【1−2】赤くて、朱くて、紅い
突きは完全に顔面を狙っていた。
さすがにこれは隙を縫うように反撃できる気がしないと間一髪で躱し、距離を取って短く息をついた。
しかし相手はその行動を予測していたのか、突きの勢いを殺さずに横薙ぎを仕掛けてきた。
今度は対応が間に合って、二つの剣が混じり合い、火花が咲いては散っていく。
(次の行動は────)
そう頭を働かせ、次の攻撃に備えようとした。
そのときだった。
「あなたは、誰」
と、女性の声が聞こえた。どうやら戦っている相手は人間だったらしい。そう頭の片隅に置いておきながら、ボクの視線は彼女の持っている短剣、その切先にほとんどの神経を割いていた
「それはこっちのセリフだ。人に向かっていきなり剣を振るう人に名乗りたく?」
あぁきっと「質問を質問で返すな」とか言われるんだろうなぁ。もしくは「俺に質問するな」みたいなこと言われるのかなぁ。いやこれ仮面ライダーネタだな。
などとふざけたことを思っていると
「…………え?」
聞こえたのは疑問の声だった
「なんで…?なんで聴こえるの……?」
相手はそう言っていた。
「待って、それは一体どういう意味…」
「やめて!」
急に拒絶された。なんで?
「もういや……」
なんか急にへたりこんで泣き始めたんだが。なんで?
つい数瞬前まで残っていた張り詰めた空気は既になくなっていて、もう戦うムードなどではなかった。それよりも相手の様子がおかしい。
「なぁ、大丈夫か?」
そういうと、相手がこちらに顔を向け
ふと、目が合った。
まるで精巧に作られた人形かのような美しく、それでいて少し幼さを残したような顔立ち。明度の高い……つまり白に近しいと思われる髪の色
そして、紅く灯る眼。
それは燃え盛る炎のように、そして人に流れる血のように紅い。
そこには確かに『色』があった。
「え?」
そういった時、ボクの顔は一体どんな顔をしていたのだろうか。
「嘘だ……」
思い出すのは、小学2年生の頃。
記憶の奥底に閉じ込めてなお、「色彩を認識できない」という障害を残した記憶が、記憶が、
あの日のことを思い出させてしまう。
「嫌だ……」
僕はそう呟いて、意識を手放した
ここまでがPixiv 小説で書いた範囲です。
ここからは頑張って書きます。




