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世界が奏でる鎮魂歌  作者: もやパン
第一章 いざ異世界へ
9/9

第8話、今後の課題

(〃'▽'〃)(っ´ω`c)(´-ω-`)m(_ _)m(*´ω`*)( ´ρ`)。o ○φ(..)メモメモ(´;ω;`)(^_-)-☆m(。≧Д≦。)mヾ(・ω・`)乂-д-)。:゜(;´∩`;)゜:。(;¬_¬)(-_-#) ピクッ(^_-)-☆( -_-)ジッ(-人-;)(;-人-)(゜∀゜ゞ)(^_-)-☆(ぅω=`)(ぅω=`)(〃'▽'〃)


第8話、どうぞ

 目の前の黒い猿の後について行きながらケンは、周りの様子を眺める


 かれこれ歩き始めて三十分ほど経つが、未だに目的地に到着する様子は無い



 (どこまで行くつもりだ?)



 黒い猿から悪意や殺気などは感じられなかった為、とりあえず黒い猿の言うとおりにしているものの、ケンは全く警戒心を緩めるつもりは無い


 そもそもこんな場所に流暢な日本語を喋る猿が居ること自体、おかしいのだ


 

 しかし、こんな狩るか狩られるかが全ての弱肉強食な場所なのだから、獲物を騙して狩る様な奴がいても何らおかしく無いとケンは考えている



 (さて、どうなることやら)


 

 そんな風にらしくない事をケンが考えていると、ふと黒い猿が立ち止まってケンに振り返る



 「さて、ここからはある特別な方法を使って進む必要があるのじゃ。とりあえず、服を脱いでくれんかの?」


 

 「‥‥は?」



 突然のセクハラ発言に一瞬、何を言われたのか理解が出来ないケン

 


 タップリと数秒間固まって、ようやく何と言われたか理解したケンは若干顔を顰めつつ、黒い猿に問いかける


 

 「それはなぜ?まさかお前、そっちのけがあるんじゃないだろうな?」



 しかし、そんなケンの質問に黒い猿は笑って答えると、懐から何かを取り出す


 

 「フォッフォッフォッ、安心せい。別に変な意味じゃ無いわい。ただ、わしらの住む場所に入る為にはわしが許可を与える必要があって、服は邪魔になるんじゃよ」



 「その許可とやらを与えるためにその牙を使うと?それで服が邪魔だと?」


 

 そう、黒い猿が取り出したのは何かの牙だった


 (全くもってよく分からん。まるで『注文の多い料理店』みたいじゃないか。これ、服脱いだら最後、食われるとかじゃ無いよな?)



 「別に服を全部脱げと言っとる訳では無い。上半身だけ裸になってくれれば良い」



 「‥‥本当に何もしないんだな?」



 「愚問じゃな。わしは約束を破る様な事はせんよ」



 黒い猿はケンの目を見てはっきりとそう言う



 その目には嘘を付いている様子は無かった



 「はぁ‥‥分かった。上半身裸になればいいんだな?」



 結局、ケンが折れるしかなかった



 「そうじゃ。裸になったらそこに目をつぶっ座っとくれ」



 黒い猿の言うとおりにすると、黒い猿がケンの後ろに立ち、手に持った牙でケンの背中に何かの模様を書き始める


 不思議な事に、軽く引っ掻く様に動かされた牙が通った後にはまるで入れ墨の様な模様が浮かび上がる



 そして数秒後には、書かれた模様は跡形も無く消えていく



 「これで良し。目を開けても良いぞ」



 黒い猿の言葉を聞いたケンが目を開けると、そこに広がっていたのは、先程までとは全く別の森で、そこには無数の猿がいた



 「なっ!?これは一体‥‥さっきまで居たのはこんな奴らはいなかったぞ?!」



 つい先程まで何の気配も感じられなかった筈の場所に無数の猿達が居たことでケンが軽く驚いていると、周りの猿達が鳴き声を上げる



 ───キキッ‥‥キギィッ‥‥ギッ‥‥キッキキッ‥‥ギッキキ‥‥ギギギッ‥‥キィキィ‥‥キッギッキィ‥‥キキッ‥‥ギギギッ‥‥キンタマ‥‥ギギギッ‥‥キッキキ‥‥ギッギギキ‥‥キキキ‥‥───



 「その事についても後々説明すでの、とりあえずこっちに『おい、ちょっと待てや! 誰だ今どさくさに紛れて人の事キ○タマって言った奴!先生怒らないから素直に名乗り出なさい!』来て欲しいのじゃが‥‥って、行ってもうた‥‥」


 




