3/3
2
さて、美貌にあぐらをかかずにがんばるローザの気持ちとは裏腹にローザにはひっきりなしに恋文に贈り物、花、縁談などが届いていました。
王様はほくほく顔でそれを吟味します。
「王妃や、うちのローザはモテモテじゃな」
王妃様はしかし憂い顔です。
「王様、この中にいったいローザ本人を気に入ってくれた方が何人いるのでしょうか。私にはローザの愛する人に美を与える力目当てのような気がしてなりません」
「ふむ。それもそうじゃな。う~ん。ローザには幸せになってほしいからな~」
王様は首をひねりつつ考えました。
そしてニマリと笑みをうかべると宰相を呼び寄せました。
「ふっふっふ。いいこと考えてもんね~」
王妃様は嫌な予感に眉をひそめながら王様を見守るのでした。