第4話 山越え
一夜明けた、翌朝のこと。
元気良く歩く二人と、ちょっと疲れ気味の二人。
目的の町までは後四日で到着しなければならないので、疲れていても多少は無理が必要だった。
ヘレナ『ねぇ、ちょっとお腹空かない?』
疲れたから休もう。とは言わない。
エルダ『歩きながらでも食べられるだろ?』
そう答えるエルダは、ポーラと一緒に歩きながら干し肉をかじっている。
一睡もして無いのに元気な二人だ。
シンシアもヘレナも疲れていて、食べる気もしないのだが。
ポーラ『ちょっと顔色悪いよ、休憩した方が良いんじゃない?』
エルダが振りかえって二人を見る。
確かに元気が無い。
エルダ『・・・なぁ、シンシア。山を越えるのにどのくらいかかる?』
シンシアは言葉よりも先に、腕を伸ばして前方に見える山を指示す。
シンシア『あの山を越えるのに3日は必要だわ。魔物にさえ遭遇しなければだけど。』
ヘレナ『他の道じゃ間に合わないのよね・・・。』
少し責任を感じているので、強くは言えない。
エルダ『馬車でもあれば楽なんだろうけど・・・。さすがに金無いしな。』
会話を続けながらも、歩くスピードは少しゆっくりとなる。
どうやら、分かれ道の様で、目の前には立て札があった。
”←アルタードの町 ↑アルタードの町(近道)”
と、書かれているが、最後まで読むと、近道の方は”魔物に注意”とも書かれている。
すでに近道に行くしかない事はわかっているが、考えてしまう。
立ち止まる4人。
シンシア『一気に行くしか無いわね。』
エルダ『望むところさ。』
ポーラ『望むところ。』
ヘレナ『・・・山越えに備えて休まない?』
このまま強行突入も厳し過ぎる。
時間が無いのも事実だが、無理し過ぎも良く無い。
ヘレナ『もうちょっと頑張って歩くからさ、山に入る前にね。お願い。』
エルダ『・・・仕方ないなぁ。んじゃ、夕方まで歩いたらそこで野宿しよう。』
今は夜が明けてから2時間と経過していない。
シンシア『そうね。そうしましょう。』
シンシアがそう言ってしまえば反対するものはいない。
ヘレナも同意の頷きをする。
元気良く頷いたのはポーラとエルダだ。
エルダ『よし、夕方まで頑張るぞ!』
ポーラ『頑張るぞ。』
本当に元気な二人だった。
4人は分かれ道を近道と指示された方向に進む。
幅の広かった道はすぐに狭まり、4人は横に並んで歩けなくなる。
先頭をエルダ。続くポーラ。少し離れてしまったシンシアとヘレナ。
時間が経つほどに前の二人と後ろの二人の距離は離れてしまう。
振りかえれば、大きな声を出さなければ聞こえないほどに遠くになっていた。
エルダ『遅いなぁ。』
と、愚痴をこぼしてもしかたがない。
追いつくまで待ってから再び歩き出すが、振りかえればすぐに離れてしまう。
二人が追いつくまで待った後、エルダが言った。
エルダ『これじゃ、魔物が襲ってきた時にすぐに対処出来ないぜ。』
ヘレナは返事をする前に乱れる呼吸を整える。
ヘレナ『疲れちゃったのよ。』
エルダ『・・・俺がしんがりを歩くよ。先頭はポーラ。次にシンシア。』
シンシア『ポーラが先頭なの?』
エルダ『ポーラなら問題無いさ。それで良いだろ。』
ポーラ『問題無い。』
エルダ『問題なのは皆がバラバラになったら困るって事だよ。』
指摘は正しい。
ヘレナ『私を2番目にして。多分、歩くの一番遅い。』
エルダ『それは、多分じゃないな。』
軽く突っ込まれるが、言い返す元気が無いヘレナ。
シンシア『この先に分かれ道は無いはずだけど、先頭はエルダが良いわ。』