 本日もケンは絶好調だった



 


~~~~~~~~~~~~~~~~

 




 「まさかここに来て早々トラブルを起こすとは、想像出来なんだ」



 「仕方ないんだ。体が勝手に動いちまった」



 あの後、軽くキレたケンが自分のことをキ○タマと言った猿を追いかけたり、追いかけられた猿がケンに向かって糞を投げつけたり、それを避けたケンがその猿を掴んで数十メートル投げ飛ばしたりと色々大変だったのだ



 そして今、ケンは黒い猿の家(?)に来ている


 そこは大木の幹に空いた穴の中を部屋に改良した場所で、少しひんやりとして涼しい



 そんな場所でケンと黒い猿は互いに向き合うように座って、何かの果物の様な物を食べていた



 

 (まぁ、こんな事をするためにここに来たんじゃ無いよな)



 しかし、ケンがここに来た理由はよく分からない果物を食べるためでは無く、何かを知っていそうな黒い猿と話をするためなのだ


 あくまでも、ケンが森の奥を目指しているのはこの場所から脱出する方法を探すためなので、信用出来るかどうかはまだしも、話が通じる相手というのは貴重な情報源になり得る存在だ


 

 

 「さて、とりあえず手始めに1つ2つ質問があるんだが聞いてもいいか?」



 「ふむ。わしが答えられる事であればいくらでも聞いて良いぞ。元よりぬしと話をするつもりだったしの」



 「じゃあ遠慮無く質問させてもらおうか。

 まず、なぜ俺をここに連れて来た?それと、俺を試すとか何とか言っていたがそれはどういう意味なんだ?」



 そもそも、こんな得体の知れない奴(ケンの事)を自分たちの住み家に連れてくる理由がケンにはよく分からなかったのだ


 ついでに、あの猿二が言っていた事も気になっていた



 「フォッフォッフォッ質問は1つずつせい。

 そうじゃな、1つ先に言っておくが、ぬしをここに連れて来たのと、ぬしを試したのは、元を辿れば同じ理由じゃ」



 「同じ理由?」



 「そう、同じ理由じゃ。おぬし、動く影と戦った事があるのではないか?そして、その戦いに勝った、違うかの?」



 「‥‥‥質問を質問で返すなよ。質問しているのは、俺だ」



 「まぁ待て。そもそも、その動く影がぬしをここに連れて来た理由じゃよ」



 「は?意味が分からんぞ」



 「分かりやすく言うとじゃな、あの動く影を倒してくれたからお礼の為にぬしをここに連れて来たという訳じゃ」



 (どういうことだ?俺があの立体影を倒すのと、こいつらに礼を言われるのと、一体どんな関係があるんだよ)



 「まだよく理解出来ない様じゃな‥‥それでは、もう少し詳しく話をしようかの。


 まず、わしらはこの森に住んでいる以上、当然他の生物に襲われたりすることもあるのじゃ。


 しかしその中でも、自分以外の生物を見ればすぐさま襲いかかり、どちらかが息絶えるまで戦いを続け、また次の獲物を探す‥‥それを延々と繰り返し、生き残ってきたあの影は危険じゃった。


 わしはかれこれ数千年生きておるが、その間に奴によって葬られた生物は数知れず、強き者も弱き者も奴との戦いに敗れ、わしの友も仲間も皆、奴に殺されてしまった。


 そうしてどんなに強き者でも奴に敵わずに死んでいき、奴を止める事が出来なくなっていたその時、ぬしが奴を殺してくれたわけじゃ。

 しかも、わしらと敵対していた猿共まで殺してくれたときた。

 

 だから奴を殺したぬしに興味を持ち、試そうとした訳じゃが、なんとおぬしは人間じゃったのでな。

 だから、ここに連れて来たのじゃ」



 「結構長い話だったが、なんとなく分かった。

 昨日俺が戦った猿共はあんた達と敵対していたとは知らなかったがな‥‥でも、何故俺が人間だとここに連れてくる必要があったんだ?」



 「そうじゃの。人間はそこいらの獣と違って理性があるから、呼んで礼が出来ると考えた訳じゃ」


 

 「良いのかよ?そんなに簡単に信用して。もしかしたら俺はあんた達を皆殺しにする獣かもしれないぜ?」



 「フォッフォッフォッ。長年生きてきたわしの勘が大丈夫と言っておるのじゃ。それで充分じゃよ。

 しかし、おぬしこそわしを疑わないのかの?この様な場所で、そうやすやすとわしの事を信用するとは思えんが」



 「別に信用している訳じゃ無い。

 だから、聞いておかなくちゃいけないことがある‥‥お前、どうやって日本語を知ったんだ?」




 そう、ケンが彼らを警戒していた1番の理由がそれだ


