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エピローグ
「あっ、クラゲ!クラゲトンネルありますよ!」
「おお〜、行こ行こ‼︎」
2番、柏木圭介とのデートである。
「千咲ちゃんさあ、来週とかは空いてる?」
「んーと、ちょっと後でスケジュール帳見てます。覚えてなくてごめんなさい」
クラゲを見上げながら聞く柏木に、千咲は曖昧に微笑んだ。
婚活パーティーでカップリングした3人と、千咲は相変わらずデートを続けている。
今のところまだ決め手はない。でも、可もなく不可もなしだったのが、いいところ、嫌なところがきちんと見えるようになってきた。
別れの実感が胸に降りてきたあの夜から、千咲はまた自分が婚活に前向きになったのを感じている。
結婚相談所にも話を聞きに行った。
結婚したかった。できれば俊と。
それは叶わなかったけど、やっぱり誰かと結婚を作りたい。
それが納得できたからだ。
結婚はすべてではないけど、
その先が幸せかわからないけど、
でも、今、千咲はそこを目指したい。
冬のはじめ、千咲が最後だと信じる恋がはじまる。