エルダ『・・・ポーラはそれで良いか?』
ポーラ『うん。』
エルダ『良し。じゃあ、ポーラにしんがりを任せよう。魔物が来たらすぐに叫ぶんだぞ。』
ヘレナ『縁起でも無いこと言わないでよ・・・。』
ポーラ『縁起無い。』
順番は決まった。
エルダが先頭を歩き、続くヘレナ。シンシアが後ろを歩くポーラを気にしながら必死で歩く。
ポーラは元気いっぱいにシンシアを押しながら歩いている。
まだ、山の中に入るまでには距離があるが、4人の歩く道のすぐそばにまで木々が迫り出してきている。
緩やかながら登り道へかわる。
陽射しは迫り出す木々によって遮られ、昼間なのに少し暗い。
魔物が出て来ても不思議では無い雰囲気が立ち込めてきた。
不安になるヘレナは、棒のようになる足を必死に動かし、エルダにピッタリとくっついて歩く。
不安は的中せず、魔物の気配は感じられなかった。
順調に進む4人。
だが道は更に狭くなり、登りはきつくなり、険しさを増す。
エルダ『山に入ったみたいだな。』
独り言だったので返事は無かった。
返事をしたくても出来ないのが2名ほどいるが。
その後、会話は完全に無くなり、無言のまま歩きつづける。
陽射しが届かないほど暗い道。
緊急事態が起こる事を期待するかのようにワクワクする者と、それとは対照的な者。
先頭を歩くエルダは、前方が少し明るくなっている事に気がついた。
水の流れる音が聞こえる。
エルダ『どうやら、休めそうだな。』
さすがのエルダも疲れたのか。と、ヘレナは思ったが実は二人を心配して言っているのだ。
上り坂も緩やかに戻り、いつしか、平らになっている。
4人が辿りついた場所は小川が流れていて、少しだがひらけている。久しぶりに見た太陽が眩しい。
休憩するには丁度良いだろう。
ポーラ『ここで休むの?』
エルダ『二人が限界みたいだからな。』
その二人は草むらにへたり込んでいる。
言葉では無く、身体が、もう動けないと言っていた。
ポーラ『・・・なんで疲れてるの?』
エルダ『俺達みたいに鍛えてる訳じゃないから仕方ないだろ。』
ポーラ『ふ~ん。』
ヘレナ『元気ねぇ・・・あんた達。』
エルダ『ヘレナとシンシアが元気無さ過ぎるんだよ。』
シンシア『こんなに歩いたの何年ぶりかしら。お願いだからちょっと休ませて・・・。』
お願いと言われるまでも無く、ここで休む予定なのだが、夕食の準備をする前にシンシアは寝てしまった。
何時の間にかヘレナも草枕ですやすや寝ている。
ポーラ『寝ちゃったね。』
エルダ『・・・まぁ、いいや。暇だから火でも起こそう。』
二人は枯れ木を集めるために、まわりをウロウロし、10分と経たないうちに両手に抱えきれないほどの枯れ木を集めた。
燃えやすいように丁寧に並べると着火。
リュックから鍋を取り出し、小川の水をすくって湯を沸かす。
しかし、問題が一つ起きた。
ポーラ『晩ご飯は誰が作るの?』
エルダ『自慢じゃないが、飯なんて作った事無い。』
確かに自慢じゃない。
ポーラ『私は一度失敗したっきり、料理なんてやって無いよ。』
この場にして最悪のコンビだった。
思考錯誤するまでも無く、さじを投げる二人。
沸かしたお湯は紅茶を飲むのに使い、干し肉を火に炙って食べる。
エルダ『・・・なんか寂しいな。』
ポーラ『さみしい。』
とは言うものの、料理を作る自信は無い。
一番美味しい料理を作るシンシアは寝てしまっているので、無理に起こすのも可哀想だ。
干し肉は保存食の為、お腹いっぱい食べるわけにもいかない。
