ちんこ投げ 七つの大罪~色欲の罪~
「寮母さんはどうやって今の彼氏と出会ったんですか~?」
「あ、それ私も聞きた~い!」
意図的にちんこ投げで男性を少なくした世の中では男性との出会いは稀少だ。
しかも、女子校では男性との出会いはまずない。
この子達は、ずいぶん「自分が女性である事」を受け入れている。
『都立ちんこ投げ女学院高等学校』はまだ設立したばかりで「どのようにしたら女性教育が進むのか」まだ手探りだ。
私はかつて官僚だった時に「ちんこ投げとは一体何か?」という事を調べるために『陳投寺』まで行った事もある。
国が女性不足の対策として『ちんこ投げ』を国策にしようとしていたところまで、まだ官僚だった私は知っている。
なので、この『都立ちんこ投げ女学院高等学校』で何を行おうとしているのかは、おおよそ理解している。
その国策は間違っていないと思う。
お陰で女性不足も、高齢化問題も解消されてきているのだ。
「女性が余って結婚出来ない女性が出てくる」などが問題にならないのは、一部の金持ちがハーレムを作って妻を沢山迎えているからなのだろう。
その庶民に反感を買いそうな事柄が表沙汰になる事は決してないが。
ちんこを投げられて女性になった子は美人が多い。
よく「父親似の女の子は美人になる」などと言われるが、男だった時の面影を残しているちんこを投げられた者は美人になる可能性が高いのだ。
最初は「元男」という偏見も強かったが、ちんこを投げられて女性になった者が多数派になると、普通に女性として扱われ始めた。
国策は間違っていないと思うが、女性にする方法が強引で、女性になりたくない者達を無理矢理女性にして、洗脳紛いの意識改革の高等教育を迫る・・・それを私は気に入らなかった。
こんな風に無理矢理女性としての考え方を植え付けるのではなく、私は普通に女性としての幸せを寮生達に教えてあげたい。
「彼はね、元々私の部下だったの。
今でこそ私に『あれやれ、これやれ』って指示してくるけど、昔は私に対して愛想笑いしながらペコペコしてたのよ?」
「よく言うよ~!
本当は彼氏に頼られて嬉しいクセに!
こないだ寮母室に彼氏来てた時に、彼氏に料理作らされて幸せそうな顔してたクセに!」
「・・・本音で言うとね、色々指示されるの全然嫌じゃないの。
それどころか、もっと色々としてあげたいの!
私ね、彼に色々してあげるために女になったんだって思うの。
あなた達もそんな相手が見つかると良いわね」
「何て言うか・・・ごちそうさまでした」
「いいな~私もそんな相手見つかるかな~?」
「失礼します。
被検体番号0024は問題もなく寮母の仕事をこなしています。
大丈夫です。
私が『やれ』と指示を出せば喜んで指示に従います。
彼女は私が『死ね』と言えばよろこんで死にますよ」
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「見た目は15歳の小娘じゃがな・・・ワシはすでに270年以上の時を過ごしておる」少女は言う。
「ワシを担ぎ上げているヤツらが必要としているのはワシの財力と人脈だけじゃろう。
まあ、それでもワシは一向に構わん。
この胸糞悪いプロパガンダに反旗を翻せるんならのう・・・」少女はソファに深く腰をかけながら言う。
部屋の壁には有名なジャンヌダルクの絵が飾られている。
だがジャンヌの手に持たれているのは自由の旗ではなくちんこである。
「ワシの調べたところでは、この学校を取り仕切っているのは文部科学省の役人・・・寮母の良い男らしいがの・・・そやつは凡庸を絵に描いたような男じゃ。
ワシが集めたヤツらが元大学教授、元ジャーナリストなどで、役人の小僧風情では太刀打ち出来ない一癖も二癖もある連中じゃという事を役人の小僧はわかっておらんらしい。
可愛らしい小娘だと思っておるんじゃろう。
かつての上司を彼女に出来た事で舞い上がっておるんじゃろうな。
この学校が己の力ではなく、自分の彼女の裁量で回っておるとも知らずにのう・・・
本当に小人は度し難い。
・・・男に戻ろうとしない訳じゃないんじゃ。
じゃが、それは専門家にまかせといてじゃな・・・ワシに出来る事は専門家に男に戻るための研究費を渡す事じゃ。
まあ小娘の生活を満喫しても良いんじゃ。
でもな・・・あの小物の思い通りになるのは面白くないじゃろ?
そこでじゃな・・・あの小物の彼女じゃが寮母になる前、陳投寺の尼を少しだけ経験したらしいんじゃ。
何とか寮母をこちらの味方につけてじゃな・・・あの小物のちんこを寮母に投げさせたら面白いと思わんか?
