彼岸花
☆「彼岸花・南原寺」
まだランドセルもしてない幼い頃祖母は、山の事を「空」と呼んでいた。
「ばあちゃん?この花なぁに?」
「空」の畑には無数の彼岸花が無数に咲いていた。
まるで赤い道を作ってる様に。
「あの花には、触っちゃいかんぞ!?「毒」があるからのぉ。」
ネコ車に、農具を乗せてコロコロ転がしながら祖母は言う。
「綺麗だね。」「だね。」と良いながら、真っ赤な花を子供心にキラキラさせながら見つめる。
秋空に咲く凛とした「毒の花」私は、その後毎年その花が咲くのを待ち望んでいた。
いつからか花が咲くのが当たり前と感じる様になった大人の「私」
南原寺
「右に進みます♪右に進みます♪」
山ァァァァァ!
私は、美祢?の「南原寺」に向かう!
ナビは、どんどん山を登っていく!まるで「空」に行くように!
「おいおい!この道合ってるのか?」
暫く車で山を登ると広い駐車場に出る!
まず迎えるのは「芙蓉」だ。駐車場に芙蓉が沢山植えられている。
「芙蓉って地味だと思ってたけどこうしてみると綺麗だなぁ。」白い芙蓉って初めて見たぞ!パシャパシャとカメラを撮る。
さてお目当ての彼岸花はどこかな?
パチパチ・・・。
ひっ?人?ここの寺の人だろうか?落ち葉を焼いていた。人見知りの私は、別方向の本堂を向かう!しまった。ピンクの彼岸花どこに咲いてあるか聞けば良かった。
ここ南原寺は、色取り取りの彼岸花が見れると聞いたので、来てみたが白い彼岸花はあるのだが他の色の彼岸花が見当たらない。
仕方なくさっきの「焚き火のおじいちゃん」の所に向かう。
「おはようございます。」
焚き火を棒でつついていたおじいちゃんは、クリクリの目で私を見る。
「ピンクの彼岸花ってどこに咲いてます?」
「ピンクの彼岸花?今は、黄色が本堂にあるだけじゃ。」ガーン!無いの!?