エルダ『この辺りってイノシシとか、鹿とかいないかな?』
突然の質問だが、ポーラは真面目に答える。
ポーラ『いるかもしれないけど・・・いないかもしれない。』
はっきり答えられないのでその程度の返事しかできない。
エルダ『丸焼きなら簡単なんだけどな。』
ポーラ『なるほど。』
丸焼きなら誰にでも出来そうだ。
ポーラ『でも、狼とか野犬の方が多そうな気がする。』
エルダ『う~ん、犬は食べる気しないなぁ・・・。ま、食べられる事は食べられるんだけど。』
ポーラ『美味しかったよ、犬。』
エルダ『どんな奴だったの?ただの丸焼きじゃないだろ。』
ポーラ『うん。スープになって出てきた。』
エルダとポーラは想像力も豊に温かそうな食卓を脳裏に描く。
数秒間の夢空間に顔を綻ばせる。
が、目の前の焚火にくべられた枯れ木が弾ける音を聞くと、現実に戻される。
エルダ『・・・なんか余計にむなしくなった。』
ポーラ『むなしい。』
結局二人は干し肉と紅茶だけで我慢し、2時間交代で寝る事にした。
全員が寝てしまうわけにはいかないからであり、野宿なら当然のことだろう。
寝てしまって動かないシンシアとヘレナを焚火のまわりに移動させると、ポーラがエルダの膝を枕に先に寝る。
ちょっとかたいくて、枕には不向きだったが。
エルダ『ちゃんと寝れるか?興奮してるだろ。』
ポーラ『そんなことないよ。それよりも干し肉全部食べないでね。』
エルダは答えず、ポーラも返答を期待していなかった。
しばらくして、小さな寝息をたてる。
風も穏やかで、太陽は山の影に隠れて青空の一部を赤く染めているだけ。
夜と呼ぶには少し早い時刻、3人は寝ている。
本来なら寝袋を使用するのだが、そのまま寝ていても寒くは無い。
火を起こしているのは、暇つぶしに飲む紅茶のためであった。
本当なら料理にも使用するのだがエルダ一人では作る気がまったく無い。
徐々に辺りは暗くなる。
見上げれば満天の星空。
雨が降らないことを祈りつつ、視線を落とし、弱くなりかけた炎に枯れ木を投げ入れる。
時折響く焚き木の弾ける音。
膝元で寝ているポーラの顔を見て、意味も無く頭を撫でる。
不思議と笑顔になるエルダ。
まだ旅は始まったばかりなのだが、1年も前から旅を続けているかのような錯覚。
村での毎日が遠い昔の出来事のように感じる。
これから、想像も出来ないような毎日が続くのかと思うと、気を引き締めるどころか、表情が緩くなってしまうのだった。
星空を眺めて未来を占うような趣味の無いエルダは、本当に暇だった。
何時間経過したのかも良くわからない。
小川のせせらぎは常に一定で、魚の跳ねる音さえ聞こえない。
エルダは先ほどのポーラとの約束を珍しく守り、食べ物にはいっさい手をつけていない。
寝ているシンシアがゆっくりと動き出したのは、ポーラが寝てから何時間後かわからない。
シンシア『・・・エルダはまだ起きてたの?』
目を擦りながら起きあがり、火のそばに近寄る。
エルダ『あぁ、寝ずの番さ。』
シンシア『大丈夫なの?あんまり無理しちゃダメよ。』
エルダ『なんかさ、眠れないんだ。興奮してるってわけじゃないんだけど、何もしないと考えちゃって。』
エルダは沸かしたお湯で作ったばかりの紅茶をシンシアに渡す。
シンシア『考える?』
受け取りながらも、そう問う。
エルダ『この旅を計画した時にさ、一番最初に考えたのはどんな終わり方か、ってことだった。』
シンシアは、一口すすってエルダを見つめた。