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『ちんこ投げ女学院高等学校』の二校目が埼玉県に出来た。
一校目の成功が原因で責任者は引き続き一校目の寮母の彼氏だ。
「失礼します」
「・・・只今より『埼玉県立ちんこ投げ女学院高等学校』の寮母の面接を開始する」
成功に男は増長しているのだろうか?
自己紹介もなしでふんぞり返って面接をする気のようだ。
面接者を見下す様はさながら圧迫面接だ。
小物に権力を持たせてはいけない典型だ。
いじめられている者は時に自分より弱い者をいじめる。
この小物は過去に自分が高圧的な態度をとられた腹いせをこの面接で晴らそうとしているのだ。
身上書をペラペラとめくり面接者を頭の天辺からつま先まで舐める様にいやらしく見る。
実はこの小物、ハーレムを作ろうとしていて、この女を自分の女第二号にしようといういやらしい野望がある。
「へぇ・・・お前、漫画家を目指してたのか。
それで生活のためにコンビニで長く働いていたらコンビニオーナーに『雇われ店長にならないか?』って声をかけられて、漫画家になるという夢に見切りをつけてコンビニで働いてたって訳だ。
・・・で、面接してる間に面接相手にちんこ投げられたって訳だな。
おいおい、大丈夫かよ?
俺、お前にちんこ投げられるんじゃねーか?
ワハハハハ」
「私はちんこを投げられませんし、投げようとも思いません。
私はちんこと一緒に職や色々な物を失いました。
私がちんこを投げられた五年前、まだ『ちんこ投げ女学院高等学校』も被ちんこ投げ者に対する社会保証もありませんでした。
私と同じ思いをちんこを投げられた人達にして欲しくなくて、またちんこを投げられた者でも人生を楽しむ権利がある事を伝えたくて寮母に応募しました」
「お前はまだ漫画を書いているのか?」
「最近また、描き始めました。
ただ、寮母の仕事を優先するつもりです。
決して漫画を書く事が寮母の仕事の邪魔にはならないようにします!」
「ふ~ん、どうあっても漫画は描き続けるつもりなんだな?」
「いえ、コンビニの雇われ店長をしていた時に一旦、漫画を描く事は辞めています。
ちんこと職を失った時に『時間はあるけど金はない』という状態が続いて、再び漫画を描き始めました。
昔は童貞の願望満載のお色気ラブコメを描いていたんですが、今はちんこ投げを題材とした少女漫画を描いています。
漫画を描く事は私のライフワークです。
『漫画を描く事をやめなければ寮母に採用はしない』というのであれば、私は寮母になる事を諦めざるを得ません」
「・・・そこまでは言わない。
わかった。
お前は寮母として採用だ。
まったく・・・ちんこ投げはロストテクノロジーだったんだ。
昔にちんこを投げられた者を探すのは一苦労なんだ。
ようやく見つけたと思ったら『漫画を描く事を認めて下さい』か。
絶対に寮母の仕事を疎かにするなよ。
・・・あと、俺の命令には『はい』か『イエス』で必ず応じろ」
「・・・イエス」
「そこは『はい』で良い。
では行っていいぞ」
「はい、もしもし・・・
司令通り寮母の職を得ました。
あの男は私を自分の女にするつもりのようです。
鳥肌を抑えるのに必死でした。
あの男は私をレジスタンス『ちんこダルク』の一員だとは気付いていないでしょう。
私は『県立ちんこ投げ女学院高等学校』の獅子身中の虫として活動いたします」
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『ちんこダルク』に所属しているレジスタンスにはちんこ投げに恨みを持っている者が多い。
無理矢理ちんこを投げられた者が多いのだ。
望まず女にされたのに、女性の所作や言葉遣いを強要される事に反感を抱いている者がレジスタンスには多かった。
だが中には変わり種もいる。
末期ガンをちんこ投げに救われた私もその一人だった。
「なんでレジスタンスに参加したんですか?」
そんな風に聞かれる事が多い。
「私は一度は死んで『ちんこ投げ』に命を救われた身なんです。
ちんこ投げについても家族が説明を受けて、家族が納得して施術を受けました。
その時私は意識がありませんでしたけど、私が意識があったとしてもちんこ投げを希望したでしょうし、全く家族に感謝こそすれ恨んでなどいません。
それに後から医者から聞いたのですが、結果的に売らなくても良かったのですが私の手術代のために一瞬たりとも悩まないで母親は『自宅を売る』と言ったそうです。
家族は私の幸せを望んで、私が生きている事を望みました。
だから私は家族の思いに応えるために、女性としての幸せを追い求める事にしました。
・・・だから女を子供を産むための道具扱いして、寮母さんを食い物にしてるアイツを許せません。
アイツに女の恐ろしさを教えてあげるつもりですよ」