喉が渇いた神様は、川の水を掌で掬って飲もうとしましたが、指の間から零れてしまい、うまく飲むことができません。
そこに、藁を載せた牛を連た牛飼いが通りかかりました。
牛飼いは、神様の困った様子を見ると、牛の背中から藁を一本ひきぬいて。これを口に咥えて、川から水を吸うように教えてやりました。
牛飼いに教えられたとおりにして、川の水をうまく飲むことができた神様は、とても感謝したので。
牛飼いに、牛が曳く豪華な荷車と、そこにいっぱいの金銀財宝を与えてやりました。
藁を英語で「straw」というようになったことや、藁の一本の交換から財を成した、日本で有名な昔話が。ここからうまれたのかどうかは、さだかではありません。
《出典》
「語られざる神話たち」(獣明書房)