話の続きを聞きたいと、瞳が語っている。
エルダ『・・・目的を持って旅をするんだからさ、いつかは終わるじゃん?』
自分には冷めてしまった紅茶に、温かい紅茶を注ぎ足す。
エルダ『みんなとずっと一緒なのか、いつかは別れちゃうのか、諦める事になるのか。って、イロイロね。』
シンシア『エルダはどんな終わり方が望みなのかしら?』
エルダ『う~ん・・・終わらない事かな。』
シンシア『ずっと旅を続けたいってこと?』
エルダ『あぁ、強い奴と会いたいけどさ、負けるのも悔しいじゃんか。』
そう言って苦笑いする。
シンシア『最強の戦士を目指すの?』
エルダ『最強・・・最強かぁ・・・俺より強い奴が一人もいない世界も寂しいな。』
それを聞いて、いかにもエルダらしいとくすくす笑っている。
シンシア『複雑なのね。』
エルダ『まぁね。』
シンシア『・・・いつ、どんな風に終わるのか、それもちょっと楽しみね。』
エルダ『はっきり言うとさ、別れる事で誰かが幸せを見つけられるんならそれはそれで良いと思うんだ。』
シンシア『私がいなくなっても良いのかしら。』
ご飯を作る者がいなくなっては困らないのか。と言う意味も含まれている。
エルダ『うーん。困る事もあるだろうけど、シンシアが本当に幸せなら、別れたって辛くは無いよ。寂しいけどさ。俺達が迷惑をかけるのも、幸せを奪うのも、旅をする目的とは違うことじゃん。』
シンシア『優しいのね、エルダは。』
エルダ『へへっ。』
シンシア『じゃあ、そんな優しいエルダにご飯を作ってあげないと。どうせちゃんと食べて無いんでしょ?』
エルダ『その言葉を待ってたんだよ。さっそく頼むぜ。』
控えめな声で、二人は同時に笑った。
シンシアの作る料理は辺りに美味しそうな匂いを漂わせる。
その匂いに誘われたのか、ヘレナがむくりと起きた。
ヘレナ『朝ご飯・・・じゃなさそうね。』
星の輝きは見えるが、月明かりはなく、焚火の炎しか灯りは無い。
ヘレナ『灯りはつけないの?』
エルダ『別に必要無いだろ。暗いんなら松明に火でもつけるか?』
松明は店で購入した物では無く、エルダ手製の物だ。
ランタンの燃料を節約する為に何本か作ってある。
シンシア『簡単なスープだしね、ちょっと具は少ないけど。』
すでに煮込みの状態に入っていて、手元が暗いと困るような作業はしていない。
そもそも、今の明るさになれているので、それほど暗いとも思っていなかった。
ヘレナ『私の分もあるよね?』
エルダ『寝てるだけの奴の分なんてあるのかなぁ?』
と、少しいぢわるを言う。
ヘレナ『ひっどーい。そりゃ、ちょっとは迷惑かけたけどさ。』
シンシア『珍しく、ご飯ができるまで待ってたからね。』
ヘレナ『なーんだ、そう言うことなの。たまに良い子だから威張ってるのね。』
エルダ『私はいつも良い子よ。』
無理しているとしか思えない女っぽい声に女っぽい言葉使い。
エルダには似合わない。
ヘレナ『・・・本気で気持ち悪いから止めて。』
エルダ『あのな、俺は女だゾ。』
エルダが言うと説得力が感じられない。
ヘレナ『一応・・・ね。』
少し声が大きくなってしまい、ポーラも目を覚ました。
なぜかエルダにしがみ付きながら立ち上がるとまわりを見る。
ポーラ『そっか、家じゃなかったんだ。』
シンシア『もう一度寝る?』
ポーラは首を左右に振ってから答えた。
ポーラ『食べる。』
その場に座り込み、シンシアから出来たばかりのスープを最初に渡される。
それを横から覗き込むエルダ。
ポーラ『自分の分がくるまで待ちなさい。』