 何故この黒い猿は日本語を喋っているのか


 おおよそ日本とは思えないこの場所で、どうやってこの猿は日本語を知ったのか


 ケンは、その正確な理由が知りたかった



 「‥‥‥わしが生まれたばかりの頃、たまたま命尽きようとしている人間を見つけた。その人間は体の半分が潰れていて、ちょうど腹の減っていたわしはその人間を食べたのじゃ。


 死にかけの獲物など逃がすつもりは無かったからの。

 

 そして、わしの力『知恵を得る者』によってその人間の知識を得た訳じゃな。」






 「ちょっと待て!なんだよ『知識を得る者』って!」



 「さてのぉ‥‥生まれ持った力としか言い様が無いのじゃよ。

 わしのは『わしが食べた生き物の知識を得る事が出来る。』そういう力なのじゃ」



 「‥‥もしかして、でっかいワニが水球飛ばして来たりとか、腕が四本ある熊の爪の切れ味が凄くなったりしたのと同じか?」



 「そうじゃな。おぬしらが『魔法』とか『魔術』と呼ぶ様なものじゃろう」 






 

 それを聞いた瞬間、ケンは一瞬かたまる



 (今何て言った?魔法とか、魔術だって?

 まるで小説みたいじゃないか‥‥つまり俺が今居る場所は異世界って事なのかっ!?)



 あまりも衝撃的な事実にケンは驚く


 実を言うと、見たことも無いような化け物や、歪んだ空間など、薄々感づいてはいたものの、やはり他人(他猿?)に言われるのでは衝撃が違った



 (つまり俺達は異世界に紛れ込んでしまったって事なのか!)



 「この森から出る方法はあるのかっ!?」



 目の前の黒い猿が信用出来るかどうかも重要ではあったものの、今のケンの頭にはこの場所から出れるのか、ということで一杯だった


 

 それもそうだろう



 それだけ、異世界に紛れ込むという事は重大な事なのだ

 

 もしかしたら、元の世界に戻れないかもしれないと言う可能性も充分にあるのだから



 「落ち着けい。そう急かされては話せるものも話せなくなるわい」



 「‥そうだな。すまない、ちょっと慌ててた」

 


 「まぁ、良い。

 で、この森から出る方法じゃったか?すまないが、この森から出る方法ほとんどは知らないの。

 一説では、森の最奥地にこの場所から抜け出す方法があると聞いたが、この森は奥へ行けば行くほど、力が濃くなり、敵が行く手を阻む。

 

 まず、最奥地まで行くことは出来ぬじゃろう」



 「力が濃くなる?」



 「あぁ、要するに先程言った生まれ持つ魔法や魔術がつよくなるのじゃ。それも半端なく。

 強い力となれば当然それを振るう者は強くなるじゃろう?」


 

 つまりはここから出て行くのはほとんど不可能


 そう言われたのにもかかわらず、ケンは不敵に笑う


 「分かった。長老、さっき俺に礼をするって言ってたな。」



 「‥‥言ったが、それが何か?」



 「なら、礼として俺をしばらくここに住まわせてくれ。食い物とかは自分でなんとかする。

 ここに居て分かったんだが、相当安全な場所なんだろう?ここは」



 「ほぉ‥‥何故ここに住まわせて欲しいと?」



 「森の最奥地にここから出る方法があるかも知れないんだろう?でも敵が強すぎてそこまで行けない、と。

 だったら強くなってそこまで行くのみだ。


 ここに住んでいる間に、鍛えて、戦って、強くなって、こっから出て行く。それだけの話だ。

 幸い、戦う相手は腐るほどいるしな」 



 「良いのか?わしの話は全て嘘かもしれんぞ?」



 「俺の勘があんたは信用出来るって言ってる。それで充分だ」



 実際、ここまでの話の中で黒い猿が嘘をついた気配は一度も無かった


 だから、少し信用することにしたのだ



 「クックックックッ‥‥ワッハッハッハッ

 こりゃ一本取られたわい!いいじゃろう、好きなだけここに住むと良い!これを持ってけ!」



 「これは?」




 「それは『緑苑の牙』。それで体のどこかを引っ掻けばこの場所に入ることが出来る。

 寝床はここを使えば良い。元々客室みたいなものじゃ」



 その言葉を聞いて、ケンはニッと笑う



 「ありがとな、長老さん」


 

 もっと強くなること


 

 それが今後のケンの課題となったのだった

なかなか、人物どうしの話し合いの描写が難しいです‥‥上手くできません(´;ω;`)

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