ヘレナ『まちなさい。』
これはポーラの真似であるが、当人は気が付かなかった。
シンシア『はい、エルダの分。』
エルダ『おぉ!待ったかいがあるってもんだな。』
受け取ると、すぐに食べ始める。スプーンも使わずに一気に口に放り込んでいるのだ。
笑顔満面に頬を膨らませ、隣にも同じ顔がある。
ヘレナ『絶対エルダの影響よね、ポーラの性格って。』
シンシアからスープを受け取りつつも、二人の顔を見て言う。
一度に飲み込みきれないのですぐに返事は出来ないが、不平満々の表情のエルダ。
その顔をわざと真似るポーラ。
そっくりだ。
シンシア『まぁまぁ、性格ってのは誰かに影響されるものよ。ヘレナだってそうかもしれないじゃない。』
どうにか飲み込むエルダが、食べ終えたお皿をシンシアに渡しながら不平を鳴らす。
エルダ『諸悪の根源みたいな言い方やめてくれよ。言っとくけど俺の責任は無いぞ。』
ポーラ『あるかも。』
エルダはポーラを見たが、何も言わなかった。
結局会話は続かず、話題はいつしか別のものに変わっていた。
夜が明けるまでには時間がある為、交代で見張りをする事に反対者はいない。
最初の見張りをへレナが買って出て、シンシアが次に、エルダ、ポーラの順番で決まった。
お鍋が空になるまで食べ続けたポーラとエルダは、一緒に寝ている。
ヘレナ『ポーラってエルダの事が一番好きなのかしら?』
シンシア『ヘレナだって、エルダの事が好きでしょう?私だってエルダが好きよ。』
それだけ言うと、シンシアも瞳を閉じた。
ヘレナは、好きと言うことに付いての意味を考えることに、見張りの時間を潰す事にしたのだった。
夜が明けた。
ポーラが皆を起こせば、すぐに朝食の準備が始まり、前回よりも多少は多い具の入ったスープが全員に配られる。
シンシア『これから本格的な登山よ。しっかり食べてね。』
エルダ『おぅ!』
元気の良過ぎる返事にヘレナが不安を持つ。
ヘレナ『私の分まで食べるつもりじゃ無いでしょうね。』
エルダ『おぅ!』
食べることに全身全霊をかたむけようとしている。
ポーラ『負けないぞ!』
エルダ『おぅ!』
シンシア『・・・慌てないで、ゆっくり食べてね。』
エルダ&ポーラ『おぅ!』
ヘレナ『・・・もぅ、私だって負けないから!』
エルダ&ポーラ『おぅ!』
スプーンを振り上げて、力強い返事。
シンシア『・・・結局、みんなエルダの影響を受けてるのね。私も例外じゃないのかしら。』
少し、自分の性格に付いて考えてしまうシンシアだった。
朝食を競って食べるようなことはなかったが、シンシアはちょっと食べ過ぎたような気がする。
これが影響なのかもしれない。とまでは思いつかなかったが。
エルダ『よーし、一気に頂上目指そうぜ。』
シンシア『そうね、頂上まで行ければ後は楽になるでしょうし。』
ポーラ『魔物はどうかな?』
ヘレナ『うーん、出ないにこした事はないんだけど。』
エルダ『出たらその時さ、今考えても無意味。』
きっぱりと言いきる。
シンシア『頼りにしてるわ。』
エルダ『任せとけ!』
ポーラ『任せて!』
こうして、三日目の旅が始まった。
何処までも続く上り坂。
幅の狭い登山道。
木々の隙間からしか見えない太陽。
ほぼ無風状態の為にわずかながら気温の上昇を感じる。
山は深く、人の通った後が殆ど残っていない。
そのせいか、この広い世界にたった4人だけしかいないような気にさせる。
一部崩れてしまっている道を大きく迂回しながら進む。
山頂までは、まだまだ遠かった。